第3話

夜中に帰ると幸次がいた。「なんでこんなに遅いの??」「あ、会社の飲み会。最近幸次は夜いなかったから言わなかったの。ごめんね。今日は出掛けないの?」なんとなく重い時間が流れた。もう幸次への気持ちはないけど、10年も一緒にいたから情はあった。


「佐々木さん、今日カラオケ行かない??」テストが終わって、午後から暇だなと思ってた日、急に幸次に話しかけられた。幸次は人懐っこくて誰とでもすぐ仲良くなるタイプ。私ともクラスメートとして毎日普通に会話をする仲だったけど、二人っきりで出掛けるのははじめてだった。それでも全然違和感なく二人っきりが恥ずかしいとか思う隙もなく楽しくカラオケをした。帰り道、「佐々木さん、彼氏いる??」これまた突然聞いてきた。「いないよ」「じゃ、俺たち付き合おうよ」今までも付き合ったことがないわけではないけど、幸次との付き合いはじめは今までにない感じだった。正統派って感じ??

「明日の朝、迎えに行くから一緒に学校に行こう」幸次のキャラもあって私達はクラスメートから学校中みんな公認の仲になった。

文化祭でフォークダンスを踊るペアも幸次に、最後の遠足で男女半々の班を作る時も幸次とその仲間達。楽しい高校生活を過ごした。


卒業してからも一緒に暮らして、それはそれは楽しかった。周りから見たらきっとおままごとみたいな生活だったと思う。

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