第11話「湖の住人グラーキ」
…今回からイグは現場監督として惑星にいることになった
それゆえか。建築スピードが早くなりかなりの勢いで建築が進んでいった
奈美、ニャルラトホテプはイグの元に行き、確認をした。やはり現場監督だからとても良いのだろう
イグは蛇の人間のまま、この場所にいた。それは奈美はあまり関係ないし、ニャルラトホテプだって何も感じない
「奈美。ニャルラトホテプ。建築は順調だ。このままひとつの村っぽい建築を進める」
彼は奈美とニャルラトホテプに言う。そうならいいだろう
「わかった。全部お前に任すが、いいか?」
「別に構わんさ。何かあったらお前と奈美に言う」
イグは蛇の人間にして笑顔を作った。前よりか生き生きしている。これなら大丈夫だろう
「イグ。無理はしないでね」
奈美が言うとイグが言う
「おう。お前も無理すんなよ」
そう言うと再び建築の場所まで行くイグだった
「建築。楽しみだね」
「そうだな。あいつは建築家だから変なものはつくらないだろう」
奈美とニャルラトホテプはその場を離れた
~
宮殿に戻った2人は奈美は王座に座り、ニャルラトホテプはそのまま側にいた
ハスターもいつの間にか合流して2人で奈美の側にいることになった
…あれ?そういえば今日はクティーラを見なかった。クトゥルフもいない。どこにいるのだろうか?
「ハスター、クトゥルフとクティーラ、どこに行ったかわかる?」
「2人?どこかの惑星に行ったとは言われたね」
惑星…もうこの言葉は何度聞いてもあちこちの惑星だろうなとは思っている
クトゥルフはガタノゾーアのいる惑星に行った。今ガタノゾーアは山沿いにいるらしい。近寄るなとはクトゥルフに言われた
しかしクティーラも一緒に一体何をしてくるのだろうか?
そう思っていると、王の間の向こう側に誰か来た。間違いなくクトゥルフとクティーラだった
…待て。何か水球のものを浮かべている。水球の中には何かがいた。奈美はびっくりする
「な、何あれ…!」
「あいつら何を持ってきたんだ」
水球を真ん中に隣のクトゥルフとクティーラは王座の前まで行く
「帰ってきたぜ、奈美」
「う、うんクトゥルフおかえり」
奈美が言うとクティーラは横にある水球のことを言う
「実はね。この惑星に住みたいって希望のあった神話生物なのよ。名前はグラーキ。基本水中にいる神話生物よ」
グラーキ。その言葉を聞いてハスターは驚く
「え!?あのグラーキさん!?」
ハスターが言うとグラーキと呼ばれる神話生物が口を開く
「…お前、女王か。私はグラーキ…。湖にいる…グレードオールドワン…。お前がいると聞いて…やってきた」
水球の中でグラーキが喋る。私とは言ってるが、声の質からして男性だろう。静かに丁寧に喋る神話生物だった
無数の棘があり、顔が無く、大きな口があり、その棘がなんとも怖かった。これで無数の人間を殺してるのだろうか
そう思ってるとクトゥルフが言う
「グラーキはな。水源の浄化をする神話生物で、建築ラッシュが始めるこの星で水源保護のために来たんだ」
グレードオールドワンなのにそんな能力を持っているとは。見かけによらないというのはこのことだ
「…そうだ。私は…きれいな水しか生み出さない…だから…ここはきれいだから…クトゥルフと…クティーラに…言われた」
グラーキはゆっくりと喋る。その喋り方も丁寧でとても聞こえの良い、声だった
「わかったわ。だったら、グラーキ、ここにいてね。きれいな水を生み出すことをしてね」
「…承知。女王」
「じゃあ私たち建築している側の湖に行かせるわね」
そう言うとクトゥルフとクティーラと水球は湖へと向かうことになった
「…凄い人材を派遣したんだね」
「グラーキ。あいつは地球にいたが、ここへやってきたか。地球の暮らしに飽きたのだろうか」
~
グラーキを乗せた水球は建築されている湖の側まで行く
そこでクティーラは水球を湖に置き、そして水球が途切れた。グラーキは嬉しそうな気持ちだった
クトゥルフ、クティーラ、そしてその場にいたイグがいた
「…私はこれより、湖の水質汚染を防止する…。イグ、ゴミを投げ込むなよ…」
「わかってるぜ。建築してる部下たち全員にゴミを投げ込むなと言っておくから安心してくれ」
「ではな。何かあったら遠慮なく言え…」
グラーキは静かに湖の奥深くまで潜っていった
「クトゥルフ。面白いやつ見つけたな」
「ああ。だが喜んでそうだ。きっとこの湖をきれいにしてくれるだろう」
クトゥルフ、クティーラ、イグはすでにいないグラーキを見て、そう思った
グラーキが来てこの惑星は賑やかになった
次は誰が来るだろう?
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