第5話行き詰まりと展開

その後、我々は阿部さんへ取材を試みようとしたが、連絡先を突き止められなかった。

さらに我々は加藤鹿波さんの父親・加藤英輔かとうえいすけについても調べてみたが、住んでいたと思われるアパートからはすでに退去していたようだった。

「はぁーっ、これは予想以上にハードだな・・」

椿は体を伸ばしながら言った。

捜査の行き詰まりに直面していた我々は、一端スタッフルームに戻り、今後の調査方針について会議することにした。

すると会議中、スタッフ道草から緊急の連絡があった。

「どうしたんだ、道草?」

「加藤さんから連絡がありました!」

「何だって!?」

椿は会議を抜けて、受話器を持った。

「もしもし、加藤さん?」

「あっ、椿さん!実はお母さんの行方について知っている人に出会いました。連絡先を教えますので、取材してみてください!」

「わかりました、それでその人はだれですか?」

「阿部さんと言います」

それは雷羽さんから聞いた人の名前だった、これは期待できると椿は確信した。

椿は通話を切ると、会議に戻って『阿部さんに取材してみよう』と提案した。

そして捜査はなんとか、進展の可能性が見えてきた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る