第7話 ほうらみんなが優しさの味方
「今の時代体罰なんてはよくないと思いますね。」
口調にも気をつけなければ。
炎上したアイドルは口も悪かった。
「男性」ではなく「男」と口走り、「奢るべき」ではなく「奢れや調子乗んな」という感じだったので火に油を注いだのであろう。
政治家じゃないから、あくまでも中立的に。強い言葉やハッキリした物言いをしない。
「お子さんによると思うんですけどやっぱり自尊心を奪いかねない行為だと思いますし。もちろん厳しくした方が上達する方もいらっしゃると思うんですけど…」
一見体罰を否定してるようで、どちらの味方もしていない。
「ああもちろん個人の感想ですけどね!」
エクスキューズもしっかりとして炎上対策だ。
仕事で自分の意見なんていっても意味が無い。
好きか嫌いか、善か悪かではない。
損か得か、だ。
生放送で爪痕残そうなんて考えたらデジタルタトゥーが残ってしまう。
「はいありがとう平谷君。でー今回ねリモート出演で専門家えーYouTubeで今ね!話題だそうで!チャンネル登録者20万人!教育系YouTuberヒラピケさん!今回のこの事件どういう見解でしょうか」
「はーい!ヒラピケでーす!!池谷さーんいつもこの番組観てますよー!」
「ああ!そう…そうなんですねそうですかありがとうございます!」
「で私の見解なんですけどこの学校って以前にもこう__」
__乗り切った…。
平谷は脱力した。
コメンテーターも仕事なので別にこのニュースに関してなにか思うところがあるとかそういうのは無いし、今リモートで繋いでいる教育系YouTuberとかいう人物の胡散臭い肩書きにも司会者は興味はないんだろうなと平谷は思っている。ていうか司会者YouTuberの名前間違えてたな。
そのまま、ワイドショー「池谷茶」の放送は終わった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます