第20話「イゴーロナクとアイホート」

…今日も一日始まるなあ


惑星の奈美はそう思った。いつの間にか女王になり、そして邪神達を取りまとめる人となった


奈美は王座に座り、横には相変わらずと言っていいほどいるニャルラトホテプとハスターがいた


ニャルラトホテプはとても頼りになるし、ハスターはなんと言っても可愛い。女性ながらハスターは可愛いと思っていた


ハスターはフードを被らずにいた。可愛いと言われて自分に自信を持ったのであろう


なんだか次の神話生物、マレウス・モンストロルムは一体誰が来るか楽しみにしていた。きっと仲良くできるはずだ


…そういえばクトゥルフがいない。どこかへ行ってるのだろうか?


「ニャルラトホテプ、クトゥルフ、どうしたの?」


「あいつか?あいつは朝からいないぞ」


朝からいないとは。でもきっとなにかしてるに違いない


「誰かを呼んでるのかな?」


「彼、有名なマレウス・モンストロルムだから誰か呼んでるに違いないよ」


確かにクトゥルフは神話生物の中でもトップクラスに強く、有名な神話生物なのだろう


奈美はすっと宮殿の入口を見た。誰か来るのだろうか?いつもそれを楽しみにしていた


…ぴぴぴぴ


誰かの電話音だ。それはニャルラトホテプだった。ニャルラトホテプは出る


「俺だ。…なんだクトゥルーか。…何?誰か呼んだからここに来る?わかった。そんなに時間がかからないんだな。ではな」


ぴっ


「クトゥルフ?」


「ああ。誰か来るらしい。期待してくれとのことだ」


そうなのか。楽しみにまっていよう



しばらくしてクトゥルフはやってきた


王宮の外から内部へ。誰かを引き連れてきた。早速女王の間に行く。奈美はすぐに判断できた


クトゥルフの横にいるのが神話生物だろう。しかし、その神話生物はやけに変わった格好をしていた


まずクトゥルフの横にいるのが首が無い。少しメタボな体つきをしており、どうやって生きてるんだこの人?


そしてクトゥルフの隣にいるなんだこれは…四足歩行で体の至るところに大きい目がある。これはなんていう生き物なんだ?


奈美がそんな姿をした神話生物に躊躇してると奈美の前まで来て、クトゥルフが言う


「奈美。連れてきたぞ」


「う、うんクトゥルフ…誰なの?」


奈美が言うとクトゥルフはちらっと横にいる神話生物を言う


「この首の無いのはイゴーロナク。四足歩行のやつはアイホートだ。2人とも、挨拶してくれ」


そう言うとイゴーロナクと呼ばれる神話生物が前に出て言う


「あんたが女王か。なかなか良いな。俺はイゴーロナク。グレードオールドワン。女王だからって来たんだ」


…どこから言葉を発してるのだろう。よくわからない


「どこから喋っているの?」


奈美は疑問を投げかける


「ここだよ。俺は手の内部から喋っているんだ」


イゴーロナクは手を奈美にかざして言う。…なるほどここから言葉を言ってるのか


「わ、わかったありがとう」


イゴーロナクは手をかざすのを止めて手から言葉を言う


「クトゥルフの呼び声だ。俺はここに住むことに決めた。よろしくな」


そういえばクトゥルフの呼び声なんていう小説があったような…。今は考えなくていいか


「…で、アイホートって?」


「おう。俺の親友だ。アイホート。挨拶しな」


どこ…どこ…なんとも重苦しい音だ。重量もあるのだろう。そういえば結構でかい。馬、ポニーと同じぐらいか?


「…」


無言だった。どうすればこの神話生物に会話ができるだろうか


「あ、あのーイゴーロナク。この神話生物、喋らないの?」


「いやいや、普通に喋るぞ。なあアイホート」


「…」


また無言。これはどうしたものか


「あ、アイホート?私、奈美っていうの。親友さんのイゴーロナクと来てありがとう。これから仲良くよろしくね」


またまた無言…と思ったら声が来た


「おお!なんとも良いおなごだな!ワシはアイホート!グレードオールドワンだ!これからよろしくな!お嬢さん!」


「なんだ喋ってくれるじゃん…」


てっきり喋ってくれない、無言の神話生物かと思ったらそういうわけでは無かった


「お前達はこれから、奈美の管理化の元、働いてもらうぞ」


ニャルラトホテプはイゴーロナクとアイホートに言う


「合点承知!もちろんだ!」


「ワシもなにかできることを言ってくれい!」


…なんかちょっと日本人、というか江戸っ子に近い言い方だ


「ありがとうクトゥルフ」


「お前のためならなんだってやるからな」


こうして新しい仲間、イゴーロナクのアイホートを入れた奈美であった



「…へえ!アイホート、来てくれたの!」


ここは畑。シュブニグラスの管理の元、早速クトゥルフとアイホートは来てくれた


「アイホート、土を耕すなら結構いいだろ?」


「そうね。私でもできるけど、アイホートみたいな人だととても嬉しいし頼りになるわ」


シュブニグラスが言うとちらっとアイホートを見た


「アイホート。早速だけど畑を耕すことをしてくれない?あなたならできそうよ」


「ワシに任せてくれ!」


そう言って彼は土をならすことをした



「イゴーロナク。来てくれたのか」


「そうだ。俺は色々とできるぞ」


イグはイゴーロナクに会い、早速その姿を見た


「お前、なかなかの体格だよな。親友のアイホート、どうしてる?」


「親友なら今シュブニグラスのほうに行ったぞ」


首の無い姿でシュブニグラスがいるであろう畑に体を向ける


「なら俺と一緒に建設に携わりをしてほしい。一緒にな」


「OK!今後もよろしくな!」


こうしてイゴーロナクとアイホートはこの星の住民になった



「ねえニャルラトホテプ」


「なんだ?」


王座に座ったまま奈美はニャルラトホテプに話しかける


「すごい、集まったね」


「神話生物どもか?ああ、まだまだいるぞ。グレードオールドワンならもっといる」


「わたしももっと色々と呼べそうな神話生物、呼んでみるよ」


ハスターは奈美に笑顔で言った


「でも…まだいるってことは…これからも集まってくるんだね」


「まあ期待しておいていいかもな。お前がいれば神話生物達も来る。それでいいだろう」


ニャルラトホテプは柔らかい声で奈美に言う



イゴーロナクとアイホート


また新しい神話生物が来てくれた





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