第29話「中村とその他……そして暴力解禁」

「長部の奴大丈夫かな」


「さぁな……」


部室内で病院に搬送された

長部の心配する

サッカー部の1年生7名。

そしてそんな中で

部員の1人である中村がある話を

皆の前で切り出した。


「なぁ……最近何か変じゃねぇか?」


「変て……何が?」


「この学校にいる連中に

最近妙な事が

起きまくってんだろ?」


「例えば?」


「迫田が自殺したり

長野が授業中に

脱糞&ケツだけ星人やったり

玉木が急に女子達にセクハラかましたり

仙崎やミラン軍団

それから教師の川崎や高木、三井が

行方不明になったり……」


「ああ……言われてみれば……」


「なぁ俺さ……他クラスの奴に

聞いたんだけどよ……

この一連の件て狸猿の奴が

関与してるって噂があるらしいぜ」


「はぁ?何でアイツが出てくんだよ?」


「ほら、アイツって

今上げた連中達から

過去に散々な目に合わされて

相当な恨み持ってそうじゃん?」


「はっ!馬鹿馬鹿しい!

あの無力なカスに

他人をどうこうできる力なんて

ねえだろ!」


「……だよな~

俺もそう思うわ……」


その後しばらく沈黙が続く部室。

すると1人の部員が

秀吉について話をし出した。


「……でもアイツってさ……

何か変わったよな……

ちょっと前までは常に

オドオドビクビクしてたのに

最近は妙に堂々としてるっつーか……」


「ミラン達が消えたからじゃね?」


「あ~なるほど」


「ていうかさ

女はべらしてるのウザくね?

狸猿の分際でよ」


「分かるわ」


「なぁ、あの女2人って何なん?

転校初日からアイツにベッタリだけど

愛人か何かなん?」


「知るかよ、本人達に聞けよ」


「しっかしエロいよな~……

あの2人………」


「ああ……胸デカイし尻もデカイしな……」


「………なぁ……アイツらってさ……

ヤったりしてんのかな………?」


「ああ、噂によると

毎日3Pしてるらしいぜ」


「「「なにぃ!?」」」


「………ゆ、許せねぇ……!!」


「生意気だな……!!」


嫉妬で怒りに燃える部員達。

そんな中で中村がある提案を出す。


「……なぁ……アイツの事

明日ここにいる全員で

リンチしてやんね?」


「「「え?」」」


「ほら、アイツ最近

調子に乗ってるからさ

ここらでちょっと

改めて理解させてやるべきじゃん?

自分は下等で無力な

チ◯カス野郎って事をさ」


「………なるほど………

そりゃあいい考えだな」


「へへへ、だろ?

で、その後によ~

アイツが連れてる女2人を

クロロホルムか何かで眠らせて

部室に運んでハメ撮りでも

してやろうぜ」


「お……おいおい……

さすがにそれはやべぇだろ……

捕まっちまうよ」


「心配すんなって

俺の親父は勲章持ちの上級だ

もし2人が訴えてきても

いくらでも揉み消せる」


「「「………………」」」


しばらく考える部員達。


「………俺は……乗った」


「お……俺も!」


「俺も童貞卒業したい!」


「俺も俺も!」


満場一致の部員達。


「よし!決まりだな!

んじゃ早速明日の昼休みに

決行するとしようぜ!」


「「「おお!!!」」」


「へへへ!何か燃えてきたな!」


「ああ!今夜中に体位の練習とか

しとかないとな!」


「俺玩具とか持ってこようか?」


テンションが爆上がりの部員達。


「お前らホントクズだな」


突如部室内に響く何者かの声。


「だ、誰だ!?」


ガチャ


キィ~……


「「「!?」」」


部員達は皆驚愕した。

なんと部室のロッカーの中から

秀吉が出てきたのだ。


「た、狸猿!?

いつの間に!?」


「さっきからずっといたわボケ

それより話は聞いてたぜ

お前ら明日俺の事を

リンチした後に

寧々と茶々をハメ撮りするんだって?」


「「「………!!!」」」


「ったく……吐き気を催す邪悪だな

低能で野蛮で性豪………

玉転がしやってる奴って

みんなこうだよな」


「な、何だとぉ!?

ていうかお前こんな所で

何してんだよ!?」


「中村に復讐しにきたんだよ」


「お、俺!?」


困惑する中村に部員の1人が

ヒソヒソと耳打ちする。


「おい中村……

丁度良い機会じゃねぇか……

コイツの事今この場で

リンチしちまおうぜ」


「!……そうだな……

よし!みんな!

やっちまおうぜ!!!」


「「「おお!!!」」」


部室にいた部員全員が

秀吉に襲いかかる。


「チートON"ゴリラ警備兵"」


「「「ウホウホウホ!!」」」


秀吉はチートでゴリラ3匹を召喚。

そしてその3匹が

中村以外の部員をシバきあげる。


「ごっ!!」


「ぐわぁっ!!」


「ぎゃあっ!!」


「な……何だこのゴリラ共は!?」


仲間達をシバき回す

ゴリラ達にビビる中村。


「さぁ中村、俺達もお楽しみといこうぜ……

フンッ!!」


ズガァァァァン!!!


「ぐわぁっ!!」


秀吉はチート"サイコキネシス"で

中村を部室の外へと放り投げた。


ズサァッ


「う……うぐぅ……」


地面に投げつけられ苦悶する中村。

そんな中村に秀吉は

ゆっくりとスタスタと歩み寄る。


「いいざまだな中村」


「て、てめぇ……!!

何なんだその力は!?」


「チートだよ」


「チ、チート!?」


「ああ……競パン仙人から授かった

神をも凌駕する特別な力さ……

そんなことよりも中村……

俺は今からお前に復讐をする

覚悟はいいか?」


「復讐!?

どうして俺が復讐なんて

されなきゃなんねぇんだ!?」


「……ああ!?」


ガッ


秀吉は中村の

胸ぐらを掴みあげる。


「てめぇ……!!

心当たりはねぇってか!?

忘れたとは言わせねぇぞコラ……!!

お前ちょっと前に

俺が缶捨てる場所に

間違えてビン捨てた時に

わざとらしくデカイ声で

「いけないんだー!!」とか

言っただろうが!!!

それから俺の席にアオダイショウ

仕込んだだろうが!!!」


「なっ……!?

それくらいの事で!?」


「………………なるほど………

"それくらいの事"ね………

ほ~ん………」


ビリビリィ


秀吉は中村の右耳を引きちぎった。


「んぎゃああああああああ!!!」


「う~ん……やっぱり暴力は良い……」


「あああああああああああ!!!!

俺の耳がああああああああ!!!!」


「うるせぇ!!!

耳ちぎったくらいで

騒ぐんじゃねぇ!!!」


ゴシャッ


秀吉は中村を空高く蹴り上げる。

そしてそのまま

地面に落とさないように

リフティングを始めた。


「よっ、ほっ、はっ」


「がっ!!ごっ!!ごはぁっ!!」


「いくぜ!!これが世界の蹴りだ!!

だりゃあ!!」


バゴォッ


秀吉は中村に

ゴールに向かって

リフティングからの

オーバーヘッドキックをかました。


「いっけぇぇぇぇ!!!」


ガァンッ


中村はネットに入らず

ゴールポストに頭から直撃した。


「かぁぁぁ!!おしい!!」


秀吉は地面に両膝をつけて

非常に悔しがる。


「う………うう………」


ポストに頭をぶつけて

瀕死状態の中村。

そしてそんな中村に走り寄る秀吉。


「中村~!Are you ok!?」


「うう……た……助けて……」


「しょうがねぇな~」


秀吉はチートを使って

中村を回復させた。


「あれ……?体が……」


「へへ、元気になったろ?

んじゃ体が良くなったところで

第2ラウンドといこうぜ」


「え!?」


「うらぁ!!」


ドゴォッ


「がはっ!!!」


秀吉は中村の腹に蹴りを入れた。


「まだまだいくぜ~!

マイボ!マイボ!マイボ!」


ゴシャッ


ドゴォッ


ゴシャッ


「がっはぁ!!!

げっほげっほ!!!

げえ~!!!」


腹に何度も蹴りの連打を浴び

嘔吐する中村。


「さてさて……

前戯はこの辺にして

そろそろトドメといこうか」


「ハァ……ハァ……!!

お……おい徳川!!

あの噂は本当なのか!?」


「ああ?噂?」


「ハァ……ハァ……!!

最近この学校の人間に起きてる

奇妙な出来事……!!

これらは全部……

お前の仕業だっていう噂だよ……!!」


「…………ああ……

ミランや仙崎……

雑魚田とかの事言ってんのか……

そうだ……あれらは全部俺の仕業だ」


「……今迄の復讐か……!?」


「そうだ……

よく分かってんじゃねぇか

アイツらは過去に散々

俺に対して嫌な事してきたからな」


「イカれてる……!!

いくら暴行振るわれたり

悪口言われたからって

自殺に追い込んだり

行方不明にさせたりするか……!?」


「ハハハ!

おめぇみたいなクソ人間に

イカれてる言われちったよ!

チートON"異次元ホール"!」


ブオンッ


2人の目の前に

小さなブラックホールのようなものが

出現する。


「な、何だこの穴は!?」


「異次元ホール………

ここに入った者はどうなるのか

俺にも分からない………

ここに今からお前をブチ込む」


「い、嫌だ!!!

そんなワケの分からない所

入りたくない!!!」


逃げようとする中村。


「おっと~!逃がすかよ!」


ガシッ


秀吉は逃げようとする中村を

瞬時に羽交い締めにした。


「うわぁぁぁぁぁ!!!

離せ!!!離せ!!!」


「中村~……俺はお前の事が

絶対に許せねぇんだよ

なぜかって言うとなぁ

お前は寧々と茶々を

レイプしようとしたからだ

俺だけならまだしも

無関係な2人を巻き込もうとしたのは

万死に値する行為だ」


「ハァ……!!ハァ……!!

なぁ悪かったよ!!謝るよ!!

土下座する!!靴舐める!!

何だってする!!

だから助けてくれよ!!」


「悪いがダメだ」


「そ……そんな……!!」


「じゃあな中村」


「や……やめ……!!!」


ポイッ


ブオンッ


秀吉は中村を異次元ホールに投げ込んだ。

そして中村が投げ込まれた直後に

ホールは閉じた。


「ふ~……あのチ◯カスが消えて

少しはこの学校も平和になるだろう……

さてと……残るはアイツらか……」




ガチャ


サッカー部室の扉を開ける秀吉。

すると目の前には

顔をボコボコに腫らせ

縄で縛られたサッカー部員達の姿。

そしてその近くには

先程召喚した3匹のゴリラがいた。


「ウホウホウホ!(制圧完了しました!)」


秀吉に向かい敬礼する3匹。


「フム、ご苦労

さてと……コイツらも中村と同罪だ……

寧々と茶々をレイプしようとした……

だから何かしら罰を与えないとな……

………あれ?」


部員達を見回していた秀吉は

ある事に気が付いた。


「おい!!!※田中いなくね!?」


※秀吉が大嫌いなサッカー部員。

16~17話登場。


秀吉の発言に部員の1人が反応する。


「……た……田中……?

アイツなら先週に退部したぞ………」


「なにぃ!?」


予想外の出来事に驚く秀吉。


(チィッ……!!

今日中にアイツにも復讐しようと

思ってたのに………

まぁいっか、次の機会で……

とにかく今はコイツらだな……)


「よし!お前ら!

今からお前らには

人間を辞めてもらう!」


「……は……!?」


「な……何を言って……!?」


「チートON"セイウチ化"」


ボフンッ


サッカー部員達は

皆セイウチに変身した。


「くっさ!!!

ヴォエ!!!!」


セイウチ特有の獣臭が

部室内に充満し嘔吐する秀吉。


「ウホウホ?(大丈夫ですか?)」


秀吉の背中を擦る1匹のゴリラ。


「あ、ああ……

ありがとう………大丈夫だよ……

それと悪いんだけどさ

コイツら全員水族館に

運んどいてくれないか?」

 

「ウホウホウホ

ウホウホウホウホウホ

(分かりました

おいお前ら、裏に車回せ)」


「「ウホ!(ウス!)」」


「ウホウホウホ、ウホウホウホウホ?

(秀吉様、この後自宅に

帰られるんでしょうが

1人で帰れますか?送って行きましょうか?)」


「いや大丈夫、1人で帰れるよ」


「ウホウホウホ

(分かりました、では我々はこの辺で)」


「ああ、バ~イ」


その後ゴリラ達は

セイウチをどこからか用意した

トラックの荷台に乗せて

水族館へと走り去って行った。

そして秀吉もそれに合わせるかのように

部室の外へと出た。

すると外はすっかり暗くなっていた。


「うわ~……今日は星がすげぇな~」


夜空を見上げながら

そう呟く秀吉。


「………さ、帰りますか」


そう言って秀吉は足を進め始めた。

愛する寧々と茶々の待つ我が家へと。

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