第22話「誹謗中傷」

「う~ん、やっぱり花と蛇は面白いな」


俺は学校をサボって

自室で官能小説を読んでいた。


「うわぁぁぁぁぁぁん!!

秀吉様~!!!」


読書中寧々が突然部屋に入ってきて

俺に抱きついてきた。


「ど、どうした寧々!?」


「うう……!ひっぐ………!

私……誹謗中傷されました!」


「誹謗中傷?」


説明によると彼女は数日前に

好奇心からTwitterに自撮りを投稿。

そしてそれが運悪く悪意のある

5ちゃんねるの住人(なんJ民)に見つかり

スレ内で垢晒し&誹謗中傷のコンボを

喰らったという事だそうだ。


「なるほど…分かった……」


ギュッ


俺は優しく寧々を抱きしめる。


「……ッ!秀吉様~……!」


「寧々……俺が中傷してきたソイツらに

地獄を見せてやる………!

だから早速なんだけど

その書き込みを見せてくれるか?」


「はい……これなんですけど……」


彼女が見せてきた書き込みは

なんとも酷い内容だった。


・糞膣きっしょ

・ブスすぎて草

・低能マ◯コ


等々。


「寧々がブスだと……!?

現実世界で上手くいってない

腐れ童貞どもが

よくもこんな酷い書き込みを……!!

チートON"開示請求"!!」


ブオンッ


目の前に書き込み主達の

住所が表示された。


「なるほどな………よし!

早速コイツらの所に順番に行って

地獄見せてやる」


「秀吉様、私もついて行っていいですか?」


「ああ、もちろんだよ」


ブオンッ


早速俺達2人は

最初の中傷者の元へとワープした。

ちなみに茶々は日課のジョギング中。


ブオンッ


「着いたぞ、ここが……ってくっさ!!!」


「何ですかこの臭い!?」


ワープした先の部屋は滅茶苦茶臭かった。


「くっ……普段全く換気してねぇだろ

この部屋………ん?」


ふと部屋の隅を見ると

美少女キャラクターの

絵が描かれたシャツを着た

年齢は30代前後だと思われるおっさんが

布団の上でイビキをかいて寝ていた。


「コイツか……書き込み主は……」


「秀吉様、平日のこの時間に

寝てるって事はコイツ………」


「ああ、無職だろうな……

まぁコイツに限らず

なんJやってる奴なんて9割が無職さ」


寧々にそう言った後に

俺は寝てるおっさんの元に近づき

蹴りをかました。


バキィッ


「ファッ!?」


キモい声を出して目覚めるおっさん。


「よぉ、カス」


「………だ、誰やねん!?」


「お前、彼女に誹謗中傷したろ?

だからこれからお前に制裁を与える」


「は!?」


「チートON"磔"」


バァンッ


「がっ!?」


俺はおっさんが暴れない様に

壁に磔にした。

そして次にコイツの詳しい

ステータスを表示した。


名前:山田隆(やまだ たかし)


年齢:32歳


身長:168cm


学歴:中卒


職業:無職


趣味:アニメ鑑賞、なんJ


備考:高校へは通っていたが

1年生の2学期に中退し、それ以降は

アルバイトもせずに

10年以上実家にパラサイトしている。

両親は昨年離婚。

現在は母親と2人暮らし。


「………うわぁ~……酷すぎますね~

何ですかこの低スペキモ人間……」


「なんか悲しくなってくるよな……

同級生達は皆定職に就いて

結婚して子供を授かって

家を買ったりして

立派な大人になっていってる中

コイツはいい歳こいて

職にも就かず実家の自室に籠って

1日中アニメとなんJだもんな」


「ええ、ホントですね……

というかこんな誇れる事が

何1つないゴミが

よく誹謗中傷なんてできますよね

あ、何もないからこそか

自分が何もないコンプの塊人間だから

匿名掲示板で他人を悪く言って

心の隙間埋めてるってワケか」


「フーッ!フーッ!」


図星なのか怒りで

鼻息を荒げる山田。


「寧々、コイツをどうしてやりたい?」


「そうですねぇ~……

とりあえず絶望を与えたいです」


「分かった、となれば~……

チートON"絶縁"」


ガチャ


部屋に山田の母親らしき人物が入ってきた。


「隆、母さんはもう限界です

これ以上穀潰しの面倒は見れません

なのであなたとは縁を切らせてもらいます

これからは1人で生きてください

さようなら」


そう言って母親は家を出ていった。


「………………………」


絶望して放心状態になる山田。


「プッ!!良い顔しやがるぜ!!」


「きゃははは!ホントですね!

あ、写真撮っとこ!」


パシャッ


「さ、寧々、次はどうしてほしい?」


「う~ん……

あ!コイツのFacebook垢作って

中学時代の同級生達に

変なメッセージ送ってほしいです!」


「分かった!」


彼女の要望で

早速俺は部屋にあったPCで

山田のFacebook垢を作成。

プロフィール画像は先程寧々が

スマホで撮影したものを使用。

そして部屋にあった卒アルを頼りに

同級生達の垢を見つけ出し

彼らにメッセージを送信した。


・畑中さん!久しぶりぶり!

相変わらずおっぱい大きいね!

・よお村山、お前の母ちゃん俺の愛人

・おっす滝沢!相変わらずキモ顔だな!

・ハァ……ハァ……中野さん………歳を重ねて

より一層綺麗になったね………

そんな中野さんの肛門のニオイを

嗅いでみたいな~なんてね(笑)

・古谷~、うんち!

・関、死ね!


さらに最後にコイツのPCで

なんJのスレに

複数の芸能人や著名人に対しての

殺害予告を書き込んだ。

これで近々警察がこの家にやって来るだろう。


「コヒュ~!!コヒュ~!!

何て事を………!!」


顔を真っ青にし

呼吸が荒くなる山田。


「寧々、次はどうする?」


「いえ!もう満足ですよ!

なので次の奴のとこ行きましょう!」


「分かった!」


その後俺達はチートを使用し

この部屋にあった自分達の痕跡を抹消し

他の中傷者達の元へと回って行った。

そしてソイツらにも

山田と同じ様な事をしてやった。

ちなみに数日後

中傷者達は全員逮捕された。

ざまぁみやがれ。

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