4話目

そんな茶番を終えて黒神たちは食堂でいつものメンツで食事をしている 。


「黒羽また遅刻したらしいね」


と言う夜桜のメニューはパン二つと野菜とスープだけだ。


「そうだけどなにか?」


まったく反省をしていない黒神のメニューは白ごはん大盛の唐揚げセットに豚汁だ。


「おい、こいつまったく反省してねぇぞ。もう一回担任に突き出すか?このバカ」


と、黒神の態度から反省の色が見えなかいため提案をする雅空のメニューは牛丼大盛りに味噌汁だ。


「そうね、反省の色が見えない遅刻常習犯さんはまた突き出してもいい気がするね」


と、雅空の意見に賛成する四宮のメニューは夜桜と同じだ。強いて言うなら野菜が多いくらいか。


「勘弁してくれ。あの担任の話めんどいんだよ。長いし」


「遅刻しなけりゃすむ話だろうが」


「朝田くんのいう通りだわ。どうして寝坊なんかするのかしら?」


夜桜は人生で寝坊ということをしたことがないのである。それがあたりまえだとしてもだ。


「そんなもん、ベッド気持ちいいからしかないだろうが」


「はぁ~。黒神くんのお母様にお願いしようかしら?言い訳しか出てこない人にはベッドをなくしてくださいって。夜桜さんなんとかなりません?」


「おい!そこで遼に振るなよ。こいつに振ったら確実に言うじゃねぇか」


「そうですね。私が頼べばすぐでしょう」


「ほら!いわんこっちゃない」


「おれからもお願いするぜ、夜桜」


「わかりましたわ。一度言ってみましょう」


「まじ~~~?って、それよりもなんで遅刻でそこまでボロクソ言われないといけねぇんだよ!」


「さ、みなさんお昼休みの時間ですよ、なにします?」


黒神の主張も虚しく四人全員が食べ終わったところで四宮が新たな話題を振たことによりかき消された。

聖爛学園の昼休みは他の学校とは違い1時間半あるのが特徴だろう。そして、生徒たちはこの大きく空いた時間で主に二つの行動にわかれる。一つは、質問教室。わからないところや、勉強したい人はここにいく。学園の中でも成績が高い人はこれに基本行くのが多いだろう。もう一つは、1時間という長い時間を使い遊ぶものだ。


「今日は動きたくないからおとなしく中で遊ぼうかな」


さきほどの話題とは切り替え最初に口にしたのは黒神だ。


「そこは勉強しようかなって言ったら少しは見直すのにな。そうだ!今の時間をつかってお前夜桜さんに勉強おしえてもらったら?」


名案だといわんばかりに黒神おほうを向く。しかし黒神はの返答は


「いやだよ。なんで休み時間なのに勉強しなきぁならないんだよ」


そもそも黒神が遼に対して勉強を教えてもらおうと考えていたらもう少しだけ成績はあがっているだろう。しかし、それを思ってないからこその今の成績だ。

そんなやり取りを聞いていた四宮からある提案がされる。


「では、頭を使うゲームはどうでしょうか?たとえば、100枚神経衰弱とか!」


その案とは100枚神経衰弱である。基本的な神経衰弱はジョーカーなどの特別なカードを抜いて50枚でやるものだが、100枚神経衰弱は言葉通りカードを単純に2倍したあ枚数で神経衰弱をするのある。しかし、市販の50枚の物を2個使うのではなく聖爛学園の卒業生の誰かが作ったものである特別なカードを使う。


「それ、確か7、8人でやるやつじゃねぇか。今からあと2、3人集めるのか?」


黒神のいう通りである。基本100枚神経衰弱は10人程度で行うものである。


「え?いやいや、この4人だけでやるんですよ?」


至極当然と言わんばかりに言う四宮。


「いやいやいや、お前何普通ですよっていうみたいな顔でいってんd」


「いいじゃん、面白そうじゃん。やろうぜ!それとも負けるのがいやなんか黒神ぃ?」


黒神の言葉を遮ってきたのは、好奇心を刺激された雅空だった。四宮の提案を賛成しながらさりげなく黒神のことを横目に見ながら煽る。


「あ?なんつったでめぇ?お前がまけるんだよ!」


そんなあからさまな煽りに対しても乗ってしまう残念な黒神。


「まぁまぁ、口ではそのぐらいにして勝敗は今からやる勝負で決めましょ?夜桜さんもやりますよね?」


「いいえ、私はやめておきますわ。この後の予習があるので」


さっきも言った通り、この休み時間には質問教室が開かれており、成績上位の者のい多数はそこにいく。それは、遼にもあてはまることでもあった。

四宮から誘いを断ったのをきいていた黒神が反強制的に連れて行こうとする。


「いや、お前もやるんだよ、遼。たまには付き合え」


「はぁ、仕方ないですね。ぼろ負けしても泣かないでくださいね」


「は、お前こそ俺に負けて拗ねるなよ?」


そうして、前代未聞の対決が始まるのであった。

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