第18話「中学時代のクズ」

ピカ~ッ


チュンチュンチュン


カーテンの隙間から入り込む日の光。

そして小鳥達のさえずり。


「………う~ん………」


自宅の寝室のベッドで寝ていた

俺は目を覚ます。


「………あれ………?

俺………何してたんだっけ………?

ん………?」


ベッドで寝てる俺の両隣には

全裸の寧々と茶々が

俺の腕を掴んで

気持ち良さそうに寝ていた。


(そうだ……昨日親睦会の後に3Pした後

そのまま寝ちゃったんだった………)


俺は2人を起こさないように

そ~っと腕を抜き

ベッドから立ち上がり寝室を後にした。


ジャー


バシャッ……バシャッ


キュッ


「ふい~、さっぱりした」


洗面所で顔を洗った俺。

洗い終わった後

ふと正面の洗面鏡を見て

ある事に気付く。


(俺って……こうして見ると

中々男前だな……)


綺麗に整った眉、キリッとした目

筋の通った鼻、シュッとした顎。

それに加えて身長は178cmある。


「そりゃあ嫉妬でいじめられるわ……

こんなイケメン………」



ジュ~


「フンフフンフフ~ン」


俺はキッチンで朝食を作っていた。

するとそこに目を覚ました

寧々がやってきた。


「ふわぁ~……

おはようございま~す秀吉様~」


「おはよう寧々」


「スンスン……何か良いニオイ~」


「パンケーキ焼いたんだ

みんなで食べよう」


「わ~い!秀吉様のパンケーキ~!

うれすぃな~!」


「なぁ寧々、茶々はまだ寝てた?」


「あ~……あの売春婦ですか……

私が起きた時はまだ寝てました……

叩き起こしてきましょうか?

それか永眠させてきましょうか?」


「い、いや……いいよ……

無理に起こすのは可哀想だし

このまま寝かしといてあげよう」


「秀吉様……」


ギュッ


急に俺に抱きついてくる寧々。


「ん?どうした寧々?」


「んふふ……ん~」


ブチュ~


「む~ん………!」


寧々は俺にディープキス。

舌を尋常じゃないくらい絡めてくる。

おまけに彼女の両手は

俺の下半身へと伸びている。

昨日茶々が来てからというもの

俺を他の女に取られたくないという

本能からなのか

彼女の俺に対するアプローチが

急激に強くなった気がする。


「むむ~ん……ぷは~っ!

ね、寧々……朝から過激過ぎだって……」


「んふふ~……そんな事言って

下は正直ですよ?」


「あ……」


ふと下を見ると

俺のアレがフィーバーしていた。


「秀吉様……朝食前に◯◯◯

してあげましょうか?」


「え?い、いや……いいよ」


「もぉ~ん!

またまたそんな照れちゃって!

ではズボン下げますね~!」


「ああ!ちょ!」


寧々は俺のズボンを無理やり下ろす。

そして露になる俺のアレ。

そしてそんなアレを

至近距離でまじまじと見つめる寧々。


「ハァ~~ン!

秀吉様の◯◯◯ってホント素敵!

大きさ、造形、色

どれをとっても超一級品ですよ!

下の方も天下人って感じ~?」


「そ、そんな事言わないでいいから

とっととズボンを上げなサイヤ!」


「いや~ん!

では、寧々、いっきま~す!」


(ああ~~!!!

これ以上はZ指定だよ~!!!)


「随分楽しそうな事やってるじゃん………」


「「!!」」


俺と寧々の前に茶々の姿。


「ちゃ、茶々……」


「おはよう秀吉………」


「………チッ、起きたかブス」


「ああ、起きたよ売女」


俺は2人が会話をしてる隙に

ズボンを上に戻す。


「さ、さぁ2人とも!

パンケーキが焼き上がったし

リビングに行って朝食にしよう!」


「は~い!

あ!私コーヒー入れま~す!」


「私が入れる、売女は引っ込んでな」


「ああ!?」


「2人とも朝から喧嘩はやめロッテ!」



~リビング~


「秀吉、このパンケーキ………

すごい美味しい………

あまりの美味しさに

股関がビショビショになりそう………」


「な、なぜ股間が!?」


「秀吉様~!

私この秀吉様の

遺伝子入りパンケーキ食べて

何だか妊娠しちゃった気がします!」


「い、遺伝子なんて入れてないっての!

人聞きの悪い事言うなっての!」


賑わう食卓。

そんな中で茶々は俺に質問する。


「秀吉、今日は土曜日だけど

何して過ごすの?復讐?」


「………うん……多分………」


「今日は誰に復讐するんですか?」


「そうだな……誰にしようか……

まぁ後で散歩でもしながら考えるよ

とりあえず今は朝食済ませちゃおう」


「は~い!」


「うん、分かった」




それから約1時間後。



「いや~、良い天気ですね~!」


「ああ、カラッカラの晴天だ」


「予報だと曇りって言ってたけど

良い意味で裏切ったね」


朝食を済ませた後俺達3人は

近所の運動公園の中を散歩していた。

すると前方からガラの悪い3人組が

俺達の方に向かって歩いて来て

真ん中にいた茶髪ウルフカットの

ミルワーム顔のブサイクが

俺に向かって声をかけてきた。


「あれ?お前……徳川じゃん!」


「え?」


知らないミルワームに声をかけられ

困惑する俺。

そしてミルワームの声かけに反応する

左右にいた仲間達。


「え、なに?コイツお前の知り合い?」


「ああ!コイツ俺とオナチュー!

んでオナクラ!

よく"ダーツ"で遊んでやったっけなぁ~」


ピクッ


俺は今の"ダーツ"という発言で

コイツの事を思い出した。


(き………木村………!!)


木村………木村児徹(きむら こてつ)。

俺の中学時代の同級生。


特徴:ミルワームの様なブス顔。

過度な喫煙によりひどく黄ばんだ前歯。

がに股。

実家がヤクザ。

で、やたらと実家がヤクザである事を

アピールしてくる。


⬇️コイツに中学時代にされた事。


上裸にされ胴体に

円や数字を書かれダーツの的にされた。

顔に小便をかけられた。

日本刀で背中斬られた。

隣のクラスにいたワキガデブの

脇のニオイを無理矢理嗅がされた。

給食のデザートのプリン盗られた。

4階から突き落とされた。

レンガで頭殴られた等々。


(そうだ………思い出した………!!

この醜いミルワーム顔………!!

なぜ俺は今迄コイツの事を忘れてたんだ!?

中学時代コイツに尋常じゃないくらい

酷い目にあわされたっていうのに!!)


人間にはあまりに強い

ショックな出来事があると

脳がその事を強制的に忘れる機能が

備わってるらしい。

おそらくそれが発動していたのだろう。


「へへ、久しぶりじゃん徳川

てかお前のその髪型なんなん?

ツーブロックのオールバックって……

オラオラっててなんかウゼーわ

"狸猿"の分際でよ~

お前みたいなヘタレのゴミは

大人しく坊主にしとけっての」


ピクッ


「つ~か両隣にいる女なんだよ

ちょーマブいじゃん

お前ごときには勿体ねーわ

なぁ彼女達……こんな狸猿ほっといて

今から俺達と楽しい事しに行かない?」


木村がそう言って寧々と茶々に

手を伸ばした次の瞬間。


ザシュアッ!!!


俺は手刀で奴の右前腕を切り落とした。


「んぎゃあああああああああ

あああああああああああああ

ああああああああああああ!!!!!」


「こ、児徹!!!

てめぇ!!よくも!!」


「シュッ!シュッ!」


ドゴォッ!


ドゴォッ!


仲間がやられた怒りで

俺に襲いかかってきた三下二匹を

ハートブレイクショットで

俺は黙らせた。


ドサッ


ドサッ


地面に倒れるチ◯カス二匹。


「ひ、秀吉様!!!

暴力はもうしないって前回………!!」


「!!!!!

ん~~~~~!!!!

そうだったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


思い出す俺。

木村に追撃したい気持ちを

必死に抑える。

けどやっぱり無理そう。

コイツには俺がやられた様な

暴力で復讐したい。てか殺したい。

それくらいコイツに対する怒りが

尋常じゃないくらい

込み上げてきているのだ。


「フーッ!!フーッ!!

どうじよおおおおお!?

我慢でぎないがもおおおお!!

殴っちゃうがもおおおお!!

蹴っちゃうがもおおおお!!」


そんな中で茶々が俺に助言をしてきた。


「秀吉!チートを使って!」


「ほぇぇぇ!?」


「チートリストを開いて

検索欄に"脳冷却"と打って

それを使って!」


「分かっだ!!!!

"脳冷却"!!!!

チートON!!!!」


ポチッ


ブオンッ


キイイイイイイイイイイン


俺の脳ミソが突如出てきた

謎の機械によって冷却されていく。


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん

何これぇぇぇぇぇぇぇぇん?

ちょーきもちぃぃぃぃぃぃん」


俺は見る見ると冷静さを

取り戻してゆく。


「秀吉様……良かった……」


「フフ、落ち着きを

取り戻したみたいだね」


「茶々、ありがとう!」


俺は助言してくれた茶々に礼を言った。


「さて……このミルワームに

どう復讐してやろうか………」


そう言いながら俺は

チラッと横を見る。

そこでは木村が地面にうずくまり

切られた腕を必死に抑えている。

そして腕からは

血がドバドバ溢れ出ていた。


「あ………がぁ………!!」


「そのままじゃ出血多量で

復讐する前に死んじまうな………

しゃあない、チートON"止血"」


俺は木村の腕を止血。


「!?血が止まった!?」


「チートON"腕接合"」


切断され地面に落ちてた木村の前腕が

元の位置にくっついた。


「!?くっついた!?」


「チートON"凍結"」


カチィン


木村は凍った。


「お前この後

殴りかかってきそうだしな

とりあえず復讐内容が決まるまで

そこで大人しててもらうわ」


そしてその後3人で

木村にどう復讐するかを話し合う。


「ん~……どうしようか……

2人とも、何かある?」


「そうですねぇ……洗脳は

前回やりましたしねぇ………」


「………ねぇ、コイツの体のパーツを

入れ替えるってのはどう?」

 

茶々が提案を出してきた。


「パーツを……?

そんなチートある?」


「うん、検索欄に

"人体パーツチェンジ"って

打ってみて」


「人体パーツチェンジ……っと

お、出てきた出てきた

で、これをONにすればいいのね」


「うん、そして次に奴を解凍して

その後に失神させて」


「あいわかった、凍結チートOFF」


木村は解凍される。


「………ん………?

あれ………?

俺は何を………」


「チートON"失神"」


「はうっ!」


木村は失神。


「うん、これでOK

じゃあパーツチェンジ始めようか」


茶々がそう言った後に

3人で木村を全裸にした後

人体パーツを入れ替え始めた。


「プッ、秀吉様!何ですかそれ!?」


「いやいや寧々の方こそ……って

茶々のそれ何だよ!?」


「フフフ………センスあるでしょう?」


そして約10分後。


「「「かんせ~い!!」」」


俺達の頑張りにより

木村は見るも無惨な姿と化していた。


まずは両腕部分に両脚。

肛門から右腕。

そしてその手の先にはチ◯コ。

右脇腹から左腕。

股間部分には顔。

ただし目と口はない。

なぜなら目は大胸筋付近に

口はヘソ付近に付けられていたから。


「ん~!!いいじゃない!!

Be coolじゃないの!!

これぞ日本の伝統技術って感じ!!」


「秀吉様!早速コイツを

起こしましょうよ!」


「おっ、そうだな!

おい木村!起きろ!」


ペチペチペチ


奴の顔を軽く叩く俺。


「ん~………?」


「オッス!低能!起きたか?」


「てめぇ狸猿!!

誰が低能だゴラァ!!

………ああ……!?」


木村は自信の体の異変に気付く。

立とうと思っても立てないのだ。


「!?!???!

あ、あれ!?!?

どうなってんだこれ!?!!?」


「フッフッフ………気になるか?

チートON"姿鏡"」


木村の目の前に出てきた姿鏡。

木村はそれに写った自分の姿を見て

絶叫する。


「うわああああああああ!!?!??

何だこれはああああああ!????!?」


「ハッハッハッハッハ!!!

お前じゃい!!!!」


「ひぃぃぃぃ!!!

な、何なんだよこれはぁぁぁぁ!?

俺に一体何をしたぁぁぁぁ!?」


「君、中学時代俺を散々

酷い目にあわせたよね?

その復讐です、はい」


「なっ………!?」


「じゃあそういうワケで木村君

俺達これから映画観に行くんで

See you!!」


「ま、待てぇぇぇぇぇ!!!

いや!!待ってくださいいいい!!!

中学時代いじめをしてしまい

申し訳ございませんでしたぁぁぁぁ!!!

あなた様の望む事なら

何でもしますううううううう!!!!

なのでどうにか体を元に戻しては

くれませんでしょうかぁぁぁぁ!?」


「その状態で日本一週したら

元に戻してやるよ」


「なっ!?む、無茶な!?」


「無理なら一生そのままだな

てことなんでバ~イ!」


「あ………あんまりだぁ………!!」




そしてその後

その日から木村は体を元に戻してもらうため

テレビ局協力のもと日本一週を開始した。

果たして達成するのはいつになることやら……。

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