10話目

二人が驚いている間に遼は席へと座り、少し声を弾ませながら


「久しぶりに食べるわ。黒の異国料理」


という。

そして衝撃からやっと帰ってきた雅空から声を掛けられる。


「おい、黒羽!」


「はい、何でしょう?」


「これら、ほんとにお前が作ったか?」


この言葉は当たり前だろう。なぜならいつも黒神の身近にいる雅空からしてみたら、あんなバカが本格的な調理を作ったのだ驚きしかないのだから。


「僭越ながら私一人で作らせていただきました」


「すげぇ」


そんな率直にな感想に四宮も同じ感想を抱く。


「黒、早く説明して頂戴」


遼が黒神に説明を促すが、当然ながら今回黒神がつくった料理に関して、遼は既に知識として知っているが、遼は今回に限らず毎日出された料理に関して作った本人であるシェフから説明させているため、そんなに特別なことではない。


「わかりました。まず主菜から。主菜は、ペルー料理である【セビーチェ】魚介の幸である刺身をつかった料理でございます。次に副菜。トルコ料理の【アックア・サーレ】。少々色合いが鮮やかではなかったため副菜にて色合いをつけてみました。そして、メインディッシュは女性の二人にはA5ランクであるシャトーブリアンを使った【シャトーブリアンの赤ワインソース】でございます。朝田様のほうは【甘辛ソースの漬け込みステーキ】でございます。」


「黒」


「何でしょう、お嬢様」


「お米、さぼったでしょ」


ギクリッ


「い、いえ。これ以上お嬢様たちをお待たせするわけにw


「言い訳無用!!あとで罰ね」


「は、はい」


ガックシと肩を落とす黒神。 黒神の言い訳としては「めんどくさかった」だろうか。

そんあコントみたいなことを二人でしているといつのまにか席へついていた雅空と四宮から


「なぁ、早く食べようぜ」


と、待ちきれないといわんばかりの雅空。


「そうね。早く私もたべたいわ。早くしましょう、夜桜さん」


「では、食べましょうか」


味は言うまでもなく美味しかった。その風景を壁際で立ってみていた黒神は


(おれも食いてぇ)



夕食をあ食べ終えた後も黒神への要求は続けられていた。

そんな三人にとっては楽しい時間はすぐに過ぎ、お開きの時間へとなった。


「じゃあな、夜桜、執事の黒羽」


「お邪魔しまたわ。では、また月曜日に」


帰り道を辿っていく二人の間には今日の黒神の話でいっぱいだった。

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