THE 飲み会  冬月雪兎生誕祭編

「はぁーい、それでは雪兎君生誕祭を始めまぁす!」  

 いえーーい、ドンドンパチパチとセルフSEで盛り上げる雪兎。向かいには春と秋人が座っている。

 テーブルには肉などの食べ物、ジュースや酒、赤や紫色をしたケーキが並べられていた。

「いぇーーい」

 雪兎に続く春。この二人は仲が良い。

「ということで、早速プレゼントを寄こしなさい」

「まずは俺から」

「開けていい?」

「いいよ。そんな大したもんじゃないけど」

「わぁ、可愛い熊のハンカチかぁ」

「普通でごめんな」

「いいよいいよ。ありがとう」

「じゃ、僕からも」

 秋人はスーパーのビニール袋に入った何かを差し出す。

「うわぁ、心がこもってないなぁ」

 中にはお菓子やチューハイ缶、つまみ、カプ麺などが千円~二千円分ほど入っていた。

「文句言うなよ。こういうのは消え物がいいんだよ。ラッピングも面倒くさいし、後で困るからやらない」

「まあ、さねちーらしいや」

「じゃ、プレゼントも渡したし」

「「「かんぱーい」」」


「で、最近どう?」

「ロシア旅行楽しかったよぉ」

「雪兎君は気楽でいいね」

「俺ら今年、卒論」

「あ~、人生の夏休みが、後一年で終わる音がするぅ」

「俺は教育実習が始まる~」

「そう! まあ頑張って! 飲み会ならいつでも!」

「ああ、頼むよ。来年は色々と、ストレスすごそう」

「さねちーは、会社上手くいきそう?」

「うん。まあ学内で協力してくれそうな人は見つけたし」

「良かったねぇ。上手くいくといいね、年寄り総リストラ計画」

「うん」



 今日も夜は更けていく。


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