第20話「氷河期世代の底辺」

木村に復讐し映画を観に行ったその日の夜に

俺、寧々、茶々の3人は銭湯に来ていた。


ジャー


(フンフフンフフ~ン)


浴場内のシャワーで頭を洗う俺。

(もちろん男湯。)


「なぁ!」


「ん?」


俺が頭を洗っていると

隣にいたチビのソフモヒのオッサンが

キレ気味な感じで俺に声をかけてきた。


「な……何ですか?」


「シャワー!!

こっちにかかってるから!!」


「あ……す、すみません……」


「なぁ?」


プチンッ


俺はオッサンの最後の「なぁ?」に

最高にイラついた。

何なのコイツ?何でこんな偉そうなの?

つかシャワーかかった位でキレんなよ。

器ちっちゃ、背もちっちゃ

そしてチ◯コも小さい。

何ですかアレは?

ポークビッツですか?

というか初対面の相手に

タメ口使うとか絶対育ち悪いだろ。

両親は中卒か高卒だろうなきっと。

それにしてもこのオッサンは愚かだ。

最後に余計な一言を言ったせいで

これから地獄を見るんだから。


俺はとりあえずその場から離れ

近くの湯船に浸かった。


ザバァァァァン


(ふい~……気持ち良い~……

さて、チートでとりあえず

アイツのステータス見てみるか………

チートON"ステータスオープン"

対象はあの偉そうなチビオヤジだ)


ブオンッ


俺の目の前に

あのチビオヤジのステータスが表示された。


(え~……なになに……

名前は倉実痔亜(くら みじあ)

年齢は44歳……

うわぁ……氷河期世代じゃん……

どおりで偉そうなワケだ……

学歴は中卒、職業はライン工(派遣)……

年収は…………プッ!!

た、たったの250万wwwww

44歳で年収250万wwwww

ベリー底辺チェケラッチョwwww

風呂無しアパートに住んでそうwwww

毎日スーパーで半額の惣菜買ってそうwwww

スマホは分割払いで買ってそうwwww

回線は格安のとこ使ってそうwwww)


心の中で罵倒しまくった俺は

あの氷河期底辺を苦しめるための

チートを探す。


(さて……どうしてやろうか

あの偉そうな氷河期底辺……

ん……?これ面白そうだな……

よし!使ってみるか!

チートON"シャワーがローション")


ジャー………ドロ~ン


氷河期底辺の使ってる

シャワーヘッドから

お湯ではなくローションが出てきた。


「……ブッ!!!ぶへぇっ!!

オエッ!!ガハァッ!!」


鼻や口にローションが入り

えづく氷河期底辺。


(プッ!!

良いリアクションしやがるぜ

あの底辺!!)


「ぶはっ!ペッ!ペッ!ペッ!

な、何だこれ!?ローション!?

故障か!?ざけやがって……!!

店主に文句言いに行ってやる!!」


ツルンッ


ゴシャッ


文句を言いに行こうと

椅子から立ち上がった氷河期底辺は

そのままローションで足を滑らせ

床に頭を強打した。


(……ッッ!!お、おい………!

今凄い落ち方したぞ……!大丈夫か!?)


「………………う~ん……」


(……ホッ……生きてたか………

良かった良かった………

頭から血は流れてるけど……)


氷河期底辺の不幸に満足した俺は

湯船から上がり浴場内を後にした。

そして上がった後に飲んだ

コーヒー牛乳はとても美味しかったです。




おまけ


~これが氷河期世代だ!~


・1970~1980年代前半生まれ。

・自分は特別な偉い人間だと思っている。

・やたらと高圧的。

・年上=偉いという認識なので

年下の人間には基本的にタメ口。

・クチャラー

・ワキガ

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