3rd _2023.8

いのち別れてしまっても、

ネオンの街で面影を重ねていられたら、

美しいのにと、言い遺した。

光の中で泣きじゃくる、幸せな顔で、まるで廃人なあなた。


そりゃあ僕だって泣いた。

取り繕わない特権を振りかざす代わりに。

けれども嘘は嘘だから、春の嬰児にもなれず、いつものように2番ホームで立ちすくむ。


金輪際さよならなのに、取り返しのつかない夜があれからずっとまとわりついて。

輝き冴えて広々としたストリートを突っ切るたびに、今も僕を包んでくれる。


はだけず捏ねくり回した理屈で、

こんな狂執の擬人化が、膝をすり減らし続けることを見逃すんだ。

……ここは、甘ったるいから。

堕ちて、もがいて、岸辺を探すことが、

光の街では、たしかに許されている。

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