第15話 価値観は変わるのかも
「そういえば」
張本はお笑いの規制が厳しくなったという話で連鎖的に思い出したエピソードがあった。
・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
「パワハラ?張本くんが?」
バニラフラペチーノを飲みきり、ズゾズゾと平谷のストローが音をたてる。
もうバニラフラペチーノを飲みきったようだ。
「そうなんです。そんなキツイ言い方した覚えないんですけどね」
バニラフラペチーノは張本の口に合わなかったらしく、あまり量が減っていない。
「結局いくら配慮したところでソイツの感じ方次第ってことなんだろうな」
平谷は紙ストローをガシガシ噛みながら言った。
「今の時代の人間は、そんな湾曲した感性持ってないハズなんですけどね!」
張本は少し口調を荒らげる。 よほどショックを受けたのだろう。
「時代とかではなくて、人それぞれの感じ方だってことなんだよ」
張本は少し間を置いてから、絞り出すように声を出した。
「……パワハラしてるかどうかは僕じゃなくて相手が決めるって事ですか」
「そういうことになるね」
「僕がいくら傷つけないように配慮しても……」
「そう。思い込みだとしても相手にとっては加害者になっちゃうな」
────お笑いでは絶対に傷つける訳にはいかない
張本は平谷の発言を聞いてそう自分の心に誓った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます