第6話「復讐の始まり」

「フンフフンフフ~ン」

午前7時20分。

洗面所で鏡を見ながら鼻歌交じりに

髪型をセットする俺。

あれ?おまえ坊主じゃなかったけ?と

思う人がいるかも知れないので

一応説明しておく。

"チート"で生やしますた。


「秀吉様~!朝食の準備が出来ました~!」


寧々がリビングから

洗面所にいる俺に声をかける。


「うん!分かったー!すぐ行くよ!」


俺は彼女のいるリビングへと

急いで向かった。




「……わ~、すごい豪勢だなこれは」


俺の目の前に出されていたのは

マグロの兜焼きだった。

周りにかけられた特性ダレによる香ばしい匂いが

何とも食欲をそそる。


「ンフフ、今日は記念すべき

"復讐1日目"ですからね

いっぱい食べて精をつけてくださ~い!」


「なるほど!ありがとう!

では、いただきま~す!

モグモグ………うまーい!」


「フフフ、食事してる時の秀吉様可愛い~」


それから30分後。


「…………あ~……食った食った

ご馳走さまでした!美味かったです!」


俺は全て完食した。


「よし、んじゃ歯磨きして

学校行く準備しますかな」


そして10分後。


「よし!それじゃあ寧々!行ってくるよ!」


「本当に……1人で大丈夫ですか?

やっぱり私も一緒に………」


「平気だよ

心配してくれてありがとうな」


ギュッ


チュッ


俺は寧々を優しく抱き締め

頬にキスをする。


「あん!秀吉様ったら朝から大胆!」


「ハハハ、では行って参る」


ブオンッ


俺はチート、"瞬間移動"を使用し学校へと行った。


「秀吉様……大丈夫だとは思いますが

どうかご武運を……」




ブオンッ


学校の前へと着いた俺。


「う~し、んじゃ、はりきっていきますか」


軽快な足取りで校門をくぐる俺。


スタスタスタスタ


ガッ!


「おいゴラ、狸猿……!」


門をくぐるとすぐに

何者かが俺の胸ぐらを掴んできた。

パッと見ると

見覚えのある顔がそこにあった。


(………石川……)


石川……石川木啄(いしかわ ぼくたく)

1年D組、出席番号3番、バスケ部所属。

毎日俺に朝練前のポカリを買わせに行ってた

ゴミカス野郎だ。

 

「てめぇ……良い根性してんな~……

昨日ポカリ買って来なかっただろ……!?

そして今日も……!!」


石川は怒りで体をプルプルさせている。

そんな石川に俺は余裕な表情で

言い返してやった。


「いや~、メンゴメンゴ

昨日は一日中

最愛とのS◯◯で忙しくてね~

というかさ、そのエイの裏側みたいな

醜い顔を俺に近づけるのは

やめてもらってもいいかな?」


「ああ!?」


「つか息がドブ臭えんだよ

喋んじゃねぇ虫けらベイベー」


ゴキャッ!!


キレた石川は間髪いれずに

俺の顔を殴った。


「ぐぎゃああああああああああああ!!!」


殴った石川の右拳は砕けた。

それもそのはず。

今の俺の顔は

チート"顔面強化1"により

オリハルコン並に硬くなっているのだから。


「………がっ……!!ああ……!!」


砕けた石川の右拳からポタポタと

血が垂れ落ちる。


「何だ……?」


「どうしたどうした?」


石川の悲鳴により

周りにいた生徒達が

こちらに集まってくる。


「大丈夫!?石川君!!

今保健室に連れて行くからね!!」


人目がつくと面倒だと思った俺は

石川を心配して保健室に

連れて行くと見せかけて人目のない

体育館裏に連れ出した。


ドサッ


抱えていた石川を

地面に放り投げる俺。


「さ~て石川……

ちょっと2人っきりで楽しもうか」


本来であれば最初に復讐する相手は

"ミラン"のつもりであったが

急遽予定変更する事にした俺。


「ぐっ………!!俺の……右拳が………!!

ハァ………ハァ………

"狸猿"……てめぇ何をしやがった……!?」


「………ああ!?」


バキィッ!!


ズガァァァァァァァン!


「……ごはっ……!!」


俺の蹴りで石川は

体育館の壁に吹っ飛んだ。


「おいおい石川よ

口には気を付けろよ……?

誰が"狸猿"だって?

俺には徳川秀吉っていうちゃんとした

名前があんだよ……ボケが!!」


「ハァ………!ハァ………!」

(な、何だこいつ……!?

今までの狸猿とは別人の様に違う……!!)


「さてと石川…………

とりあえずお前……全裸になれ」


「は!?」


「で、俺に土下座して謝れ

「今までパシらせてきて

どうもすみませんでした」ってな」


「な、何言ってやがる……!?誰が……!!」


「悪いがお前に拒否権はない……

チートON"全裸"、対象"石川"」


石川は全裸になった。


「!?!!!!?!!?」


「チートON"ハゲ"、対象"石川"」


石川はハゲになった。


「!?!!!!?!!?」


「チートON"土下座"、対象"石川"」


石川は土下座の体勢になった。


「!?!?どうなってんだ!?

俺の服……!!俺の髪……!!

そして体が勝手に土下座……!!」


「さぁ……謝れよ石川」


「……~~ッッざっけんじゃねぇ!!

誰がてめぇみたいな万年いじめられッ子の

キモいゴミ人間に謝るかよ!!

とっとと死んじまえボケが!!」


「………フ~…………残念だよ石川……

素直に謝れば軽く痛め付ける程度に

済ませてやろうと思ったが………

もう手遅れだ………!」


ゾクッ


秀吉の発言に

石川の背中に悪寒が走る。


「まずは土下座チートOFF」


石川は自由に動けるようになった。


「!!か、体が自由に動く……!!」


奴の喜びも束の間。

俺は次のチートを発動する。


「チートON"乳首がカルパス"、対象"石川"」


石川の両乳首がカルパスになった。


「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


恐怖で叫ぶ石川。


「まだまだいくぜ

チートON"肛門に妖精さん達が移住"対象"石川"」


石川の肛門内に妖精さん達が住むようになった。


「うわああああああああ!!!

住むなああああああああああ!!!」


「チートON"母親NTR"、対象"石川"」


俺は自信のスマホを石川の耳元に向ける。


「ハァ……ハァ……もしもし……木啄……?

母さん……んっ……ちょっと帰りが……あんっ

遅くなるから……ああんっ……

留守番……よろしく……ンアッー!!」


「うわああああああああああ!!!!!

寝取るなああああああああああ!!!!!」


「まーだまだいくぜ、チートON……」


「もうやめてくれぇぇぇぇぇ!!!

俺が悪かったああああああああ!!!

今までパシらせてきてすみませんでした

ああああああああああ!!!!!」


俺が次のチートを使用しようとした瞬間

石川は号泣しながら俺に謝罪土下座をした。


「頼む……悪かった……!

俺が悪かった……!

だからもう……勘弁してくれ……!

いや……勘弁してください……!

お願いします……!お願いします……!」


必死に謝罪する石川。


「………ったく……しゃあねぇな……

その誠意に免じて

特別に許してやる………なぁぁぁぁんて

いくわきゃねぇだろおおおおおおお!!!」


「ひっ……!」


「チートON!"ま◯ぐ◯返し"、対象"石川"!」


石川はま◯ぐ◯の体勢になる。


「い、一体何をする気だ……!?」


「フフフ……今に分かるさ……

チートON"2Lポカリ"」


俺の手元に2Lポカリが出現する。


「ポ、ポカリ……!?」


「ああ、そうだお前の大好きな………

毎日俺に買わせに行ってたポカリだ………

これを今からてめぇの肛門に注ぐ」


「!?」


「石川……知ってるか?肛門にポカリを注ぐと

人体が破裂して死ぬんだぜ?」


「!?」


「さぁ~て……特と味わえよ」


そう言って俺はポカリのキャップを開け

石川の肛門に近づける。


「や……やめろ……!やめてくれ……!

やめてくれええええええええええ!!!!

死にたくないよおおおおおおおお!!!!」


「うるせええええええええ!!!!!

潔く死ねええええええええええ!!!!!」


「うわあああああああああああああ!!!」


「お兄さんやめて!」


俺が石川の肛門にポカリを注ごうとした瞬間

奴の肛門内に住む妖精さん達が

俺を制止させた。


「お兄さん!ポカリを注ぐのはやめて!

私達のお家が壊れちゃう!」


「あ……そ、そうか……ごめんよ……」


「分かってくれればいいよ!

それじゃあね!」


そう言って妖精さん達は

肛門内へと帰って行った。


「あ~……なんかシラケちまったな~……ん?」


俺が石川の方を見ると

奴は白目を向いて失神していた。


「……ハッ、こいつマジでビビってやがったのか

肛門にポカリ入れて死ぬワケねぇだろっつの

全く……これだから教養のない馬鹿は困る」


その後、石川への復讐に満足した俺は

奴をそのままその場に放置して

ミラン達がいつも溜まり場としている

校舎裏へと向かった。

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