第6話「シュブニグラス」
…とんとんとんとん
この惑星の建築が始まっている。奈美とニャルラトホテプは視察に来ていた
本当にここで住むとなってから、こういう建築ラッシュは初めて見る経験だ。しかも転生という理由で
これから一体どういう惑星になるのだろう?それも楽しみであった。というすっかり慣れてしまったね
建築ラッシュを見て、アスファルト舗装も作っていた。おそらく街として必要なことなのだろう
奈美とニャルラトホテプはそんな光景を見ていた。大きい神話生物は素材を持って、小さい神話生物は経験をする
全員が神話生物だ。そして奈美の部下として存在する。奈美はみんな働き者だなあとは思っていた
「本当に凄い勢いの建築だねえ」
「まあな。全員がアザトースの部下だからな」
へえ。全員アザトースの部下だったのか
「でもアザトースさんっていつか来るの?」
「それはどうだろうな。アザトースが来たらそれは大変だと思うがな」
ニャルラトホテプは奈美の方向に向いて言った
「だが心配することはない。魔王が来てもいつもどおりの奈美になればいい。魔王だからって怖気づくことはない」
「…わかった。ニャルラトホテプ」
そう言うと再び建築に目線を向けた
奈美は空を見た。この惑星というのはとてもきれいな空がある場所だ。第2の地球と言っていいほどだ
…ふと思ったが、地球なら月と言ったものが近いが、この惑星だと色々な星みたいなものが多いな
あまり気にしなくていいか。今はこの惑星のことを考えるのがいいだろう
「そろそろ戻ろうか」
「うん」
奈美とニャルラトホテプは宮殿に戻っていった
~
宮殿に戻った。宮殿の入口に誰かいた。そこにはハスターの後ろ姿と…あの人は誰だ?
ニャルラトホテプはすぐに気づいた。あの人は間違いなく彼女だと
「…シュブニグラス!」
彼女の名を言うとその人は振り向いた。ついでにハスターも
ハスターは身長があるが、シュブニグラスも大きい女性だ。銀髪ロングヘア。美人の顔。服装はどこか宗教の服を着ていた
「ニャルラトホテプ。私よ。女王になった人。はじめまして、私はシュブニグラスよ」
シュブニグラスは一歩前に出るとついでにハスターも一歩前に出る
奈美という女王に気づいたみたいだ。怖いイメージは無かった。普通の女性だからだ
「シュブニグラスさんはじめまして。私、女王になった奈美と言います」
「…」
奈美が言うとシュブニグラスは黙って奈美のことを見ていた。少し角度を変えて奈美を見ていた
そんな行動をしてちょっと経つとハスターの側に戻り、言う
「貴女…とても良い女王ね。ニャルラトホテプが選んだとは言えど適当ではない」
シュブニグラスが言うのならそうなのかもしれないが、あまり実感が湧かない
「ありがとうございます。ハスター、この人がパートナーだよね?」
「そうだよ~!シュブちゃんと一緒なの!」
そう言うと嬉しそうな表情を見せるハスター
「ふふふ。ハスターとはずっとパートナーとして存在してたの。だから女王が降臨したって聞いてすっとんできたわ」
シュブニグラスも嬉しそうな顔をしてる
「シュブニグラスさん」
「奈美。貴女は女王でしょ?さん付けしなくていいわ」
「あ、うん。シュブニグラスって前までどこにいましたか?」
奈美が言うとシュブニグラスは上を見上げて言う
「ドリームランド…そこで色々な私たちの同志に会ったわ。その時は神話生物の形して行ったけどね」
ドリームランド?確か生前そんな場所があるとは聞いたことあるが、本当にあったとは
「じゃあ…今は人間の形でいると」
「そうね。でも基本的には人間のままで日々を送っているわ。ドリームランドでは何かあると心配だから神話生物のままよ」
ドリームランドとはどこだろうか?ニャルラトホテプに尋ねる
「ニャルラトホテプ。ドリームランドってどこ?」
ニャルラトホテプは質問を聞くと空に指差す。指差す方向に目を向けると惑星が見えた
「あんな近かったんだ」
「そうだ。俺もたまに行ってるが、神話生物がたくさんいる場所だ。機会が合ったら行くとしよう」
ニャルラトホテプが言うと視線を再び奈美に戻す
「さて、用事があるし、そろそろ行くわね」
「えー!もう行っちゃうの!」
シュブニグラスが帰るらしい。奈美は今日出会えたことを感謝を述べる
「ありがとうシュブニグラス。また来てね。いつでも楽しみに待ってるから!」
「…」
奈美が言ったらシュブニグラスは奈美の目線を合わせて言う
「…貴女、とても良い女王ね?いつか一緒にいましょう」
ふわっ…そう言うとシュブニグラスは空を浮き、そして早いスピードで空へと行ってしまった
しかし奈美は見た。そろそろ見えなくなる時点ででかい化け物になったことを。あれが元の神話生物?
「…行ったね。でも、シュブニグラスの用事ってなんだろ?」
奈美が言うとハスターは言う
「シュブちゃん、邪神の中でも相当重役だから邪神のいる世界や惑星を旅しながらあちこち行ってるんだ」
つまりニャルラトホテプのような重役なのだろうか?
「邪神の中の邪神ってやつなのかな…」
「言って意味は正しいよ。わたしも一応邪神の中では偉い位だけど」
そうなのか。邪神とは言えど様々な上下関係があるんだなあ
~
ぷるるる…
クティーラは今寝室を整理していた。使用人なのだから身の回りの世話をするのが当たり前だ
彼女のスマホから連絡が届く。なんだ一体。スマホの画面を見ると
「…ガタノゾーア?」
私の弟だ。もちろん弟というのだからクトゥルフの息子でもある
「…もしもしガタノゾーア?今どこにいるの?」
「…まだ開拓されていない海だらけの惑星?」
「あなた、でかい上にスマホで通話できるぐらいなら小さくなっても行けるでしょ」
「私?私は今奈美っていう女王の側にいるわ」
「…わかった。じゃあ今度そっちに行くから、心配しないで」
「じゃあね」
ぷつん
「…ガタノゾーア、暇人なのねえ」
今回会ったシュブニグラス
いつかまた会える気がした
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