第13話「火のクトゥグア」

…めぇ~ も~


シュブニグラスがどこからか買い取った牛と山羊がいた。これでこの星の畜産はだいたいできた


どこからかというと地球なのだがどこへ行かせることを言わずにこっそりと買い取り、そしてこの星に来た


うんうんこれならいい。シュブニグラスは満足げに牛と山羊を見た。後は羊を買い取るのをしよう


舎を見た後、次は畑を見に行く。シュブニグラスは元々豊穣の神。畑も育つことが可能だった


畑を見ると少しの部下が畑を耕していて、後は放置に近い状態だった。野菜と果物が育てばそれでいい


私の能力はとても良いものだわ。そんなことを思いつつも畑を見ていた


するとその畑に誰か近寄ってきた。高身長で赤い髪色をして普段着はまるで地球の人間そのものだ


誰か来たことに気づくシュブニグラス。その人を見るとはっとした


「…貴女は!」


「よっす。シュブニグラス」



宮殿に部下たちが来た。隣にニャルラトホテプがいて王座に奈美だ


部下たちが何かを作って完成したのを報告。それを受理している女王の奈美だった


「…わかった!じゃあ、壊さないように気をつけてね」


「ははっ!女王様!」


そう言うと部下たちは去っていった


「…太陽光発電なんて粋なことするんだね」


「ああ。風力発電とはまた違うエネルギーを蓄える。そんな発電だ」


ニャルラトホテプが言うと奈美はワクワクしてくる気持ちになった


「なら、水力発電とかも作らない?」


「ダムを作る気か?あれはかなりの人数がいないと作れないぞ。今は無理だ」


そっかー。確かに奈美も生前わかっているがダムを作るには結構難しいとは言われている


仕方ない。今は風力発電と太陽光発電にしよう。そう思った奈美だった


王座の向こう側に誰か来たことがわかった。誰だろうか?ニャルラトホテプはその人を見ると仰天した


シュブニグラスと、赤い髪色をしたお姉さんっぽい服装。そしてどこか太陽に輝く瞳


「き、貴様はクトゥグア!!」


ニャルラトホテプは奈美初めて感情を込めて大きい声で言った。彼女がクトゥグア?


「奈美。ニャルラトホテプ。クトゥグアを連れてきたわ。これで太陽光発電ができるわ」


シュブニグラスは笑顔で奈美とニャルラトホテプを見て、クトゥグアを見た


「やあ女王。アタシ、クトゥグア。火のグレードオールドワン。女王がいるって聞いてここへ来たよ。よろしく」


クトゥグアも笑顔で奈美に言う。しかしニャルラトホテプはまだ動揺している


「貴様!どうして来た!森を燃やしたくせに、なぜヘラヘラとここへ来たんだ!」


「ニャルラトホテプ落ち着いてよ!」


ニャルラトホテプがやけに嫌がる。しかしクトゥグアは全然関係ないように言う


「ごめんってニャルラトホテプ。前に森を燃やしたのは謝るからさ。もうこの時代、神話生物同士仲良くしないとだめじゃないか」


「し、しかし貴様は…!」


奈美はニャルラトホテプがあまりにも嫌がってる姿を見てどうしようかと思った


「ニャルラトホテプ。クトゥグアの言う通りだよ。ここで喧嘩するの?私は絶対そんなの見たくない。仲良くしよう?」


女王として、奈美は優しくニャルラトホテプに命令をした


「く、くぅ…」


「アタシはこれから太陽光発電の近くで太陽を作ってさんさんと光を降り注ぐことにした。火の玉なら任せてよ」


クトゥグアはニコニコしながら言う。これなら太陽光発電の問題は解消されそうだ


「わかった!じゃあよろしくねクトゥグア」


「…」


あれだけ騒いでたのに今は無言となったニャルラトホテプ。これじゃあいけないなとは思った


「ねえニャルラトホテプ。クトゥグアと仲直りしよう?じゃないと魔王に言いつけちゃおうかなー」


はっ!そんなことされたら魔王が何言ってくるかわからない!


「し、しかしこいつは…」


「問答無用。さ、握手して仲直りして」


奈美が言うとニャルラトホテプは無言でクトゥグアの側まで行く。奈美も立ち上がる


「これはこれから神話生物たちと仲良くする。そんな握手だよ」


そう言うとニャルラトホテプはクトゥグアすっと手を伸ばした。クトゥグアはその手を握りしめて握手した


「ニャルラトホテプ。もうアタシは何も危害を加えない。そう決めたんだ。嬉しいよ」


「…お前の活躍、期待している」


ニャルラトホテプの声が少し和らいだ。クトゥグアも喜んでいた



ぴかー!


この惑星の太陽光発電に新しい太陽が生まれた。その太陽はあまりにも熱く、どこか光輝く太陽だった


これはクトゥグアの能力。だから太陽光発電ができるのだ。とても熱いが


「暑いねー!でもこれで太陽光発電の心配は無くなったね」


「これがアタシの能力さ!」


笑顔で言うクトゥグア。これが火のグレードオールドワンの力なんだろうなと思った


「クトゥグア、これからここでどうする?」


「いや、特に行くとこないしこの惑星にいるよ」


また新たな神話生物がここにいることになった。それは嬉しい限りだ


「色々とよろしくねクトゥグア」


「おう。任されたよ」


奈美とクトゥグアは笑顔で会話をしていた



クトゥグアと太陽


これで太陽光発電は完了した




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