料理

「え、雪兎君、何か作ってくれるの」

「だって僕が料理担当じゃん」

 そう言って雪兎君は数十分で料理を作ってくれた。

「何このトマト煮みたいなやつ」

「ラタトゥイユだよ」

「あー、名前は聞いたことあるよ」

「茄子とかズッキーニとかパプリカを炒めてトマトで煮たやつ」

「ズッキーニとかどこで売ってるの」

「ちょっと大型のスーパーになら売ってるよ」

「僕、生鮮市場とか見ないし」

「カプ麺とレンジでチン売り場と総菜以外も見てどうぞ」

「やだよ、料理なんて。第一、僕には料理に何が入ってるかなんて分からないんだから」

「じゃあ今度カエルでも焼いて『焼き鳥』って言って出してやろうか」

「まあ、その後『これはカエルでした~』とかネタバラシしないならいいよ」

「え、ネタバラシするに決まってんじゃん」

「そういうとこ」

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