第19話「イタクァ再び」

…ノーデンスの船


ここではまるで宇宙船のような姿をしている宇宙に浮かぶ船があった


そこは下級の旧き神がたくさんいて、全てノーデンスの部下だった


ノーデンスは船長室にて色々と行っている。ノーデンス、彼は長い白髪で長いひげを生やし、ローブのような姿をしていた


彼は人間に優しい。最近ではマレウス・モンストロルムにも優しい。そんな心優しい姿をした旧き神のリーダーだった


直近の部下に様々な旧き神がいた。上級。と言ったところだろう。彼を慕う部下がいっぱいいる


そういえば前にイシスが女王のいる星に行った。そういう情報もすぐに入ってくる。だが、彼は決して悪いとは思っていない


最近ニャルラトホテプとは話してないな。たまには行って情報交換をする会議でもしないといけない


女王、奈美。一体どういう人物だろうか。ノーデンスはいつか会える日を楽しみにしていた


船長室には同じく旧き神クタニド、バーストがいた。こちらも旧き神としてはかなり上の持ち主だった


「ノーデンス様」


クトゥルフとあまり変わりない、ローブを着て金色の瞳をしたクタニドが言うとノーデンスは反応する


「ん?どうした」


「イシスさんが女王のいる星に行って、今活躍してるとのことです」


そう言うとノーデンスは言う


「そうだな。あのイシスは人間でありながら活躍してた医学の知識を持つ旧き神だ。私は心配なぞいらない。そう思っている」


ノーデンスが言うと同じく服を着て猫の人間のような姿をしたバーストも言う


「イシス…ふふふ、グレードオールドワンや外なる神に囲まれて一体どうしてるんだろうな」


「それは大丈夫でしょう。クトゥルフ兄さんのいるあの星はきっと安泰だと思います」


丁寧な口調のクタニド。優しさが生まれてくる態度であった


こんこん


船長室からドアの音が聞こえた。がちゃ…そこには少女の姿がいた


「ダオロス」


「ノーデンス様。宇宙一体の見回りが終わりました」


ダオロス。彼女は黒い服を着て首元にジャラジャラした鎖を。腰のほうにも鎖をつけていた。これはダオロス自身のファッションであった


元々は宇宙にあてもなくさまよっていたところをノーデンスが見つけて部下になった


本当の姿は様々な部品の塊と言った膨張して敵を押し潰すような力を持ち、そして人間の世界を破壊にもたらす。そんな外なる神だ


…しかし今となっては人間の姿をして少女の格好をした。ひと目ではわからない、マレウス・モンストロルムだった


彼女はドアからノーデンスの座っている机まで行き、報告する


「ノーデンス様。一応確認はしたのですが、敵となる勢力は今は落ち着いている様子。侵攻は無さそうな状況です」


「ご苦労だったダオロス。…して、ヨグソトースはどこにいたかわかったか?」


ノーデンスが言うと彼女は少々困った顔をした


「いえ…見かけませんでした。兄弟であるヤードサタジ様もいません。どこへ行ったのでしょうか?」


「うーん」


もしヨグソトースが入れば敵を懲らしめてあげることも可能なのに


「…わかった。ダオロス。ゆっくりと休むがよい」


「はい!」


副王、ヨグソトースは未だにどこにいるかわからない。彼がいれば…という考えはどこへやら



奈美のいる女王の星「奈美」


そんな名前になってから彼女は少々恥ずかしい気分になっていた


建築ラッシュが続くこの星。完成したらきっと大きい星になって様々な神話生物が暮らすことになるだろう


奈美、ニャルラトホテプはイシスのいる医院にいた。イシスはよく働いている


怪我や病気。そういうものをすぐに治してくれるイシスはこの星に安泰をもたらす人材となっていた


奈美とニャルラトホテプはイシスの部屋にいた。彼女は笑顔でいた


「今のところ部下が怪我したとか病気になったなんて報告はないわ。安心してね」


「ありがとなイシス。お前がいるから俺も安心できる」


「イシスさん。ありがとう」


奈美は嬉しそうにイシスに言う


「あとは、神話生物たちをここへ行くのが一番よね」


イシスはニャルラトホテプに向けて言った


「ああ。だが人間であるお前をこき使うなんてことはしない。ほどほどにな。頼むぞ」


「任せてちょうだい」



奈美とニャルラトホテプは外に出る


人間が住んでも快適な気候が奈美を待っていた。本当に心地良い天気だ


「…どんどん集まってきて、嬉しい限りだよ」


「お前を慕ってここへ来るマレウス・モンストロルムが多い。だからこそだ」


建築が進むこの星でますます繁栄するだろう。地球の人間として、神話生物も怖くない


奈美はこの光景がいつまで続くのだろうか。とは思っていた


「おーい!奈美!ニャルラトホテプ」


この声はハスターだ。2人はその方向に向く


そこにはハスターと前に会ったイタクァがいた。おや?イタクァがいるとは


「ハスター!」


「2人とも。実はイタクァはここにいたいって希望があったんだよ。だからわたしが連れてきたの」


そう言うとイタクァはお辞儀をした。前と会ったとおり丁寧な人…じゃない神話生物である


「奈美女王。ニャルラトホテプ。僕です」


「イタクァ。また来てくれて嬉しいよ」


相変わらずこのイタクァというのは周りに風がある。暴風ではなく、優しい風がそよいでいる


「お前…今度はどうしたんだ?」


ニャルラトホテプが言うとハスターが言う


「実はね。イタクァはここに住みたいって希望あって来たんだよ」


ハスターは笑顔でイタクァに紹介をする


「はい。ここにいればきっと女王に何かをしてあげることが可能なので、希望持ってここへ来ました」


イタクァはその風貌からは違うように丁寧に会釈をする


「わかったイタクァ。これからよろしくね」


「お前がいると安心だ。女王の名のもと、頑張ってくれ」


奈美、ニャルラトホテプはイタクァに向けて言った


これで何人目だろう。神話生物たちが次々と奈美のいる場所へ集まってきた


奈美は嬉しい気持ちだった。きっとこのイタクァも活躍してくれるだろう



ハスターとイタクァは次に宮殿へと行く


宮殿の入口には監視カメラの役割をするシアエガ。そしてクティーラがいた


「あらハスター。イタクァじゃない」


「そうだよ。わたしが連れてきたんだよ」


イタクァはクティーラにも丁寧に挨拶をする


「クティーラさん。イタクァです。これからよろしくお願いします」


イタクァはお辞儀をしてクティーラに言う


「ええ。よろしく。ハスター、良い人材ね」


「わたしの目には狂いなんてないよ!」


ハスターはエヘンとした態度をとる


クティーラもこのイタクァが来てますます盛り上がるだろうと思った


奈美も、ニャルラトホテプも、きっとそう思っている



次に来るのは誰だろう?


期待しつつ、今日の日常を終えた



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る