ざまあようそ2 ゆうしゃと!くものいと!(導入)

勇者視点。ざまあパートの(導入)です。嫌な人は飛ばしてOK!

※尊厳破壊注意

そういうのが好きな方だけどうぞ


ーーー


「パイン...ジミー...ザクロサ...」


初めて出会ったときの記憶。

初めてクエストを達成したときの記憶。

その後祝勝会をしたときの記憶。

一緒に魔王軍の幹部を倒した記憶。


そしてグレネード・センチピードに殺されたときの記憶。


ジミーが死際に放った死霊術で、どうにか3人の魂だけは取り止めたけど...俺の作った人形じゃみんなうまく動けないし喋れない。

だから上手い人に描いてもらおうとしていたのに...


「あれ、なんでこうなったんだっけ?

俺はなんでこんなことをしてるんだ?なんで?なんで?なんで...


あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


洞窟ダンジョンで泣き崩れのたうちまわる勇者の前に現れたのは、"勇者"だった。


「!?」


自分と全く同じ姿の男に、勇者は驚く。


「おお、仲間を失ってしまったのですね。

なんと哀れなことか」


「お前は誰だ!?」


「フフ、驚かせてしまい申し訳ございません。」


ボンっと煙が出ると、勇者そっくりだった男の姿はスーツを着込んだ小太りの中年に変わった。


「私はサーカス団を経営しております社長兼・営業兼・奇術師兼・調教師の"ホルダー"と申します。

勇者殿のユニークスキル<蜘蛛の糸>...私とても興味があります。」


「もし私のサーカスに出ていただけるのなら、お仲間の皆さんを元の姿に戻して差し上げます!」


「...ほ......本当か...!?」


「ええ、本当ですとも!私にはそれができます

私の持つ強奪系チートスキル<オーダーレトリーバー>ならね


ほらっ!」


すると勇者の目の前に、パインが現れた。


それは人形ではなく、元のパインの姿だった。

無表情で、両腕をぴんと横に広げていたが、それは間違いなく元の生身の人間のナップル・パインの姿だった。


「あっ、えっ、パインっ?パイン!!」

勇者は思わず飛びつくが、パインはポンと煙となって消えた。


「おっとおっと、まだ契約が済んでいませんよ」


「する、するっ!契約するっ!早くしてくれっ!はっはっはっは!」

勇者は笑った。犬のように舌を出して笑った。


ホルダーもニヤリと笑った。

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