第38話「サイコパスチビ ~後編~」

ブオオオオオオオン


現在木河は車で

ある港に向かっていた。

理由は知り合いの船に乗り

国外へと逃亡するためである。


ピロンッ


「目的地まで残り10kmです」


カーナビが残り距離を知らせる。


「もう少し……もう少しで着くぞ……」


「ヒヒ~ン!!!」


「ん!?」


突然車の外から馬の鳴き声が聞こえた。

パッとルームミラーを見ると

後ろから馬に乗った大量の秀吉達が

追いかけて来ていた。


「げっ!?な、何だありゃあ!?」


「徳川騎馬隊じゃあああ!!!!」


騎馬隊の1人の秀吉がそう叫びながら

馬を加速させ車の真横まで近づく。


「フンッ!!」


バリィンッ


ザクウッ


「ぐぅ!!!?」


秀吉は手に持っていた長槍で

車のサイドガラスを突き破り

そのまま運転中の木河の右肩を突き刺した。


「て、てめぇ……!!」


「まだまだいくぜ

ホラホラホラホラ」


ザクザクザクザク


秀吉は1発だけでなく

何度も突く。


「ぐぅ……!!やめろぉ……!!!」


「車を止めないと痛いのが続くよ~ん?」


「舐めんなっ!!!!」


キィィィィ


ドンッ


木河はハンドルを右に切り

車体を馬にぶつけた。


「ヒヒ~ンッ!!!」


「無念!!!」


ズザァッ


秀吉と馬は地面に倒れた。


「ぐう~……傷が深い……

あの野郎強めに刺しやがった……

早くどこかで止血しないと……」


キィィィィッ


痛みに耐えながらカーブを曲がった木河。

そしてその先で

火縄銃を構えた無数の秀吉達が立っていた。


「なっ……!?」


「徳川鉄砲隊!!!撃て!!!」


バァンッ!バァンッ!バァンッ!


リーダーの指示で

一斉に車に発砲する秀吉達。


ビシィッ!パリィンッ!


ズシュッ!ズシュッ!ズシュッ!


弾丸はフロントガラスを割り

木河の全身に直撃する。


「うおわぁぁぁぁ!!!!」


キィィィィ


ドンッ!!!


激痛でハンドル操作を誤った木河は

そのまま近くの電柱に衝突。


シュウ~


車体のフロントから

モクモクと煙が立ち上る。


「……や……やばい……

早く体勢を立て直さないと……」


ブルルルルルッ

ブルルルルルッ


エンジンを掛け直そうとするが

全く掛からない。


「チィ!!壊れたかポンコツめ!!」


ガチャ


木河は車から降り

走って逃げようとする。


「どこへ行くつもりかね?」


目の前には秀吉鉄砲隊。


「くっ……!!」


後ろに振り返り

反対から逃げようとする木河。


「こっちは通行止めじゃよ」


目の前には秀吉騎馬隊。


「ぬぅ……!!」


完全に挟まれた木河。


「ゲームセットだな」


ガコッ


「!!!」


近くにあったマンホールの蓋が開き

中から右手にワイングラスを持った

秀吉(本物)登場。


「ほ……本物か……!!」


「そうです私がほんも……」


バッ


木河は秀吉が言い切る前に

秀吉のバックを取り

背中にナイフを構えた。


「………何のつもりだ?」


「うるせぇ!!喋るな!!

お前は人質だ!!

ハッハッハ!!バカが!!

不用意に近づきすぎだ!!」


秀吉に怒鳴り付けた後に

木河は騎馬隊の方へと目線を向ける。


「おいお前ら!!道を開けろ!!

さもなきゃコイツが死ぬぞ!!」


「ふふふ………」


「へへへ………」


「ほほほ………」


騎馬隊達は全く動じていない。

それどころか笑っている。


「……な……何がおかしい?」


「お前……誰を人質にしてんのか

よぉ~く見てみ」


騎馬隊の1人が木河に言った。

そして木河は

目線を秀吉の方へと向ける。


「げっ!!??」


目の前にあったのは炊飯器だった。

秀吉はいつの間にか消えていた。


「何……だと……!?」


パカッ


「よぉ」


炊飯器の蓋が開き

中から西郷隆盛が出てきた。


「なっ……!?」


驚く木河。


「ほい!」


ベチンッ


突然西郷は

木河に猫だましをかました。


「ひっ!?」


ビビって地面に内股でへたり込む木河。


「「「「ダーッハッハッハッハ!!!

ダッセェ~!!オカマか己は!!」」」」


ビビる内股木河を見て

大爆笑する鉄砲隊と騎馬隊達。


「あ~……帰ってレポートやんなきゃ」


そう言ってどこかへと去って行く西郷。


「クソ……!!何なんだよ……!!

クソ!!クソ!!クソ!!

あああああああああ!!!!」


目の前で起こる

非現実的な出来事の連続に

精神がおかしくなる木河。


「うるせぇチビだな」


「!!」


頭上から人の声。

見上げると秀吉が

空中でバスタブに浸かっていた。


「て……てめぇ……!!

いつの間にそこに……!!??」


「さっきからずっとですよ~ん?

気がつかなかったんでちゅか~?」


おちょぼ口で木河を煽る秀吉。


「ッッッッ!!!!

てめぇぇぇぇ!!!!」


カチンときた木河は秀吉に向かって

腰に下げてたハンドガンを連射する。


バァン!バァン!バァン!

バァン!バァン!バァン!

バァン!バァン!バァン!


「いただきま~す!!!!

はむ!ほむ!はむ!

ほむ!はむ!ほむ!

はむ!ほむ!はむ!」


バリボリバリ


ゴクンッ


「美味い!!

なんと言うかね、ジューシー!!

で、その奥にまろやかさもある!!」


飛んできた弾丸を全て食べ尽くし

味のレビューまでする秀吉。


「………ッッッッ!!!!」


ショッキングな出来事に

言葉を失う木河。


「さて……遊びはこの辺でいいだろ………

そろそろ決着(けり)つけようぜ……」


秀吉はバスタブから地面に飛び降り

木河の目の前に近づく。


「よぉ、身長170cm未満のアヘアヘ人権なし男

パーリータイムといこうぜ」


「くっ……!!

うおらぁぁぁあ!!!」


カキィンッ


木河はナイフで秀吉の首を斬りつけた。

だが首が固すぎて刃が折れた。


「そんなもん効かねぇんだよっと」


ドゴォッ


「ごふっ!!」


ズシャアッ


秀吉は木河の頭部にハイキック。

それにより地面に倒れる木河。


「か~ら~の~……」


ズルッ


秀吉は木河のズボンを脱がした。

そしてチ◯コサイズを確認。


「ちっちゃ!!!」


木河のチ◯コは

ポークビッツサイズの短小だった。

おまけに皮被り。


「………つい最近

チビはチ◯コがデカイという噂を耳にしたが

どうやら嘘っぱちだったようだな……」


「うるせぇ!黙れ死ねカス!」


「……ああ!?」


ブチィッ


暴言にキレた秀吉は

木河のチ◯コをもぎ取った。


「ぴぎぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」


大きな悲鳴をあげる木河。

そして秀吉はもぎ取ったチ◯コを

近くの排水溝に捨てた。


「グッバイチ◯コ

フォーエバーチ◯コ」


流れていくチ◯コに手を振る秀吉。


「があああああ!!!!

てめぇよくも……!!よくも……!!

よくも俺のチ◯コを!!!」


「チ◯コを失ったくらいで

ガタガタ喚くなよ」


ビュンッ


ブスッ


秀吉はチートで出したボウガンで

木河の右太ももに矢を放った。


「ぎゃああああああっ!!!!」


叫び声をあげる木河。


「痛いか木河?」


ニヤケ顔で聞く秀吉。


「痛い!!!!!

痛い痛い痛い痛い痛い!!!!!」


「………お前は俺に45発の矢を射った……

なので俺はその倍の90発お前に射ってやる

Are you ready? 」


「や……やめろ……やめてくれ……!!

そんなに射たれたら死んじまうよ……!!」


「やめてくれ!?おいおい!!

よくそんな台詞が吐けたなぁ!?

人には散々やっておきながら

自分は助かろうってか!?」


「わ………悪かったよ………!!

悪かった……!!俺が悪かった!!

何でもする!!靴だって舐める!!

だからどうか勘弁してください!!」


号泣しながら許しを乞う木河。

だが秀吉はこの男を許さなかった。


「……時既に遅しだよワトソン君」


ビュンッ


秀吉はさらに矢を放った。


ブスッ


「ぐあっ!!!」


矢は右胸に命中。


「もう一丁!!」


ブスッ


「ああああっ!!!」


ブスッ


「ぎゃああっ!!!」


ブスッ


「んがぁぁっ!!!」


このような調子で

秀吉はどんどん矢を放っていった。



~数十分後……。


「………………あ………ああ………」


全身に90発の矢が刺さり

サボテン状態になり

意識が朦朧としていた木河。


「あ~……疲れた……

90発ってのは中々しんどかったな……

でもすげぇ高揚感に包まれてるなう」


復讐に大満足した秀吉は

木河を放置して学校へと戻って行った。

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いじめられっ子俺、ある日突然チート能力を授かり今まで自分をいじめてきた奴らに復讐を開始する ゴリラバナナ @oatmeal

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