第46話 大宴会
今日はうちに大勢の人が集まった。
うちのクランメンバーは当然だが、栄光の軌跡の面々、キタミナミまでも集まって大宴会を開く。
今日の主役はもちろん――――――
「初めまして! お兄ちゃんの妹の奈々です! よろしくお願いします!」
ペコリと挨拶する奈々に大きな拍手が起きる。
エリクシールのおかげで通称ダンジョン病から復活した妹は、黒髪から銀髪に変わっている。理由は全く分からないけど、今までダンジョン病から回復した事例はないと綾瀬さんは言っていたから、その弊害なのかも知れない。
それはともかく、復活してくれた妹のために今日は大宴会となった。
栄光の軌跡とキタミナミはもう二十歳を越えているので、お酒も振る舞うことにした。
「なっ!? このウィスキー……めちゃくちゃ美味いぞ~!」
「こっちのワインもとんでもなく美味いわ! 口当たりもよくて風味も凄くて美味しい!」
「こちらの日本酒は米の香りが料理とものすごく合うよ!」
ガチャ産お酒にみんなが絶賛を送る。
そう言われてみるとガチャ産素材ってどれも美味しくて、お酒は飲めないけどやっぱり美味しいのか。これは良いことを知れた。
他にも色んな料理を出すと、どのレストランよりも美味しいと口を揃えて言っていた。
「お兄ちゃん! 私が運ぶね」
「っ!? ダメだ。奈々」
「え~大丈夫。お兄ちゃんだけ働かせてばかりで、私も手伝う!」
「奈々は今日の主役だから」
「それでもだよ! ねえ~リンちゃん」
「そうだよ♡」
いつもの大人の姿から変わり、今度は奈々と同じサイズとなった子供姿のリン。大人バージョンと違い、たわわは控えめだ。奈々と同じサイズかな?
「分かった。でもちゃんと食べるんだぞ?」
「「は~い」」
二人に料理を持った皿を渡すと嬉しそうに運んでくれる。
部屋に全員は入らないので、女性陣は部屋の中、男性陣四人はリビングで食事をしている。
気のせいか……ヤオがディンにベッタリな気がするんだが……?
「二人って仲いいんだね?」
「もちろんだ。幼馴染だからな」
「そうだぜ。ディンは誰よりも大切な人だからな!」
…………見なかったことにしよう。ディン…………頑張れ……!
「キタミナミもいつもありがとうな」
「シホヒメのためだから気にしないでくれ!」
「今日もシホヒメの笑顔を頂けたから、明日も頑張れるぜ!」
この二人もぶれないな。てか、もはや公言しちゃってるよ。
最後の料理を作って、女性陣の所に持っていくと、酔っぱらったマホたんに絡まれた。
「えむ~これおいし~ぞ~」
「はいはい。お酒好きだったんですね」
「そうらのら~わいん~だいずぎ~」
酔った人間にこういう絡みされるのは人生初だが、程よいたわわを押し付けてくるのだけはやめてほしい。
「ねえ~えむ~」
「うわああ! マホたん! それ以上はダメだ!」
「あたしの~かれひに~なりなさいよ~」
「「「ええええ!」」」
その場に立ち上がる奈々、シホヒメ、綾瀬さん。
リンに至っては触手ですぐに刺そうとしている。
「こらっ、リン。それはやめなさい! それにみんなも。酔った人のことなんて気にするな。酔っただけだから」
「え~あたし~えむ~だいしゅき~」
「はいはい。酔ってますからマホたんは」
「ぷひひひ~マホちゃん酔ってりゅ~」
「いや、あんたも酔ってるやんけ!」
ワインに夢中になっているマホたんと違って、リリナはウィスキーを飲んでいる。ちょびちょびとショットで飲んでいるが、余程美味しいのかその手が止まることはあまりない。
「それにひても~このしゃけ~おいひ~」
もうダメだ。この二人。
「はいはい。ちゃんと料理も食べてな。ここに置いとくから」
「え~いかないれ~」
「待て待て」
「またにゃい~」
マホたんが無理矢理俺を席に座らせる。
「エム~こっちは席がないから、そっちで食べてくれ~」
リビングからディンの声が聞こえてきた。
確かにリビングは狭いから席がないけどさ。
「わ、分かった!」
仕方なく座らされたまま、俺も食べ始める。が、食べたいのに、俺の腕を引っ張る女子陣のせいで、さっぱり進まない。
「こっちに来てーエムくん!」
「え~いかないれよ~えむ~」
「お兄ちゃん……」
「陸くん……」
「ご主人しゃま♡」
「ああああ! 落ち着いてご飯くらい食べさせてくれよ~!」
狭い部屋に俺の悲痛な叫びが木霊した。
――【後書き】――
ここまでブラックスライムを読んで頂きありがとうございます!
この話を持って一章分が終わりになります。
ここまで面白かったよと思う方は、ぜひ作品フォローとレビューで★★★をくださると嬉しいです!!
二章からも面白い展開を書けるように頑張りますのでよろしくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます