それでも地球は廻る。恋を乗せて
アキノリ@pokkey11.1
第一章 貴方に出会った日
とっても格好良かった
第1話 恋に落ちた日
告白.....といえば何を思い浮かべるだろうか。
俺、矢島龍騎(やじまりゅうき)ボッチ属性としてはやはり愛の告白を思い浮かべてしまう点がある。
それはつまり婚約の一歩前のプロポーズに似た様な感覚。
その為に俺は、まあ俺には一生無い事だな、と思いながら生きてきた。
「あ」
そんな事を考えながら生きていたある日。
俺はそんな一言を聞いてから顔を上げてみる。
すると目の前にかなりの美少女のギャル。
つまりを言うと学校一の相当な美少女、凪宮時雨(なぎみやしぐれ)が手を合わせて立っていた。
「ゴメン。ちょっとシャーペン貸してくれる?」
「.....え!?.....あ、うん.....」
驚愕する俺。
5月の事。
そんな感じでシャーペンを受け取ってから凪宮さんは俺の机で名前の記入欄に名前を書いてから、ありがとう!、と言いながら俺に両手でシャーペンを返す。
それから俺に頭を下げてから去って行った。
俺はいきなりの事に驚愕しながら思い出してから真っ赤になる。
い、今のって!?、と思い出しながら。
「.....」
カァーッと暑くなる。
俺は背中の自律神経が狂う感覚を感じた。
それが久々の恋だったと思う。
それから.....シャーペンを見てからそのまま筆箱に仕舞う。
キモいかもしれない、と思ったから。
☆
それからかもしれないけど。
俺は.....事あるごとに凪宮さんを見掛けていた。
凪宮さんは嬉しそうに金色の髪の毛を動かしながら談笑している。
その姿を見ながらボーッとしていると。
「オイオイ。どうしたんだ。ボーッとして」
「.....ああ。律子」
大野律子(おおのりつこ)に話掛けられた。
俺と腐れ縁の友人の女子だ。
大きな丸メガネの奥は多分かなりの美少女だとは思うけど決してメガネは取らない。
おさげ髪。
その姿を見ながら、何でも無いけど恋をしたかも、と答えた。
すると律子は、が?、と反応する。
「.....お前が?そんな馬鹿な」
「そんな馬鹿なって俺は男。良い加減にしてほしい」
「まあそうか。で.....誰を好きになったんだ?」
「目の前の彼女だね。.....凪宮さん」
「.....それは無茶があるな。今直ぐに目を覚まさせてやろう」
馬鹿なのか律子は。
そんな事をしたら脳機能障害になる。
俺は控えめに断りながら横に立つ律子を見る。
律子は、我々スクールカースト下位が神に手を出すのはおかしいと思わない?、と苦笑いでスマホを取り出す。
いつもの様にドガドガ動画を観る為だ。
「.....まあそうだね.....」
「そうだよね。じゃあ諦めな」
「.....まあそうだけど.....」
そんな会話をしながら俺は溜息を吐く。
その溜息が鬱陶しかった様だ。
律子は、じゃあさ。また格闘ゲームで負けたら今度思い切って凪宮さんに告白するってのは、と切り出してくる。
何を言っている?
「あのね.....そんな馬鹿な事が出来る訳ないでしょう?」
「だがこのままでは何も進まない」
「.....そうだけど.....」
でもなそんなリスクを犯したくない。
何故ならギャルだ。
そして相手は陽キャだ。
幾らでも俺なんか容易に叩き潰せるだろう。
思いながら俺はゾッとしながら、やっぱり良くない、と断った。
「貴方の溜息を吐くのを見るのが鬱陶しいからな」
「.....だから告白ってそんなリスクは犯せない」
「成せばなるという」
「ならないと思うから」
そんな感じで会話をしながら律子を見る。
律子は動画を観ながら、まあ.....リスクを犯すのもあれかも知れないがこれは私がお前さんのメシウマを見れるチャンスだからな。それに勝るものは無し、とニヤッとする律子。
この子最低だな。
思いながら俺と律子はゲームセンターにやって来た。
それから格闘ゲームをやる為に席に腰掛ける。
放課後の事だったが.....。
「私の勝ちだね」
「.....負けてしまったね.....律子強いからね.....」
「そうだね。ではこれで君が凪宮さんに告白するのが決定したね」
「.....本当に告白するの?」
「そうだね。命令は絶対だ」
そんな感じで台を離れようとした時。
何だか女子の声で、ちょっと。ウザい、と声がした。
怒った様な声である。
俺達は顔を見合わせて?を浮かべて見てみると。
所謂プリクラ台の近くで女子が1人の男に絡まれていた。
「凪宮さん!?」
俺は驚愕しながら見ていると律子が、よし。後は頼んだよ、と別の方向にある出入り口から去って行った。
何様なのか!?
俺は思いながらそのまま溜息を吐いた。
それから俺はギュッと唇を噛んで、すいません、と声を掛けてみる。
「あ?誰?」
「.....すいません。俺のクラスメイトです。その子。だから離してやってくれませんか.....」
「.....は?俺達、これからデートすっから。ガキは引っ込んでな?」
「いや。そういうのは良いですから.....だって嫌がっているし」
「.....はぁ?」
このまま暴力振るわれたら勝てないな。
情けない姿を晒すだろう。
その中で凪宮さんが俺を見ながら目をパチクリする。
そして間も無く律子が店員を引き連れて店員がやって来てから事は治まった。
それから一連の事が終わって去ろうとした時。
「ねえ」
「.....は、はい?」
「君。私を助けてくれたの?」
「.....そ.....うですね」
「ふうん。.....君は名前は何ていうの?」
「や、矢島龍騎です」
すると彼女は顎に手を添えて、私は凪宮時雨だけどまあ知っている.....かな。あ。そうだ。ねえねえ。お礼と言っちゃなんだけどレイン交換しようよ。通信アプリ、と凪宮さんはニコッとしてからデコレーションされた携帯を取り出す。
俺は、はい?!、と思いながらだったがその場の勢いでアドレスを交換してしまう。
何これ?夢じゃないのか?
「君はとても格好良いね。矢島くん」
「.....い、いや。大した事はしてないです.....」
「ううん。とっても格好良かった。ヒーローだったよ」
そして、うむ。じゃあね、と手を振って去って行く凪宮さん。
俺は頬を抓るがどうも夢じゃないらしかった。
それから俺はこの日遂に本格的に自覚してしまう。
凪宮さんの事が、本当に愛しくて好きなんだ、と、だ。
恋人をせずにまさかレイン交換出来るとは.....恐ろしや陽キャ。
そう思う部分もあったが。
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