薄桜記
教師になって
教師になろうと思ったのは、いつからだろうか?
恐らく、中学くらいから漠然と考えていて、高校で進学先を決める時に、はっきりとした目標になったように思う。
「文学部か教育学部、迷うな……」
文学部に所属し、教職課程と学校司書の資格も取ることにした。
講義や実習はキツかったが、何とか現役で卒業、教員免許も取得できた。
京都に寄った際、昔の恩師であるフレッド先生を訪ねた。
先生は、京都の山の方の落ち着いた一軒家に住んでいた。英語教室の先生をしながら、カルチャーセンターで日本文化を学んでいるとのことだ。
「春から毬藻高校で教師をやることになりました」
「そうか、おめでとう」
「フレッド先生は、最初、教師をやる時どう思いましたか?」
「心躍っていたぞ」
「それはスゴいですね。俺は緊張してて」
「君なら大丈夫さ」
担任、図書担当、サッカー部顧問。
初めての割に、色々やることになった。大変なことは間違いないが、やる気はある。
有明吉野。
俺のクラスの出席番号1番、サッカー部で、図書委員。
恐らく、一番関わりが深くなるだろう。
優しい子だと思う。
それに、サッカー部が休部状態になっても、練習を欠かさない努力家だ。
出会えて、良かった。
教師になって、本当に良かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます