第3話 言われて嫌なことは他人にもしないの!


「はあ?時代送れって、それどういうことだよ」


彼はお笑いコンビ「チーター」のネタ制作兼ツッコミ担当の菅原という男だ。

後に「ラブ・アンド・ピース」のマネージャーになり、張本の事を一方的に嫌いになる。


「だから人をディスるお笑いってのはこれからの時代コンプラが厳しくなるからやってけないと思うよ?差別だなんだって言われて、ネットですぐ炎上するのがオチだよ。漫才だけにね!」

そう張本が上手いこと答える。


「いいか張本。お笑いってのはなあ、差別とかいじめとおんなじなんだよ。人と違う要素とか滑稽なことを笑う、楽しみ方のツボとしては全く同じだぜ!」


「まあまあお笑いってのはある程度自由だからお笑いなんであってさ……」


飲みの席で喧嘩なんてされたら困ると平谷が割って入る。


しかし菅原のお笑い論トークは止まらないどころかむしろヒートアップしている。


「だけどそれがいいんだ!人間の醜さも腹黒さも、お笑いではポジティブに変換されてるように見えるんだ!言うなれば合法的なイジメだな」


ビールこれで何杯目なんだろうか。すっかり酔いがまわったようで顔が真っ赤だ。


「いや、お笑いはもっとクリーンで親しみやすくて上品であるべきだ。時代はもう君がやるような下品で野蛮な笑いは求めてないよ!」


この発言で2人は取っ組み合いの大喧嘩になり止めようとしていた平谷までそこの居酒屋を出禁にさせられた__


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