第5話「チュートリアル」

まだ人々が寝静まってる午前4時頃。

俺と寧々は家の近所の公園に来ていた。

なぜ公園に来たかというと

昨日、競パン仙人から授かった

"チート能力"とかいうものを

試したかったからだ。


「それじゃあ秀吉様!

能力の使い方を説明していきますね!」


「ああ、頼むよ」


「ではまず「ステータスオープン」と

言ってください」


「ステータスオープン」


ブオン!


俺の目の前に

自信のステータス表が表示された。

昨日も見たやつだ。

攻撃力、耐久力、素早さ、ジャンプ力、運

色々書いてある。


「こちらで秀吉様のステータスを確認出来ます

でもまぁ、あまり使う機会はないと思います

ちなみにこの画面は何もいじらずに5分経過

もしくは「ステータスクローズ」と言うと

消えます」


「うん、わかった、「ステータスクローズ」」


ブオン!


ステータス画面が消えた。


「では次に「チートリストオープン」と

言ってください」


「チートリストオープン」


ブオン!


俺の目の前に画面が出てきた。


「そちらに表示されている画面から

使用したいチートを選択します

そして、発動をしたい時はON

解除したい時はOFFを押してください

ちなみにチートによっては

OFFにしても反映されないものがあるので

ご注意を。

あとそれから、こちらも先程と同様

何もいじらず5分経過、もしくは

「チートリストクローズ」で画面が消えます」


「なるほど………

へ~……にしてもなんか色々書いてあるな~……

検索……カテゴリ検索……五十音検索……

ブックマーク……履歴……マイドキュメント………」


「あ!ちなみにですね

チートは全部で5万種類あります!」


「え!?そんなに!?」


「はい!それでは秀吉様!

次はチートリストの中から

"身体能力強化1"を選択して

ONにしてみてください」


「え?う、うん分かった……

え~と……どこだ?」


「カテゴリ検索→"身体系"を押してもらって」

一番上に出てくると思います!」


「カテゴリ……身体系……あ!ホントだ!あった!

で、これを選択してONにする……と」


グオオオオオオオッ!!


「!!」


俺は何だか強くなった事を感じた。


「これで秀吉様は強くなりました!

どうですか?今の気分は?」


「うん……何か……強くなった気がする……

ちょっと色々試してみていいかな?」


「もちろん!」


(さて………じゃあとりあえず

ジャンプしてみるか………)


「ほっ」


ビョーーーーーーーン


「ぬおっ!?」


俺は一跳びで30mくらい上昇した。


ヒュ~~~~~……

ズガァァァァァァァン!


そして派手に地面に着地。

ちなみに全然痛くない。


「……ハ……ハハハハッ!!

こりゃすげぇや!!

よし……!次はスピードチェックだ!」


ビュオオオオオオオン!


「ただいま~」


「お帰りなさ~い秀吉様~!」


俺はその場から5秒程で日本一周した。


「よ~し!次は攻撃力だ……と言いたいが……

どうやって試そうか………」


「ヒグマで試しましょうよ!」


「ヒグマ?」


「はい!チートリストの中から

召喚できますよ!

検索欄に"ヒグマ"と打つか、もしくは

カテゴリ検索→"動物"を押して

そこから探すのもアリですね!

まあこの場合直接入力した方が速いですね!」


「OK!え~と、ヒグマ…っと

お、でてきたでてきた

数は……どれくらいがいいかな?

1~100体まで選べるっぽいけど」


「とりあえず1体でいきましょう!」


「合点!ヒグマ×1、ON!」


ズシャアアアアンッ!!


「グルルルルルルルルァァァァァ!!!」


「ひっ………!!こ、怖い!!!」


出てきたヒグマは予想以上にデカかった。

体長10mくらいはあった。


「大丈夫です!秀吉様!

今の秀吉様はこの世で一番…きゃっ!!」


ズガァァァァァンッ!!


寧々はヒグマに蹴られて

近くの空き家に吹き飛んだ。


「寧々!!!」


「グルルルルルルルルァァァァァ!!!」


「貴様………!!許さん!!」


ダッ!!


俺は超スピードでヒグマの懐に突っ込む。


「だりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!!」


バキッ!ゴキャッ!バキッ!ゴキャッ!

ゴキャ!ッバキ!ッゴキャッ!バキッ!

バキッ!ゴキャッ!バキッ!ゴキャッ!

ゴキャッ!バキッ!ゴキャッ!バキッ!


「ゴア~……」


ズシャアアアアンッ!


たった16発の打撃で

ヒグマは絶命して倒れた。


「な……なんて力だ………俺…!」


(ハッ!!そうだ!!寧々!!)


俺は慌てて寧々の元へと走る。


「寧々!!しっかりしろ!!寧々!!」


「………………」


意識がない。

しかも頭から血を流してる。


「ま、待ってろ!今すぐ病院に………!」


俺はその時ハッとした。

チートでどうにかできないだろうかと。


「チートリストオープン!」


俺はチートリストの中から

寧々を治せそうなものを必死に探す。


「どこかにないか……!治す系のやつ……!」


カテゴリ欄を漁っていると

"治癒系"という項目を見つけたので

すぐさまそれを押した。

するとその中で"傷全快"というものが

あったので使用対象を"寧々"にしてONにした。

すると寧々の頭から流れていた血が

綺麗にスーッと消えた。


「……寧々!寧々!」


「…………ん~………?……秀吉……様……?」


「ホッ……良かった……!!」


俺は安堵のタメ息を漏らす。


「あれ……私……何をして……

そうだ…!ヒグマに蹴られて

意識を失ったんだった!」


「ごめん寧々……俺がビビらずに

ヒグマを即効倒していればこんな事には……」


「いえ!秀吉様は何も悪くありませんよ!

それより私の怪我を治してくれたんですね!

ありがとうございます!」


そう言って寧々は俺に抱き付いてきた。

そしてわざとらしく自慢の巨乳を

ガンガン俺の体に当ててくる。


「秀吉様~、何だか私

秀吉様の優しさによって

体が火照ってきちゃいました~

どうしたらいいでしょうか~?」


「……う~ん、どうしようか…………

もうチートの使い方は大方理解したしな~……

よし!分かった!

この辺でチュートリアルは終わりにして

家に帰って一日中◯◯◯しよう!」


「きゃ~!!やった~!!

また昨夜みたいに

この寧々に

悦びを与えてくださ~い!!」


「ああ、合点承知!」


実はここだけの話、俺と寧々は

昨夜に濃密な関係へと発展していたのだ。


そして、それから数時間経ったその日の晩……。

一日中◯◯◯をして

疲れた寧々が寝ているベッドの横で

俺はチートリストを開き

学校連中に復讐として使用する

チートを厳選していた。


「なるほど……こんなチートもあるのか……

ん?ほうほう……こんなものまで………」


復讐として使えると思ったチートは

マイドキュメントに新規作成した

フォルダに入れ

分りやすく「ふくしゅー」と

名前を付けておいた。


「………とりあえず……まず復讐すべきは

"ミラン"のクソ野郎とその取り巻き達だ………

あのゴミカスども………毎日毎日俺の事を

散々痛め付けてきやがって………!!

絶対に許さねぇ………!!

絶対に地獄の様な苦しみを

味あわせてやる………!!

フフフフ………ハッハッハッハッハ!!」


「……ん~……むにゃむにゃ……

秀吉様………?」


「あ!ごめん寧々!起こしちゃったか!?」


「秀吉様………もう寝ましょうよ……

今日はもうお疲れでしょう……?」


「ああ……そうだな……もう寝るよ」


「んふ、じゃあ添い寝しましょう」


ギュッ


俺達は寄り添いあって寝る事にした。


(……待ってろよ………

今まで俺をいじめたり馬鹿にしてきた連中……

明日からてめぇらにとって地獄の日々の

始まりだぜ……!)

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