第3話 2人目の勇者
アラビス)早速で悪いのだが、この国について詳しく知りたいと思っている。どこか良い場所を知らないか?
カル)それなら、図書館に行くといいぞ。
国王)おお、確かにそこなら色々な情報が手に入るだろうな。
アラビス)では、そこに行くことにしよう。
国王)よし、では案内しよう。こうして、まずは図書館に向かうことになった。
――
しばらく歩くと、大きな建物が見えてきた。おそらくあれが目的地だろう。
アラビス)あれが図書館か?
国王)ああ、その通りだ。
アラビス)そうか。では、入るとするか。
そう言うと中に入った。中は広く様々な本が置いてあった。これなら、欲しい情報も見つかるはずだ。
国王)何か探し物でもあるのか?
アラビス)ああ、少しな。
国王)そうか。手伝うか?
アラビス)いや、大丈夫だ、問題ない。
国王)そうか。なら、私は仕事に戻るとするかな。
アラビス)ああ、助かった。ありがとう。
国王)いや、気にしないでくれたまえ。
そう言って国王は去っていった。
アラビス)さて、探すとしますか。まずは、歴史の本から読んでいくか。
そうして俺は、歴史書を読み始めた。
アラビス)ふむふむ、なるほどね。
この本によると、今からおよそ千年前、突如として現れた魔物によって人類は滅亡の危機にさらされたらしい。その時に現れたのが、初代魔王と女神だ。そして二人は協力して、魔王を倒すことに成功した。そして、その後二人は結婚した。そして、二人の子供が生まれたそうだ。その子達は、それぞれ別の種族の王となった。そして、その子孫達もそれぞれの王となり今の魔王制度になったそうだ。
アラビス)つまり、魔王制度は、二代目から始まったということか。しかし、一体何故こんなことをしたんだ?何か理由があるはずなんだが……。
その後も、色々と調べていったが特にめぼしいものはなかった。なので、今度は魔法書を読むことにした。
アラビス)お!これは、なかなか面白そうな内容だな。
どうやら、魔法の使い方などが書いてあるようだ。
アラビス)とりあえず、試しに使ってみるか。
そう言って、俺は本に書かれている通りにやってみた。すると、手のひらに小さな火の玉が現れた。
アラビス)これが魔法か……。凄いな……。
俺は、それからしばらくの間ずっと練習をしていた。すると突然、 カル)おっす〜。調子はどんな感じ? カルがやってきた。
アラビス)ん?ああ、順調だよ。
カル)そうか。それは良かった。
アラビス)まあ、まだ慣れていないけどな。
カル)まあ、すぐに使いこなせるようになるさ。
アラビス)そうだな。
カル)そういえば、さっきから何をしていたんだ?
アラビス)ああ、実は魔法の練習をしてたんだよ。
カル)えっ!?マジで?
アラビス)ああ、マジだ。
カル)へぇー、じゃあ俺にも見せてくれよ!
アラビス)別にいいぞ。
俺は了承すると、もう一度魔法を使ってみた。
アラビス)バルハラホール!! すると、目の前に大きな穴が出現した。
カル)うわぁ!スッゲー!何これ何これ!
アラビス)フフン♪どうだ、すごいだろ?
カル)うん、めちゃくちゃすごいじゃん!
アラビス)そうだろう?もっと褒めてくれたまえ。
カル)はいはい、すごいすごい。
アラビス)おい、棒読みはやめろよ。
カル)ごめん、つい。
アラビス)まったく……
カル)でも、本当に驚いたぜ。まさか、こんなことができるなんてな。
アラビス)まあな。だが、まだまだこれくらいしかできないぞ。それに、威力も低いからな。
カル)それでも十分すぎると思うぞ。だって俺なんて、攻撃魔法使えないんだぞ。
アラビス)いや、俺も最初は使えなかったぞ。
カル)へぇー、そうなのか。なら、どうやって使えるようになったんだ?
アラビス)実はな、毎日のように練習していたらできるようになったのだ。
カル)へぇー、そうなのか。
アラビス)お前はどうして、この世界に来たんだ?
カル)ん?そりゃ、もちろん観光のためだよ
アラビス)そうか。ところで、この国にはもう見たいところはあるのか?
カル)ああ、一応は全部見たかな。
アラビス)では、これから何をするつもりなのだ?
カル)特に予定はないかな。
アラビス)そうか。なら、もしよかったらなのだが、一緒に旅をしないか?
カル)おお!まじか!なら、よろしく頼む! こうして、俺たちは旅に出ることになった。
――
俺たちは、まず最初に冒険者ギルドに行くことにした。理由は簡単だ。なぜなら、お金を稼ぐためだ。正直な話金がないと生きていけないからな。
そして、その道中のこと。
アラビス)そういえば、カルってどこから来たんだ?
カル)ああ、日本っていう場所からだけど。
アラビス)ニホン?聞いたことがない名前だな。
カル)そうか。まあ、無理もないな。
アラビス)どういうことだ?
カル)まあ、簡単に言うと異世界からやってきたというわけだ。
アラビス)なに?本当か?
カル)ああ、本当だぞ。証拠を見せてやる。
そう言うと彼は、何か呪文のようなものを唱えた。すると、突然彼の姿が消えた。
アラビス)お、おい!どこに行ったんだ!? 俺は慌てて辺りを見回した。しかし、彼を見つけることはできなかった。
アラビス)一体どうなっているんだ? 俺はしばらく考えたが、結局答えを出すことができなかった。
カル)どうしたんだ?
アラビス)うおっ!いつの間に後ろにいたんだ?
カル)今さっき来たばかりだぞ。
アラビス)そ、そうなんだ。てっきり、どこかに行ってしまったと思ったよ。
カル)それは悪かったな。まあ、そんなことより早く行こうぜ。
アラビス)そうだな。
そうして、俺たちは再び歩き始めた。
そして、それからしばらくして、ようやく目的地に着いたようだ。
アラビス)ここか……。
カル)そうだ。ここで、登録すればいいらしい。
そう言って、中に入っていった。中には、様々な人がいたが、その中でも一人だけ目立っている人がいた。それは……
カル)あの人は……。
そう、なんとそこにいたのは、勇者だったのだ。
俺は、彼に話しかけることにした。
アラビス)すみません。少しよろしいでしょうか?
すると、彼がこちらを振り向いた。
勇者)ん?なんだ?
アラビス)私は、アラビスといいます。実は、あなたにお聞きしたいことがありまして。
すると、彼は笑みを浮かべながら言った。
勇者)ほう、何を聞きたいというのだ?
アラビス)単刀直入に言いましょう。なぜ、魔王を倒しているのです? すると、彼は不思議そうな顔をした。
勇者)えっ?普通に疑問を持ったから聞いてみただけだが。
アラビス)なるほどね。でも、よく考えてみて下さいよ。いきなり現れた奴が、急に世界を救っているなんて言われたら、疑問を持つでしょう? すると、今度は納得してくれたようだった。
勇者)確かにそうだな。だが、一つだけ訂正させてくれ。別に、俺一人で倒したわけではない。仲間達と一緒に戦ってきた。
アラビス)へぇー、そうですか。ちなみに、どんな人達なのですか?
勇者)うーん、一言で言うなら個性豊かなメンバーかな。
アラビス)例えば、どのような感じで?
勇者)そうだな……、まずは、剣士の男がいる。その男は、普段は無口であまり喋らないのだが、戦闘になると、とても強く頼りになる存在だ。次に、格闘家の女だ。彼女は、いつも明るく元気な性格をしている。そして、魔法使いの少女もいる。この子は、大人しく控えめな性格なのだが、魔法に関しては誰にも負けないほどの力を持っている。そして最後に、僧侶の女性がいる。この女性は回復を得意としていて、みんなのことをサポートしてくれる。他にも、弓使いや忍者などたくさんの人たちがいるぞ。
アラビス)へぇー、なかなか個性的な面々ですね。ところで、年齢はどのくらいなのですか? 勇者)全員、俺と同じ17歳だ。
アラビス)そうか。じゃあ、これからも頑張ってください。
勇者)ああ、ありがとう。
そう言うと、俺達は別れた。
――
俺は、宿に戻るとカルに先程の話を聞かせた。
カル)へぇー、そんなことがあったのか。
アラビス)そうなんだよ。
カル)それで、結局お前はどうするんだ?
アラビス)もちろん、彼らに協力するつもりだ。
カル)そうか。なら、俺もその旅について行くぜ。
アラビス)本当か!?なら、よろしく頼む! こうして、俺たちは一緒に旅をすることになった。
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