第2話 大切な想い

凪宮さんとは何ら繋がりが無い。

つまり.....簡単に言い表すと天と地の差だった。

それから水と油の様なそんな感じだ。

俺達は関わり合いのない人間だった筈だった。


翌日になり俺は格闘ゲームで敗北した責任もあり好きな人に罰ゲームで告白する事になってしまった。

俺は好きな人とは凪宮さんの事である為。

非情な罰ゲームになりそうだった。


「何?お話って」


凪宮さんに、話がしたい、とレインをしてから。

俺は凪宮さんを校舎裏に呼び寄せた。

それから俺は心臓をバクバクさせながら。


罰ゲームなので律子に見守られつつ。

凪宮さんを見る。

そんな凪宮さんは微笑みを浮かべていた。


「空。今日は晴れてるね。.....絶好の日だね」


「そ、そうだね.....」


「何のご用事かな。矢島くん」


「.....えっと.....えと.....」


凪宮さんが天気の事を言ってくれたが頭が混乱している。

言葉が出ようにも出てこない感じだ。

俺はその様子に耐えかね頑張って言葉を紡ぐ。

しかしこうなってしまった。


「す、ちゅきです!!!!!」


盛大に噛んだ。

俺は真っ赤になりながら俯く。

あまりの事に俺はショックを受けていた。


そして愕然としていると。

目をパチクリしていた凪宮さんに、もしかして私が好きって事?、と解読された。

俺はボッと赤面する。

それから、そう、です、とようやっと捻り出す様に答えた。

すると凪宮さんは柔和な顔になる。


「.....そっか.....じゃあ付き合おうか」


「.....フえ?!」


「え?だって告ったのはそっちだよね?アハハ」


凪宮さんは笑みを浮かべる。

そして、私.....今、付き合っている人居ないし、と答える。

フリーってやつだよ、とも。

俺は真っ赤になりながら凪宮さんを見る。

それから、嘘.....、と呟く。


「.....君は私を助けてくれたヒーローでもある。.....実は.....私も告白しようかなって思っていたんだよね」


「な、凪宮さんが!?」


「そうだよ。こんな感じで私を救ってくれた人は初めてだしね。好きというよりかは君に興味が湧いて.....かな」


「.....」


凪宮さんが俺に告白だと。

俺は思いながらまた赤くなってしまう。

それから俺は凪宮さんを見ていると。

凪宮さんが俺の腕に絡みついて来ながら見上げてくる。

君は良い人だね、と言いながら。


「意外だったよ。.....私を助けてくれるなんて。あんなに格好良い所もあるんだって見直しちゃった」


「そ.....はい.....」


「なーに?その反応?アハハ」


それから凪宮さんは笑顔を浮かべながら俺を見てくる。

そして俺達はそのまま.....帰宅する。

その際に俺は律子を見たが。

律子は、計画通り、的な顔をしていた。

何だろう.....。



「ねえねえ。どっちがお家?」


「えっと.....2丁目です.....」


「ほほう。それはそれは。と。さっきから思っていたんだけど何で私に敬語使っているの?」


「え?.....い、いや。凪宮さんだから.....」


俺はそんな感じで回答すると凪宮さんはムッとした。

それから指差して俺を見てくる。

そして凪宮さんは、敬語禁止、と言ってくる。

俺は!?と思いながら凪宮さんを見る。

え、と青ざめながら。


「.....私とリューキは恋人同士。.....だから恋人同士で敬語なんて有り得ない」


「え.....あ、はい」


「今も使っているよね。だーめ」


「う、うん」


「.....それでヨシ。.....じゃあ私もリューキに敬語使わないからしね。私の事を曝け出すつもりだし」


「へ!?」


じゃあ行こうか、と笑顔になる凪宮さん。

そして俺の腕に自らの腕をそのまま絡ませてくる。

俺はその姿を慌てて見ながら赤面する。


すると、じゃあどう帰ろうか。時間があるし楽しんで帰りたいな、と言ってくる。

目が回る。

これって現実なのか?

あの天下の凪宮さんが俺の彼女というのが.....。


「私だからって遠慮しないでね。.....君が好きな場所に.....というか。あ。リューキの家に行ってみたいかも。近くだしね。良いかな」


「え!?いきなり!!!!?」


「え?そんなもんでしょ?彼氏彼女なんだから」


「でも付き合い始めたばっかり.....」


「.....リューキが何が好きかを知りたいんだ。私の好きにしたいのもあるしね。.....彼氏彼女の関係になったら普通は相手の事を理解したいって思うから」


し、しかし。

俺の部屋はオタクグッズばかりなのだが。

俺は顎に手を添えながら考え込む。

妹も居る可能性が。

すると凪宮さんが、駄目?、と潤んだ目を向けてくる。


その姿が可愛らしくて、ぐう、と諦めた感じで、分かった。じゃあ一緒に行こうか、と

ここで無碍に断るととても心が痛い。

そう考えてしまったのだ。

取り敢えずは適当でもかなり片付けないと。

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