3rd _2023.8
いのち別れてしまっても、
ネオンの街で面影を重ねていられたら、
美しいのにと、言い遺した。
光の中で泣きじゃくる、幸せな顔で、まるで廃人なあなた。
そりゃあ僕だって泣いた。
取り繕わない特権を振りかざす代わりに。
けれども嘘は嘘だから、春の嬰児にもなれず、いつものように2番ホームで立ちすくむ。
金輪際さよならなのに、取り返しのつかない夜があれからずっとまとわりついて。
輝き冴えて広々としたストリートを突っ切るたびに、今も僕を包んでくれる。
はだけず捏ねくり回した理屈で、
こんな狂執の擬人化が、膝をすり減らし続けることを見逃すんだ。
……ここは、甘ったるいから。
堕ちて、もがいて、岸辺を探すことが、
光の街では、たしかに許されている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます