2話目
大半の生徒たちが下校しようとしているとき、黒神と雅空の二人はいま お互いの顔を引っ張りながら昼のことについて言い争いをしていた。
「このくそ野郎が!!味方をおいて昼飯は美味かったか?」
雅空の右頬を引っ張りながらいう黒神。
「ああ!!それはとてつもないぐらいに美味かったよ!!」
黒神の左瞼を引っ張る雅空。
「てめぇ、あのあとどうされたか知ってんのか!!」
黒神は次に左手で雅空の耳を引っ張りながらいう。
「んなもん、知るわけねぇだろうが!!」
雅空もしかしと言わんばかりに右手で黒神の耳を引っ張る。
「じゃあ、おしえてやるよ!あのあとな!指導室に連れていかれて、永遠に学校のことについて聞かされたんだぞ!!この意味がわかるか!おれは昼飯を食えなかったんだぞ!!気を抜いたりしたらピンピンにとがった鉛筆が飛んでくるんだぞ!!何回死にかけたか!!」
「は!それはご愁傷様だな!」
「こn
火に油を注ぐこと同じことをした雅空に対して、黒神怒りは余計に増幅させ、さっきか両手に引っ張っているものあをもっと力を入れようとすると
「はぁーい、ストーーープ。あんた達いい加減帰りなさい」
そう言って二人の小さな子供染みた喧嘩を仲裁したのは
「「げ!四宮」」
そう今回の喧嘩のもとにも関わっている四宮だった。
「げ!ってなによ。ほら、かえるわよ。夜桜さんも待ってることだし」
「「はーーい」」
二人は仲良く返事して渋々自分たちの荷物を持っていくのだった。
三人で校門前まで行くと、いつも通り黒神たちを待っている夜桜よざくら 遼りょうがいた。
夜桜 遼はこの聖爛学園でも屈指の美人であり、文武両道ををまさに体現したような人物だ。遼の実家は、四大財閥と同じぐらいに力と財力をもつ夜桜家の令嬢であり、黒神の古くからの一人の幼馴染みでもある。黒神がまたこの学園に戻ってこれたのも遼の協力があってこそだ。
「お待たせ、夜桜」
「お待たせしました、夜桜さん」
「うーす、待たせたか?遼」
冬の終わりと言っても学園から帰るときにはま肌寒い時期だ。なのにさっきまで変な小競り合いを二人でしていたせいもありまだ太陽によって照らされていた道が明るいオレンジ色に差しかかっており、ただでさえ寒い空気が余計に冷えてしまっている。
そんな中二人が少し申し訳ないと思いながら遼に声をかけるなか黒神は何ともを持ってないように声亜を掛ける。
「やっとかしら?えぇ、とてもまったわ」
「そりゃあ、すまねぇな。それじゃ、さっさと帰りますか」
こうして遼も合流してやっと帰り道を辿っていく。
四人で中身のない普通の雑談をしているときふと雅空が最近あったテストについての話題を振る。
「なぁ、お前らってこの前のテスト合計何点だった?ちなみにおれは367点だった」
聖爛学園のテストは基本的な五教科である国語、数学、化学、英語、公共しかない。
「おれは平均よりちょい上」
黒神のいう今回の平均は335点である。やはり昔優秀な人材を輩出していただけあって今なお学園全体の平均はたかい。それえよりすこしだけ高い点数をとった黒神の頭はそこそこだろう。
「黒神にはきいてねぇよ。お前いつも平均ぐらいだし」
「はぁ?お前そんなこと言ってるといつか痛い目見るぞ」
「はいはい、おれより点数低いやつのいうことなんて聞こえねぇな。それで四宮はどうだったんだ?」
黒神の言っているkとなど気にもせず、雅空は四宮へと話を振る。
「私は487点だわ。今回はすこし小さなミスが目立ってしまったわ」
「うへー、すげぇな。そこまでとれたら十分だろ」
雅空のいう通り500満点中487点もとれていたら十分すぎるだろう。しかし、四宮は
「そうだけど、私個人としてはまだちょっと納得できないのよねぇ~」
「いやいや、それで満足できないって、もうなんかすごいな。夜桜さんは?」
「私は494点ですわ」
「相変わらずすげぇな。黒神、お前、夜桜さんに勉強教えてもらえよ。こんな近くに学年一位がいるんだからさ」
「黒羽が望むならおしえるわよ?」
「ほら、こう言ってることだし」
「いやだよ。おれは平均よりは上だからいいの」
「はぁ、お前ってやつわなぁ。なぁ、四宮からの言ってやれよ」
「朝田くんの言う通りだわ。黒神くんなら朝田くんと同じ点数ぐらいまで取れると思うんだけど」
「いいんだよ、おれは。シンプルにやるのめんどいし」
さっきみたいな話をしながら歩くこと十分程度がたち、それぞれの家がある分かれ道にさしかかる。
「では、また明日」
「じゃぁな」
「おう、じゃあな。雅空、四宮」
「また明日」
雅空と四宮は左に、黒神と夜桜はまっすぐに、分かれていくのだった。
雅空たちと分かれてからすこし歩いたとこで黒神は遼へ話しかける。
「お前もうちょっと愛想良くしろよ」
それは遼も黒神に続いて雅空や四宮に絡んできたことからきになっていたことだ。
それに対して遼の返答は
「余計なお世話よ」
「さいですか。たく、なんでそんな固いんだよ。賢くて、運動もでき、容姿もいいっていうのにもったいない」
「黒には言われたくないわ」
二人になったっことで遼はいつも黒神のことを読んでいる小さいころからの呼び名で呼ぶ。
「あなたも運動神経抜群で頭もそれなり、昔は天才やら神童やら呼ばれていたのに、今となってはそれを隠すようになって」
どこか怒ったかのような声でいう遼。いや、どちらかと言えば拗ねているといった方が正しい。
「だいぶ昔のこと持ってきたな。そんなんいったらお前もそうじゃねぇか。ねぇ?1000年に一人の才女さん?」
今さっき二人が言い合った通り、黒神と遼は本当に小さいころ、それは社会についてなにも知らなかったとき、二人は周りの大人たちから神童や才女などと呼ばれていた。いまとなっては、黒神の事を神童などいと思う人いなければ、そのように呼ばれていたこともしらない人が多いだろう。しかし、少なくとも黒神自身はこのようになることを《望んで》いた。
「その呼び方はやめて。あなたに言われると寒気がするわ」
「そんなにか?」
「えぇ」
と会話が少し切れる。
すると、黒神が上を向きながら
「昔はよく言われたな。二人はこれからの日本を背負っていくものだってね」
「そうね」
「それにあのころは《三人》でよく遊んでたしな」
「ほとんどあなたが私たちを連れまわしてただけだけどね」
「まぁまぁ、それはいいじゃねぇか。ほらついたぞ、お前んち」
「いつも言ってるけど、わざわざ送り届けなくていいのだけど?それに、あなたの家は途中から違う方向にあるのだからにあるのだから」
そうなのである。黒神の家は夜桜の家の途中にある道を曲がらなくてはならないのだ。つまり黒神は遠回りをしているのだ。
「別にいいじゃねぇか。んなもん、気にするな。じゃぁな、今日夜冷えるからあったかくして寝ろよ」
「わかったわ。おやすみ、黒。そしてありがとう」
「おう」
黒神は手をひらひらしながら来た道を帰るのだった。
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