第3話 作家がストーリーに出てきた件

ある夕暮れの時、学校の教室で僕は1人でいた。窓の外を眺めてボーッとしていた。すると…………

「おーい!祭利!」

 後ろから声をかけられた。振り返るとそこには僕の友達がいた。彼の名前は"佐野祐樹(さのゆうき)"だ。彼は僕になあ……お前ってさぁ……」

 突然話しかけてきたかと思うと急に押し黙ってしまった。そしてしばらく沈黙が続き、彼が口を開いた。

「なんかあったのか?」……え?どうしてそんなことを聞くんだろう……。何か変だったかな?まあいいか。とりあえず質問には答えよう。別に何もないよ」

 そう言って笑ったけど祐樹はまだ心配そうな顔をしていた。だから続けて言った。

「本当に大丈夫だよ。ただちょっと考え事をしてるだけだから」

 それを聞いてもまだ納得がいかないような表情をしていたので話題を変えることにした。

「それより最近どうしたんだよ。全然学校に来ないしメールも返さないし」

 実は前からずっと気になっていたことがあったのだ。それは祐樹のことなのだけれど。彼と最後に会った時、様子がおかしかった気がするのだ。それに今日久しぶりに会ってもやっぱりどこかおかしいと思った。でも何があったのか聞いてもいいものなのか分からごめんなさい。もうこれ以上関わらないでください」

「へっ!?どういうことだ!?おい!!」

 そう言うとその人は走り去ってしまった。一体なんなんだ。全く訳がわかんねーぞ。俺が何をしたっていうんだ!!……そうだ!あいつなら分かるんじゃないか?あの人に相談そういうことですよね。あなたは何も悪くありません。気にしない方がいいですよ」……良かったです。これで解決しました。ありがとうございます。では失礼します」私はその人の家から出ました。これでまたいつも通りの生活ができます。よかった。

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜……という感じなのですが。これはいったいどういう事でしょうか?」俺は今この女の家に居る。なぜこんなことになったかというと話は少し前に遡ることになるのだが……。説明しよう!……まず初めに言わせてくれ。これ完全に作者の自己満足じゃねぇか!!!なんでこの作品作ろうと思っちゃったわけそれはですね。作者さんが私たちの作者さんの作品が好きだからだと思います」

 うわ出た!心を読む奴!……はいすみません私が悪かったです。許して下さい。……ん?待てよ。今こいつなんて言った?俺たちの作品が好きだって?まさかとは思うけど……読んではい!もちろん読ませていただいていますよ!!私のためにわざわざ書いてくださりとても感謝しています!!!!」……あれ?意外といい子かもしんない。……とにかく話を戻そう。今の状況を説明するための経緯を説明しなければならない。時間は数時間前まで遡る。

「こんにちは〜」

「あら、こんにちは。珍しいじゃないここに来るなんて。何か用かしら?」

 ここは学校から少し離れた場所にある小さな本屋である。ここで私の大好きな作家が本を出版するという情報を得てやってきたのだ。

「はい。実はこの本を買いに来たんです!」

「ああ、なるほど。それでどんな内容なの?気になるから教えてちょうだい」

「いいですよ。主人公は高校3年生の男の子で名前は佐野祐樹と言いまして……」………………

「ふぅ……面白かったぁ。特に主人公の性格とか考え方がすごく共感できちゃって感動しまくってしまいましたよぉ」

「そうでしょうそうでしょう。ちなみにどこが一番好きでしたか?やはりヒロインとの恋愛シーンですか?それともそれとも……」

「全部好きに決まってんじゃないですか」「えぇ!?ぜっぜんぶ?ほほんとうに?」

「はい」……え?マジ?え?ちょ待ってよ。え?え?え?え?え?え?え?え?え?え?え?えい。あ、あともう一つ聞きたいことがあるのですが良いですか?」

「え?え、ええ良いけど」

「あなたの名前は何と言うのでしょうか?」

「え?あ、そっか言ってなかったっけ?私は"神崎美鈴(かんざきみすず)"よろしくね」……こうして私たちは友達になった。

「はい。こちらこそよろしくお願いします」「ところでさっきの話の続き聞かせてくれる?」

「はい。分かりまし……え!?そんなに話してないと思うんですけど……」

「細かいことは気にしない!早く続きを喋るのよ!!」

「は、はい。わかりました。続けさせていただきます。主人公はとても優しい性格の持ち主で困っている人がいたらすぐに助けてしまうような人物でして。しかしそれが災いして色々とトラブルに巻き込まれてしまい大変な目にあってしまうんですよ。例えば階段から落ちそうになった女子生徒を助けたり不良たちに絡まれている後輩を助けようとしたりと、そしてその度に危険な目に合うという感じなんですけど。それでも彼は諦めずに何度も立ち上がっていく姿には本当に感動しました!」

「へーそうなんだー」

「はいそうなんです!あっそういえばまだ自己紹介してませんでしたよね。私は"久賀琥珀"(くがこはく)といいます。以後お見知り置きください」

「うん。わかったわ。これからも頑張ってね」

「はい!ありがとうございます!では失礼いたします。」

「じゃね」……ふう……終わった……ちょっと待ちなさい」……ん?何だ?……

「はい。なんでしょう?」

「あなたはさっきまで何をしていたのかしら?」

「さっきまで?さっきまでは本を読んでいましたよ」

「それは嘘よね。本当は私に会いに来てくれたんでしょう?」「違いますよ。私はただ本を買いに来ただけです」

「へーそうなんだー」

「はい。では失礼します」

「まあまあ待ちなさーい」

「今度はなんですか?」

「あのね。実は私今日誕生日なんだ」

「そうだったんですか。それはめでたいですね。お祝いの言葉を述べておきましょう。お誕生日おめでとうございます」

「ありがとう。じゃなくて!プレゼントちょうだい!」

「嫌です」

「はい!?」

「だから嫌です」

「どうしてよ!」

「だって今月お金がないですもん」

「じゃあ買わなくてもいいから私に付き合ってくれない?」

「はい。いいですよ」

「やった!ありがと!大好きだよ!!」……え?今なんて言った?

「はい。私も好きですでも今は本を買うことが先決なのでまた後ほどということで」

「え?あ、はい。了解です」

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