7話目

 黒神が愚痴をこぼしているとき、夜桜と合流した二人は黒神の姿を想像しながら雑談していた。


「あいつ似合うと思う?執事服」


「うーん、どうでしょ?容姿はいいから似合うんじゃないかしら?夜桜さんはどう思います?」


「黒は似合うわよ。小さなころに一回着てもらったことがあるけど様になっていましたわよ」


((黒??))


 二人が疑問に思うのも仕方がないだろう。学園では遼は黒神のことを黒羽と呼んでいる。そして、黒と呼ぶときは大体、家族の前か黒神と二人のときである。そのため、二人は遼が黒神のことを黒と呼んだのを聞いたのは今回初めてである。もちろん、普段の遼ならそんなミスはしないだろう。しかし、今回は黒神が数年ぶりに執事服を着るということで遼の心のでどこかでは楽しみにしている部分がある。そういったことから思わず黒と呼んでしまったのだろう。

 多少、遼の黒予呼びに驚いたものの指摘するものでもないため、そのまま話を続ける。


「へぇー、その頃の写真とかないの?」


「探したらあると思うけど、みたいかしら?」


 と、会話してると扉が開きある人物が声と共に入ってきた。


「やめろ、遼。その頃の写真はみせるなよ。その頃はクソガキだったから恥ずかしい」


 と、入ってきたのは、執事服をビシッと着こなした黒神だった。悔しながらとても似合っている。

 そして、執事服を着た黒神を見て三人の感想は


「お、やっとか」


「遅くて悪いな」


 にやにやとからかうように笑みを浮かべる雅空。


「わぁ!以外と似合うのね!黒神くん」


「以外は余計だ、四宮」


 思った以上に様になっている黒神を見て四宮もまた笑顔である。


「あら?あの頃よりも様になっているわね」


「うっさいわ」


 黒神が一度来た昔の姿と比べ様になっていて面白いのか、それともあの頃より似合っていてうれしいのかこれまた遼も笑顔である。


「今、あなたは私の専属執事なんだから敬語をしっかり使ってくれないかしら?黒」


「わかりましたよ、お嬢様」


 仕方なしたと言わんばかりに敬語を使う黒神。


「よろしい。早速だけど紅茶と、、、四宮さんと朝田くんは何にします?基本的なんでもありますわ」


「私は夜桜さんと同じものでいいわ」


「おれは、ココアでいいわ」


「じゃ、その3つよろしくね」


「かしこまりました」


「一応だけど変なことしないようにね、黒」


「そ、そんなまさか、するわけないじゃないですか。ははは」


 目が完全に泳いでいるため図星である。そしてその考えていたこととは雅空のだけコーヒーにするというものだった。


「では、失礼します。お嬢様」


 遼に頼まれたものを持ってくるべく、黒神は一度三人がいる部屋から出ていく。黒神がいなくなったのを見て、四宮と雅空は本音を話し出す。


「なんか普通に様になっていて面白くねぇな」


「そうですね。もっと恥ずかしがるのを期待してたんですが」


「な」


 二人が想像していた光景とは全く別であるため、最初こそ楽しんでいたが、少したった今ではすこし興覚めである。


「それなら、何か面白い命令でもしましょうか?」


 そこで黒神の執事姿をみて気分がよい遼がそんな提案をする。


「お、それはいい!よろしくお願いするぜ。夜桜さん」


「ええ、まかしなさい」


 次の楽しみが出来たところで雅空は四宮に遼には聞こえないように話しかける 。


(なぁ、四宮。なんか今日夜桜機嫌がいいっていうか、なんか新たな一面を知ったな)


(そうね、夜桜さんがこんな悪乗りをするなんて意外だったわ)


 ガチャ


 四宮と雅空がすこし盛り上がっているところで黒神がもどってきた。


「おまたせしました。お嬢様、四宮様、朝田様」


「くくく、あの黒神がおれのことを朝田様だって。くくく」

 全く

 笑いを抑えるふりをしているが全くというほど抑えられていない。当然、その笑い声も黒神にも聞こえているわけで


「おい!そこ!笑うな!」


「黒?お客様よ。そんな言葉をつかっていいと思っているの?」


 釘を刺そうと思ったが絶対的主人である遼から注意されたためそれ以上はいえない。


「チ!し、失礼しました。お嬢様」


「よろしい」


(くそがぁ!!)


 と、心の名kでしか悔しがれない黒神であった。

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