第5話「使用人クティーラ」

…「ん、んー…」


奈美がこの惑星の女王になって次の日。この惑星にも朝という存在がある。当然夕方があるし、夜もある


そういえば昨日の夕飯はクトゥルフ特性のたこ焼きだったなあ。日本の食事なのになぜ知っているのだろうか?


そして、クトゥルフは奈美に言ったことを思い出した



「奈美。明日からお前に使用人を付くことにするぞ」


「使用人?メイドってこと?」


「簡単にいえばそうだ。俺の娘でな。年頃の女の子だから友達ほしいって希望してここへ来てもらうことにした」


「嬉しいありがとうクトゥルフさん」


「なーに。お前のことならなんでもやるからな」



…そんなことを言われて楽しみに待っていた。奈美は早速起き上がる。また今日も建設の下見をしないと


がちゃ…突然ドアが開いた。ニャルラトホテプ?いや、違う。部下でもない、全然違う人だった


なんて美しい人なんだ。黒髪ロングヘア。瞳は青く、肌がツヤツヤしている。しかも割りと身長が高い。地球にある普通の服装をしている


彼女は奈美を見ると笑顔で対応した


「貴女が、女王奈美ね」


「は、はいそうです」


笑顔が素敵な人だ。そんなきれいな人に思わずキョドる


「自己紹介するわ。私、クティーラ。クトゥルフお父さんの娘。今日から貴女の身の回りのことをする、使用人よ」


…もう来たのか!?奈美は慌ててベッドから飛び出してクティーラの側まで行く


「はい!クティーラさん。よろしくお願いします」


「これから仲良くしましょうね。これはお父さんから言われているから。よろしくね」


そう言うとクティーラは笑顔で奈美を見た。笑顔が素敵な人だあああああ~~。奈美は浄化されてしまいそうだ


「じゃ、早速。私、クティーラから言いたいことがあるわ」


「はい?」


奈美はキョトンとするとクティーラが言う


「今度から敬語は禁止よ!」


「わ、わかったクティーラさん」


「さんも禁止」


「うんクティーラ」


敬語禁止&さん付け禁止が出た。つまりはとてもフレンドリーになりたいのだろう


「さ、朝ごはん作ったからおいで」


「嬉しいなクティーラ」


奈美とクティーラ。仲良くできそうな、そんな希望があった



「…美味しい!美味しい!」


その朝ごはんは日本にいたときと変わらない食事だった。てっきりゲテモノ料理が出るのかと思ったら違った


ごはん、味噌汁、漬物、鮭焼き、卵。なんて良い朝ごはんだろうか。作ってくれたクティーラに感謝する奈美


「ありがとうクティーラ」


「別にお礼はいらないわ。これは貴女という女王の下で働くのだから。変に気遣い無用よ」


…ならこのクティーラに色々と命令していいのだろうか?


まだここに来て1日も経っていないが、それでも女王の立場がイマイチよくわかっていない


「クティーラは、元々どこにいたの?」


「私?私はお母さんの側にいたけど、お父さんに呼ばれてここまで来たわ」


ああ。確かクトゥルフが言ってた。クティーラのお母さんがいる惑星…なのだろうか?


「クティーラのお母さんって病弱だって聞いたけど?」


「うんそうよ。でも大丈夫。すぐに死ぬわけじゃないから。ちゃんと許可取ってここまで来たのよ」


つまり。女王の元で働くという意思を持った神話生物なのだろう


「…私、女王として貴女を守るからね」


「何言ってるのよ~。私が守ってあげるんだから」


にこやかな朝だ。クティーラという使用人が来て、なんだか嬉しい。そう思った奈美だった



「ようやく来たか」


「おはようニャルラトホテプ」


王の間に奈美とクティーラが来た。そしてそこにいたのはニャルラトホテプ、クトゥルフ、ハスターだ


ハスターに至っては最初見せたフードを被った状態ではなかった。ちゃんと顔が見える状態だ


「どうだクティーラ、女王と仲良くできそうか?」


「お父さん、この奈美はなかなか良い人よ」


クトゥルフはクティーラを見ながら言う


「…これより。俺たちは女王を中心にここにいる。幸いうるさいアザトースからは何も言われてない。5人でいよう」


なるほど。私、ニャルラトホテプ、クトゥルフ、ハスター、クティーラを中心にいるのだな


「わかったよニャルラトホテプ。…でも、他にもっといるんでしょ神話生物?」


奈美はニャルラトホテプに言うとハスターが言う


「だってわたしのパートナー、シュブニグラスはいるし、副王と呼ばれるヨグソトースだっているよ」


…奈美はハスターに言われて気づいた。そういえば、副王っているんだった。と


「俺たちの副王、ヨグソトースは何してるかわからんやつだが…何してるんだあいつ?」


クトゥルフはニャルラトホテプに向いて言う


「わからん。一応メールを送信したことがあるが、一切わからん」


何もわからない神話生物なんているんだなあ


「ヨグソトースさん、そういう人なら気まぐれでふらっとここへ来ることがあるのかな」


そう言うとクティーラが言う


「奈美の言う通りよ。女王が来たってことでもしかしたら来てくれる可能性があるとは思うわ」


「そうだろうか」


クトゥルフはむむむっとしている


「気まぐれなやつは置いておこう。確実に会えるやつだけこちらに来れば良いことだ」


そうしよう。今からどんな神話生物に会えるか。とても楽しみな気持ちになった奈美だった


「じゃあ…まずはわたしのパートナー、シュブニグラスから会おう?わたしが連絡すればすぐに駆けつけてくれるよ」


ハスターはそう言う。ニャルラトホテプは奈美に向けて言った


「奈美。シュブニグラスに会えるかもしれん。あいつは宇宙を飛んでる。だが心配するな。人間になれるから意思は通せる」


「わかったニャルラトホテプ。ハスター、よろしくね」


「任せて!」


ハスターの表情は笑顔であった



次に会えるのはシュブニグラス


どんな邪神だろうか?



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