8話目



 しかし雅空たちの反撃はこんなことでは終わらなかった。

 まずはジャブ程度の雅空からの要求。


「なぁ、黒羽。おれだんだん熱くなってきたなぁ」


「そうですか。ではエアコンの温度を下げましょうか?朝田様」


「いやいや、人の家でそんなことしたら失礼だろ?だから、


(嫌な予感!!!)


 扇げ」


「わ、わかりました。僭越ながら扇がせてもらいます」


「おう。おねがいするわ」


 そう、言いながら雅空の顔はニヤニヤしていた。


(このくそ野郎がよぉ!!)




 次に四宮の場合だと


「ねぇ、黒羽」


「何でしょう?四宮様」


「私。アイスが食べたいわ。しかも市販の」


(は!?何言っていやがる!この女)


「では買ってきますと言いたいところですが、私は遼お嬢様の専属執事ですのでお嬢様の許可がないt」


「行ってきなさい。私のお友達が言っているんだもの」


(くそ野郎が!!せっかく助けを求めたのに!!)


「わ、わかりました。すぐに戻ってきます」


「よろしくね、黒羽」




 数10分後


「おまたせしました。市販のアイスでございます」


「ありがと」


「いえいえ、当たり前のことをしたまでなので」


(なんでこの服で外でなきゃいけないんだよ。めっちゃみられたわ!くそが!)




 最後に夜桜の場合


「ねぇ、黒」


「何でしょう?お嬢様」


(またしても嫌な予感!!そして四宮以上の!!)


「私、黒羽の手料理が食べたいわ」


(ほら!予想的中!それも、超難しい要求!)


「しかし、夜桜家のシェフがいるためそちr


「問題ないわ。昨日うちに休みって伝えておいたから」


(準備万端かよ!!)


「し、しかし、私の料理などお嬢様の口には合わないでしょう」


「それは私が食べて判断するわ」


(逃げられねぇ!?)


「あきらめろ、黒羽。無理だよ。それに、おれも食べてみたいし」


(ダメ押しの一言!?)


「私も食べてみたいわ」


(さらにダメ押し!?)


「満場一致ということでよろしくね。黒」


「わかりました。最善をつくします」


「ええ。そうしてくれるとありがたいわ」


(罰ゲームにしては重くない?)


 当然であろう。ほかの人々はこんなにおもくわない。この3人だからこそでやったのである。

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