《合気道》

「アイキドウ?」

「相手の勢いを利用するやつでしょ。」

「???」

反応の仕方は三者三様だな。それにしても

「よく知ってたな、ミズキ。」

「私の地元では習得している人いたから。」

どこの出身なんだろうか?

「まぁ、見てもらった方が早いな。誰でもいいから俺に攻撃してくれ。」

まあ、こう言った手前、失敗したらかっこ悪いけどな。

「じゃあやる。」

スフウが立候補した。さすがにガチの短剣だと危ないので木剣にしてもらった。

「それじゃあ始め!」

スフウが仕掛ける。やっぱり速いよな、攻撃。まあ、見切れないこともない。そして切り掛かってきた方の腕を掴み投げ飛ばす。

「えっ?」

受身取れたかな?うん、取れてるな。後ろを振り返ると

「はっ?」

「えっ?」

ビックリしてた。

「おい、今なにやったんだよ!」

エルクに訊かれたため

「さっきのは小手投げっていう合気道の技だ。」

と答える。いかんいかん、思いっきりドヤ顔で言ってしまった。

「嘘でしょ...いくらなんでも双剣で見切りしにくいのに。それにスーちゃんの攻撃を簡単にいなすなんて。」

「えーと、普通じゃないのか?」

「「違うわ/よ」」

マジですか。

かいくん、一つ言っとくけどスーちゃんBランクなんだよ。それなのに新人でランクが上がりづらいといえ攻撃を見切って流した上反撃するのは充分すごいことなんだよ。」

かなり早口でまくしたてられた。けどなあー、俺

「今Dランクだけど。」

リカバリー草収穫とキンスラ...じゃないわ。えーとエンペラースライムの討伐功績でなっちゃったんだよなー。

「「「......。」」」

みんな絶句してる!?

「なんでそんなに強いの?」

真っ先に我に返ったスフウが訊く。

「お父さんのおかげかな?小さい頃から稽古つけてもらってたし。」

「オトウサン、スゴイネ。」

なぜ片言?

「そうか?」

なんかみんなに驚かれる。なんでだ?

もうそうこうしているうちに夕暮れ時になったので宿を探す。値段もちょうどいいし、飯付きということで『蒼穹の昴』という宿に満場一致で決まったのだった。

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