UFOキャッチャー

LAYLA

第1話 僕はぬいぐるみ

今日は土曜日、いつもより沢山の人がやってくる。

今日は、良い人来るかな?

僕がいるのは、ゲームセンター内のUFOキャッチャーの中。

そう、僕はぬいぐるみだ。


僕はいわゆる人気キャラクターなので、お客さんは毎日のようにやってくる。

なのになぜ僕がまだここにいるかって?

それは、僕は僕を大事にしてくれそうな人の元に行きたいからさ。


あ、お客さんだ!真面目そうな中学生男子だ。この子なら大事にしてくれるかな?

でも、抱っこして寝たりはしないだろうな~。僕は結構大きなぬいぐるみ、是非抱っこして眠って欲しい!

やはり、小さい子供の方が良いかな?ごめん!

僕は、捕まえられた体を少しずらして、落ちた。


次のお客さんは、子供連れのパパだ。子供は優しそうで、パパも子煩悩に見える。

うん、この人は子供の為に取るはず、子供ならぬいぐるみと寝るのは定番だろう!

よし、この人にしてみるか!

心を決めたけど、女の子からまさかの一言「パパ、私あっちのやつが良い!」

振られた…。まぁそんな事もあるよね!


その次は、カップルだ。ん~カップルか。きっと彼女の為に取るんだろうな。

彼女はぬいぐるみと寝るタイプかな?そう見えなくもない。

でも、カップルは別れると相手からのプレゼントを全て捨てる可能性もあるんだよね…。それは嫌だな。この二人が別れるとか思ってないよ!でも、怖いからやめておく。

そう思っていたら「ねぇ、いつまでUFOキャッチャーで遊んでるの?他の事しようよ!」

え!?まさかの、彼氏の趣味だったのか!

「このぬいぐるみ可愛いじゃん!欲しいんだよ~!」

その一言で、僕は彼に運を任せることにした!えい!

「やったー!やっと取れたぜ!」

こうして僕は、このカップルの元で暮らすことになった。

この二人は僕の想像よりもずっと仲良しで、数年後結婚して子供が生まれた。

僕は今はその子のお気に入りで、とっても大事にされている。

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UFOキャッチャー LAYLA @layla_layla

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