スーパー☆オノマトペ無双〜追放された宮廷画家は、転生特典の『口からオノマトペが出るチートスキル』で無双する。お宅のお姫様も連れて行きます。戻ってきてと言われてももう遅いんだからねっ!〜
22.Answer1ここはヌーディストビーチじゃないんですよ
22.Answer1ここはヌーディストビーチじゃないんですよ
「帰るのはちょっと.........でも.........そ、それは、そうですね......」
探偵聖女は、落ち込んだふうに言った。
「みなさん、大切なお時間をいただいてしまい、申し訳ありません......。」
「え、えっ...?」
男は一瞬困惑する。
しかし、聖女はすぐに立ち直って明るく言った。
「...あっ、そうだ!ちょうどいいですし、ここにいるみんなで遊び直すのはどうでしょう!
これも何かの縁だと思って、みんなで親睦を深めませんか?」
「は、はあ!?」
他の観光客たちも「なんで今更?」と、ざわざわと困惑していた。
けどピスカがへたっぴなウインクを、1人1人に向けてしつこく行っていたせいか、それが何か意図のある行動だと何とか伝わり、そのうちに全員同意していった。
「じゃあ、水着に着替えましょうか!」
「はあ!?なんでまた着替えなきゃいけねえんだよ!」
「えっ...」
「なんだよその本気でドン引きした顔は、やめろよ!!!」
「み、水着に着替えずにやれる遊びなんて、あるんですか...?
まさか水着に着替えずにビーチバレーをやるだなんてそんなこと、言いませんよね...?」
「いいじゃねえかよ!水着じゃなくてもビーチバレーしたってよ!!」
「や、やめてください!普段着でビーチバレーをするなんて...そんなおぞましいこと...私は絶対にしません!」
探偵聖女は青ざめた顔をした。
「くそ!付き合ってらんねえよ!じゃあ何が良いってんだよ!?
こんな曇り空で、水着なんか着てられっかよ!
絶対寒いじゃねえか!」
男は去ろうとするが、ずっと探偵聖女にかけられていた光の手錠にがしゃんと引き留められた。
「う...ううっ...そんな...ぐすん...どうしても、みんなと遊びたくて...!」
「ふざけやがって!
海なんだからよ!別に海水浴とビーチバレー以外にもやれることくらいあるだろうがよ!!
とにかく俺は絶対水着になんか着替えねえからな!!」
「じゃ、じゃあ、水着に着替えずに何するって言うんですか...?」
「そんなの、あるだろ!!ほら、海なんだから、釣りしたりとかさ!」
「ひゃっ!?」
「ああ!?」
「つ、釣り!?今、"釣り"と言ったんですか...!?」
「そうだよ!釣りだよ」
「そんな、つ、釣りなんて...」
聖女は顔を赤らめながら目を逸らす。
「んだよもおおおおおお!!さっきから何なんだよてめえは!!!
海なんだからビーチでいる以外にも、釣りだのダイビングだの、そういうサービスもあんだろ!?
そのくらいガキでもわかるよなあ!?なんでわかんねえんだよ!!
そんなにみんなで親睦を深めたいなら、釣りでもすれば良いじゃねえか!
海の家とかに釣竿ぐらいあんだろ!
そんなに言うなら俺が取ってきてやるよ!だからこの手錠外しやが---」
「この海って...普段、どんなふうに利用されているか知ってますか?」
探偵聖女ピスカ=アラカルト=トーストレイズンは、先ほどまでの高低差のある喋り方とはうってかわって、淡白で直線的で鋭い言葉を、刺すような言い方で男に訊いた。
「はっ?」
「この海って...いえ、このビーチって普段、どんなふうに利用されているか知ってますか?
あなたが言った通り、子供だろうが誰だろうが、知っていれば誰でもわかる話、ですよ。
簡単に答えてください。」
「バカにすんな!
何回言わせんだよ!砂浜で過ごす、海で泳ぐ、それ以外に釣りとかダイビングとか-」
「以上ですか?」
「あ、あとは...海だから漁とか、いろいろされてんだろ!?」
「.........」
「どうやら...お尻から生えたオオカミの竿を、完全に出してしまったみたいですね。ここはヌーディストビーチじゃないんですよ」
「は...?何ふざけたことを言って」
「どうして知らなかったんだ?
このトコヒルビーチでは、漁はされていない。もちろん、釣りもだ。」
眼鏡の捜査官カキが言った。
その事実は、このビーチに遊びに来た人なら、誰もが知り得るはずの情報だった。
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