第2話  運命の出会い〈お披露目会〉

 領内へのお披露目が終わってから、1週間が経ち、今日は、アイシクル領内の貴族や有力者と領外の一部の上級貴族に、お披露目をする日になった。


 あれから、適正魔法である氷属性魔法の練習をしていた。剣術のスキルもあったので、騎士たちと剣の摸擬戦をしているところである。


「フリーズ様、そろそろお披露目会ですね。」


執事であるセンリがお披露目会用の服を準備してくれる。


「そうだね、これまではこの屋敷の人たちと、教会の人たちくらいで、外も基本出てないから、多くの人に会うことになるのは、緊張する。」


「フリーズ様なら大丈夫ですよ。なぜなら教会で洗礼の時に、会話をしていた両親を、注意したのです。この国の常識を冷静に判断することができるあなたなら大丈夫だと私は、思います。」


「励ましてくれてたんだね。ありがとう。」


服も髪もセットできた。もうすぐでお披露目だ。


お昼になり、屋敷の広間には、約十人の招待客が集まってくる。

 主催者のエクスが演台に立ち第一声をかける。


「本日は、忙しい中、集まってくれて感謝する。長男のフリーズが無事に5歳を迎えることができたので、こうしてお披露目会をすることになった。先週洗礼も済ませ、神の加護を頂いた。それでは、フリーズの入場だ。」


扉が開いて、中に入る。

周囲を見渡すと、人が大勢いる。

やば、周りはジャガイモ周りはジャガイモ。


心臓のどきどきを抑えて、深呼吸をして、

ちゃんと息を整える。


「ご紹介に預かりました、フリーズ・エヴィラン・アイシクルといいます。多くの人のおかげで、無事に5歳を迎えることができました。皆さんこれからまよろしくお願いします。」


 頭を下げた。

 よし、普段はしっかりしていない両親のおかげで、こういう場の勉強をしていてよかった、自分の想像道理に簡潔に言うことができた。


??なぜか、返答がない。

ちゃんと完璧に言えているのに。


横を見ると、エクスがこちらを苦笑いしながら見ている。

十数秒が経ち、小さい拍手が出始め、最終的には、盛大な拍手になった。


「5歳にしてもう聡明な挨拶ができるのか、皆もよろしく頼む。」


 エクスが最後をしめた。


            「乾杯」×複数

手に持ったグラスを高々とあげた。


普通は、5歳であの挨拶はできないのか。

まぁ、過ぎたことを気にするのも意味がないので、考えないことにする。


いろんな人が挨拶に来る。


「フリーズ、覚えておくといい。この人はセレールという。」


エクスが紹介してくる。


「セレール・エヴィラン・ボルト子爵です。初めましてフリーズ君。

アイシクル領の西にある隣国、聖帝国との国境の砦の街、のボルトの領主をおります。」


金髪で貴族服を着ている。

金髪なのは、雷属性の適性のある貴族なのか。


「ボルト子爵家とは幼馴染だ。ボルト子爵がボルトの街を守っているから、安全なんだ。最近は、聖帝国は不穏だきおつけて今後の動向に注意しよう。」


「アイシクル伯爵家が援助してくれるおかげで助かっているよ。それに先ほどの挨拶は、神童なのかななのかな?」


「私が周囲が見えなくなってしまって、会話に夢中によくなってしまって、そのときに、注意してくれるので助かっています。」


「なるほど、エクス伯爵は確かな周囲が見えなくなる時がある。だからなのか爵位もそれなりに高くて、そういうことを言える人が少ないですからね。」


「なので、私は最近はしっかりとした父親になるために、予定を決めて合う場所も決めて、話しているから、ここ最近は解決の兆しです。」


「そうですか、それは良かったです。将来が楽しみだな。それではまた後で」


そういって人込みに戻っていった。

そんな感じでいろんな人を対応していたのだがしていたのだが、疲れたからトイレに行くと嘘を言って逃げ出した。


そして、廊下を歩いていると、困った顔をした女の子がいた。

そこにいた女の子は、同い年の女の子が迷っているみたいだった。


「困っているみたいだけど迷った?」

困っている人を見捨てたくなかった僕は、冷静に話かけた。


「うん?父上と一緒に来たんだけど、大広間に戻れなくなったの。」


「僕、フリーズって言うんだ。あなたの名前は?」

「私は、アイリスよ」

「大広間に一緒に戻ろうか。お父さんも心配しちゃうからね」

「うん!」


アイリスは嬉しいのか笑顔で答えてくれた。


そして、アイリスを大広間に案内した。


「父上、どこにいるのかしら?」


「あ、アイリス戻ってこないから、何かあったんじゃないのか心配したんだよ」


振り向くと、アイリスと同じ髪色をした強者のオーラを醸し出している男性がいた。


「父上、迷ってしまったので、フリーズ君が案内してくれましたのよ。」


「それはそれは、娘が困っているのを助けてくれて本当にありがとう。」


「いえ、困っている人を助けるのは当たり前のことですから。」


「5歳ですごいことを言うな。」

「それで、私の娘アイリスと婚約してくれないか。アイリスは君のことが好きなようだ。」


アイリスの顔を見ると真っ赤だった。


「僕は、両親に聞かないとわかりません。」


と答えると、

「そういえば名乗るのを忘れていたな。自己紹介をしよう。私の名前は、トール・エヴィラン・クレナイという侯爵家当主だ。」


急に自分の父親よりも爵位が上の人が、婚約の話をしたので自分では決めることができないので、エクスを連れてくることで、話を進めることにする。


「アイリスが婚約をしたいのならいいんじゃないか。フリーズはいいよな。」


「はい、僕はいいと思います。」


  混乱して少しでも冷静に絞り出した言葉だった。


             〈あとがき〉

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