《依頼(クエスト)を受ける》

依頼クエスト、受けてみませんか?」

昨日アルフレッドさんとの試験を止めにきたギルド職員の男性が言う。

「えっどうやって受けるんですか?」

ギルド職員の方、名前はヨンソクさんに教えてもらう。


[依頼の受け方]

1.依頼は今のランクか1つ上のランクの依頼しか受けられない。

2.依頼受注書をギルドカードと共に見せる。

3.許可を出されたらようやく依頼を受けられる。


この制度は報酬が高いからという理由で達成出来ない依頼を受け、死んでしまうことを防ぐ為に作られたそうだ。効果は微妙らしいが...。俺が選んだのは

「薬草採取」

である。

理由は単純明快、この依頼しか無かったからだ。あとスライムは討伐していいらしい。

*******

俺は現在、リカバリー草というポーションの材料のひとつを集めている。見た目はヨモギ、味はミントだ。結構美味しかった。何となくだが体力が回復した気がする。そうしているとなぜかスライムがたくさんきた。えっ?本当に何で?まぁ倒すことには変わりないんだけど。一応スライムの説明もしとく。スライムの見た目は某RPGのスライムとは違い、理科の実験で作る方のスライムに近い。Sランク冒険者でも油断すると窒息してしまうらしい。最弱の代名詞というイメージがあるがそれは魔物の中ではというだけで充分脅威なのだ。一応補足だがゲームのようにアイテムだけを残して消滅はしない。解体しないとダメである。幸い俺は小さい頃から祖父が猪や鹿を狩って解体しているのを見ていたからグロ耐性がついていた。あと解体もできるようになった。今思うと孫に何見せてんだよ。とツッコミたくなる。殺すとき少し罪悪感はあるがそれだけだ。何匹か倒すとスライムは退散していった。本当に何したいんだ?と思って足元を見ると薬草が食われたあとだった。

「しまったーーー。」

そして頑張って10本見つけ採取していざ持ち帰るとヨンソクさんがフリーズしてしまった。

「あのこれってリカバリー草ですよね?」

「はい、そうですけど?」

少なかったのだろうか。

「いや逆だよ、逆。普通はこんな量採れないよ?!」

えっ?嘘だろ?まさか採取したのが食われてもう一回採ってきたなんかいえない。こうして終わった初依頼クエスト、初日からたくさんのお金を貰ってしまった。

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