スーパー☆オノマトペ無双〜追放された宮廷画家は、転生特典の『口からオノマトペが出るチートスキル』で無双する。お宅のお姫様も連れて行きます。戻ってきてと言われてももう遅いんだからねっ!〜
35.神々の授け耳元でわああああああああああ
35.神々の授け耳元でわああああああああああ
(光輝神ルミナス、論理神ロゴス、娯楽神モカダイス、私の祈りが届いていますか。)
聖女は自身を
”聞こえていますよ,ピスカ=アラカルト=トーストレイズン.ユニークスキル発現のために条件を積み立てていく姿は,決して運任せの賭けなどでなく非常に論理的な→”
そう発したのは論理神ロゴスだった。
"はあ!?ピスカっちはこういう局面でも迷わず運に身を任せられる、超げきつよ度胸の持ち主なんだけど!?"
口を挟んだのは娯楽神。
"ふん,モカダイス.相変わらず非論理的で知性のかけらもない"
"そっちこそ神界会議の時いつも隅っこでもじもじ縮こまって黙ってるくせに、ピスカっちがいる時だけうるさいかも"
"は?あなたはいつもベラベラと喋りすぎでしょう神界会議が神聖な場であることを理解し→"
"ごほん、2人とも、信徒の前でくらい聖神性を保てませんか"
二神を制したのは光輝神ルミナスだった。
"失礼した"
"はーい"
(あ、あの…)
"ピスカ=アラカルト=トーストレイズン。あなたには希望通りのユニークスキルを授けます。"
ルミナスが言った。
(本当ですか!)
"本当だよ!だけどね、強力な力にはそれ相応の代償が必要かも、だよー"
娯楽神モカダイスは喜ぶように目を細め、指で硬貨を意味する輪っかを作った。
チャリン、と音が聴こえたような気がした。
"聖属性とは邪属性を浄化する力→はっきりと言えば,汚染された肉体ごと消しとばし魂を天へと送り届ける力."
(...わかっています。一度魂に結びついた属性を引き剥がすことはできない。
......例え娯楽にはまろうが酒に溺れようが一度修行で授かった聖属性が消えることはない。
それと同じで、一度でも邪悪の神の誘いに乗ってしまえば、肉体を邪気に上書きされ、二度と邪属性を消すことはできず一生悪夢にうなされ続ける。)
"うんうん、で、だよ。
それでも一度ゾンビになった人たちを元の姿に戻したいかも、そう言ってるんだよね?"
(はい)
"んふっ、だったらね、ピスカっち専用に超超超特別なスキルを与えてあげる
本来不可能なはずの、ゾンビになった人たちを元の姿に戻す力。
でーもー、その代わりぃ~"
モカダイスは聖女の額を指差した。
"人々から引き剥がした邪属性は、ピスカっちの肉体に引き継がれちゃう...!"
"それでも、その力を欲すと言うのですか?"
(............はい。私には救いたい人々がいるのです。どうかお力をお授けください。)
"."
論理神ロゴスは押し黙り目を瞑った。
"んふ〜"
娯楽神モカダイスは恍惚とした表情を見せた
"それでこそ私の認めた最高のギャンブラー♡"
"あなたの覚悟、確かに受け取りました。それでは早速ユニークスキル<曳き請けの祈り>をあなたに授け「わあああああああああああああ」「わああああああああああああ!?!?」
光輝神ルミナスの授けを、いきなり爆音が遮った。
「や、やめてください!いきなり耳元で!」
「ごめん、なかなか反応してくれなかったから...」
「それはすみません。いえ、そんなことより……」
ピスカはビー玉サイズの水晶玉を取り出して覗き込んだ。
「ふう、ちょうど今ユニークスキルを授かりましたよ。ゾンビになった人たちを元に戻す力を。宣言通り。」
ピスカは拳で自身の胸をぽんと叩き、寝汗がだらだらの笑顔で言った。
「あー、ごめんけど、別の方法を思いついたから、それを試してもいいかな」
「はい!…………えっ?」
「あー、ごめんけど、別の方法を思いついたから、それを試してもいいかな」
「い、いや、えっべ、べべっ別の方法ですか!?
「うん、ピスカの力が必要。協力して?」
ピスカは唖然とした。が、ふうっと息をついて、次の瞬間には冷静な声色で答えた。
「………………は、はい、わかりました。どうすれば良いのですか?」
「うん、まずはピスカが祈って聖属性の力を出す、それを私がオノマトペに成形しなおす。」
「聖属性を……オノマトペに…?」
「オノマトペ具現化には、形状で性質を決める特性...簡単に言うと、『メラメラ』言えば燃え盛る炎に、『ふわー』っと言えばフワフワの綿飴状になる。
このスキルの最大の特徴は、あくまで出しているのは物質ではなく性質……炎そのものではなく、
オノマトペの形状に合わせて性質が射出される………
その仕様が一種のフィルターとなり、ピスカの出す聖属性の祈りが観客たちのゾンビ部分だけに効いて、元の人間の姿に戻せる。そういう算段。」
説明仕切ったところで、私はピスカに訊いた。
「……不安そうだね?」
「えっ、いや………いえ。そ、そりゃもし失敗したら大勢の人たちを消しとばしてしまうかもしれない、あなたの策が成功するか不安で...」
「話す前から不安そうな顔だったよ」
「えっ...」
「私を信じて」
私はピスカ=アラカルト=トーストレイズンに手を差し出した。
「...怪しい人ですね。私は聖女です、神を第一に信じています。」
ピスカはそっぽを向いて言った。
「でも。その次にだったら、信用して上げてもいいですよ」
ピスカは私の右手を、両手で包み込んだ。
「神様の次でいいの?あなた、簡単に騙されそうで心配」
「はあ!?じゃあ三番目、いや四、五番目くらいでいいです!」
ピスカは顔を真っ赤にして怒った。
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