第2話 ドキドキしちゃう話

ある真夜中の時。私は、寝る前にコーヒーを飲もうと台所へ向かった。

「ん?……なんだ?」

 台所のテーブルにメモ用紙が置いてあったのだ。

『お母さんはお父さんと旅行に行きます! お金置いておくからね!』

 そう書かれていた。

 どうやら両親はこの夜中に出かけてしまったらしい。……まぁ、いいか。

 私も親離れしないといけないな……。

 そんな事を考えながらコーヒーを入れていると、私のスマホが鳴った。

 画面を見ると、母からの電話だった。

「もしもーし」

「あ、もしっもし!? 結衣ちゃん!? ごめんねぇ!! 急にいなくなっちゃって!!」

「大丈夫だよ〜! それよりどこ行ってたの?」

「えっとねぇ、ちょっと京都まで!」

「ふぇ!? なんで!?」

「ほら、最近物騒じゃない? だからお守り買ってきたのよ〜」

「そっか……」

 母はたまに突拍子もない事をする人だ。

 でも、そういうところも含めて尊敬している。

「それじゃあまた明日ね!」

「うん! バイバーイ」

 そう言って私は電話を切った。

 さて、今日は何して過ごそうかな……と考えていると、再びスマホが鳴る。今度はメールのようだ。

 差出人は…………零くん? 私は少しドキッとした。彼から連絡が来るなんて珍しいからだ。……何だろう。

 恐る恐るメールを開く。するとそこにはこう書いてあった。

 ______

 件名:無題

 本文:今度デートしない? ______…………へ?

 思わず変な声が出てしまう。……デート? 私が零くんと? どういう風の吹き回しだろうか。何か裏があるんじゃないのか? と疑ってしまう。しかし、嬉しい気持ちもある。

「うぅ……どっちにしたらいいんだろう……」

 しばらく悩んだ後、返信することにした。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る