第17話「会議」

…今日は宮殿にて会議みたいなものを行っていた


広い部屋に重役の神話生物。そこには当然奈美の姿もあった。女王だし当然である


奈美、ニャルラトホテプ、クトゥルフ、ハスター、クティーラ、イグ、シュブニグラス、クトゥグアといる


すっかりこんな邪神たちと仲良くできた奈美はとても充実した生活を送っていた。しかしたまには真面目な会議もある


奈美は上座で後は適当に座っている。ただシュブニグラスとハスターは隣同士だ


それぞれの席にお茶が置いてある。当然これを淹れたのはクティーラだった。クティーラは奈美の側にいた


「…これから会議始めるけど、何かある?」


奈美が皮切りに言い始める。早速言うのはイグだった


「女王。俺から言いたいが」


「どうぞ」


奈美が言うとイグが言う


「建築は順調に進んでいる。だが、畑、田んぼとなるとまた別の問題でそれを上手く扱える部下があまりいないんだ」


「うーん…そうだねえ…」


奈美は考えるとシュブニグラスが答えてくれた


「あら。私が指示するわ。部下たちは別に頭の悪い連中じゃないでしょうし」


「そうか?シュブニグラスにいつも任せっきりもどうかなとは思ってるが」


イグが言うとニャルラトホテプは言った


「ならアザトースの部下から引き抜きしてどんどんこの惑星の部下を増やしておこう」


「できるのか?ニャルラトホテプ?」


彼が言うとニャルラトホテプは余裕の表情を見せた


「できる。安心しろ」


そうならいいが。イグは思った


「そういえば風力発電ってどうなってるイグ?」


奈美が言うとイグは奈美の方向に向いて言う


「まだまだ完成していない。むしろまだ時間がかかりそうだ」


「だったらイタクァを呼ぶのも待っていいのかもしれないね」


ハスターはそう言う


「アタシの太陽光発電は十分だ。このままでいいのかい?」


「うん。クトゥグアはそうしてね」


クトゥグアはそれを聞くと一安心した。クトゥルフは言う


「そういえば他に呼べるモンストロルムはいるか?まだまだ神話生物はいるから普通に呼べそうなやつらからここへ来てほしいが」


「それは…ニャルラトホテプ?」


奈美はニャルラトホテプの方向に向いて言った


「まだいるだろう。もちろん俺が誘っておけばここへ来てくれる」


ニャルラトホテプの付き合いはたくさんある。そのことは他の神話生物もわかっている


「わかった。じゃあみんな、誰か誘えそうな神格がいたら呼んでね」


「わたしは早速イタクァでも呼ぼうかな」


ハスターは笑顔で言った


「じゃあ俺はイオドでも呼ぶか」


イオド。その神話生物でニャルラトホテプは言う


「おいおいクトゥルフ。イオドは引きこもり神話生物だろうが。あいつは外に出たなんて聞いたことないぞ」


「うーん。そうだった」


イオドは知らないなあ。とは奈美は思った


「はいはーい。わたし、シュブちゃんのパートナーらしく、夫婦でいる神話生物いるよ」


「ハスター?それってムノムクァとオーンちゃんよね?」


ムノムクァとオーン。これは奈美はさすがに知らない


「どんな神話生物なの?」


奈美が言うとハスターは答える


「ムノムクァは恐竜みたいな感じで、オーンちゃんはスライム人間のような神話生物だよ。あの2人、とても仲睦まじいの」


なるほど。そんなモンストロルムがいたとは


「でもハスター。彼ら今どこにいるの?まずそれからよ」


「そうだった。でもこの銀河系から離れてないとは思う…それが最後の情報だよ」


うーん。なかなか会うのが難しいとなるとそれは厄介だ


「わかった。ならいつか会えると信じておくよ」


「奈美。お前は優しいな」


クトゥルフは奈美に向けて言った


「俺も案があるが、イゴーロナクとアイホートはどうだ?あいつらコンビを組んでいて、ここへ来てほしいと言えば来るぞ」


イゴーロナク。アイホート。どんなモンストロルムだろうか


「イゴーロナクは頭が無い、手に口のある神話生物でアイホートは四足歩行で目が体にたくさんある。そんなやつさ」


なんだか怖そうなイメージだ


「なるほど…面白そうな神話生物だね」


奈美が納得するとイグも言う


「みんなツァトゥグァ忘れてないか?あいつは俺の友達でのんびりしたやつだが頭が良い。きっと女王に助言してくれると思うぞ」


ツァトゥグァ。奈美はその名前を聞くとニャルラトホテプが言う


「ツァトゥグァはどこにいるかわからん。あいつの連絡先も知らん。ここへ来てくれるかはわからんぞ」


そうなのか…色々と神話生物の名前を聞いたが、誰を呼べばいいのだろうか?


「色々と呼んでほしい神話生物たくさんいるけど…誰がいいか…」


イタクァ、イオド、ムノムクァ、オーン、イゴーロナク、アイホート、ツァトゥグァ…選択肢が色々とある


「ねえニャルラトホテプ。このラインナップ、どうする?」


「お前が呼びたいと思うのを選べばいいだろう」


奈美はじっくり考えたが、考えてみると前に会ったことがあるイタクァから先に呼べばいいのでは?と思った


「…じゃあ、イタクァを呼ぼう。まずはそこからだね」


イタクァの言葉で反応したハスター


「うん!わたしがイタクァ呼ぶね」


笑顔で言うハスター。これならきっと来てくれるだろう


「こんなものかなあ」


そう思った奈美。しかしふと思った事を言う


「この惑星って名前あるの?」


「無いな。AZT-1592という番号があるが」


なんだその番号名は…。そう思ったらシュブニグラスが言う


「だったらこの惑星、女王の偉大さを知るために『奈美』なんていう惑星名にしないかしら?」


突然シュブニグラスは何を言うんだ。奈美はそれを聞くと恥ずかしい気持ちになる


「で、でもそんなこと言われても…」


「お、奈美か。賛成だ」


クトゥルフは優しい声で言う


「奈美。いいなそれ。俺は賛成する」


イグが言った


「奈美なんていいね!わたしもそう思う!」


ハスターは喜んで言う


「あら。奈美という惑星名賛成だわ」


さっきまで喋ってなかったクティーラも言う


…全員が賛成してくれたならそうするしかないか…奈美は思った


「じゃ、じゃあ奈美で…。ニャルラトホテプいいよね?」


「いいだろう。アザトースから何も言われなければそれでいい」


自分の名前が惑星の名前になるとは思わなかったが、みんなが言ってくれるならそれでいいだろうとは考えた


そんなこんなで会議が終わった。ほぼ全員が用意されたお茶は飲んでいた



ふう。なんだか色々と喋ったなあ


あの邪神たちは人間の心を持っているため普通に喋っていると面白い人たちである


しかし他の邪神。一体どういう姿をしてどういう雰囲気なのだろう?


奈美なんて惑星の名前が付いてこれからますます期待がかかる話でもあった


奈美はそろそろ夕焼けの空になりつつある時間帯で自室にいた


これから…どうなっていくのだろう?今いる邪神と今度来るであろう邪神を思いつつ過ごしていた



様々な邪神


そして今度会う邪神。色々だった



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