第4話「クトゥルフとハスター」

…ニャルラトホテプと奈美は早速外に出た


様々な部下がいることになった奈美は一体ここはどういう星なのか。調べる必要があったからだ


宮殿を出てすぐ目の前には草原が広がっていた。ここは地球と同じような草原があるのか


「ここは…草原なんだね」


「もっと奥に行くか」


ニャルラトホテプの誘いで奈美は歩いていく。草原の向こう側には湖があった。汚くない。とても良い水源であった


奈美が湖に近寄り手で水をすくう。とてもひんやりした水が奈美の指先に伝わった


「こんなきれいな場所があるなんて」


「次は建築してる場所に行くぞ」


そう言うと2人は建築されている場所へと向かう


湖のすぐそこだった。そこにはどこも建築している建物や家があった。ここでみんなと暮らすのか…!


神話生物の部下たちは手や足を使ってハンマーで叩いたり木材を持っていく。これは地球でもあまり変わらない


まるで地球の日本で言うなら戦後まもない建築ラッシュの光景を今、見てるみたいだ


いずれビルも建てるだろうか。奈美は目の前にしてこの建築を見ていた


「とりあえず今は様々な建物を作っている。大きい都市になるようにしている」


なるほど…澄んだ空気があるこの惑星、ふと、空を眺めた


地球と変わらない青い空。月こそ見えないが星が輝いて見える。そんなこの惑星、奈美はまた驚くしかなかった


ぷるるる…


ん?携帯電話の音?ニャルラトホテプは持ってたかばんからスマホを取り出す


「え。邪神でもスマホってあるんだ」


「何か悪いか?」


「いや別に」


ニャルラトホテプはスマホの着信ボタンを押して言う


「俺だ。…ああクトゥルーか。今?あの惑星にいるぞ…おう、ハスターも一緒なのか。…わかった。すぐにそっちに行くんだな。

もうすぐに来れる?わかった。じゃあ今いる女王に挨拶をしよう。また後でな」


ぷつん


電話が終わった。何があったのか奈美は訪ねてみた


「どうしたの?」


「クトゥルフとハスターがこちらに来るみたいだ。奈美、一旦宮殿に帰るぞ」


ニャルラトホテプと奈美は宮殿に帰る。奈美は思ったがこのニャルラトホテプには逆らわないほうがいいだろうと思った



宮殿に着き、王の間に。奈美は待っていた。クトゥルフとハスターが来るのを


奈美は王座に座り、ニャルラトホテプは側にいた。すると来た。それっぽい邪神が奈美の目に飛び込んできた


たこの触手のある極めて筋肉質な邪神。黄色いフードを被り顔が見えない邪神


「あの人たちが…」


「クトゥルフにハスターだな」


クトゥルフとハスターは奈美の目の前まで来た。クトゥルフとハスターは軽くお辞儀をする


「よお。ニャルラトホテプ。そして新しい女王。女王のほうははじめましてだな!俺はクトゥルフっつーんだ」


「はじめまして。クトゥルフ。私は奈美です」


たこの触手がある邪神、クトゥルフは明るい声で挨拶をする。声がやや低め、おっさんぽい声だ


「クトゥルフ。お前は今までどこにいた?」


「ああ。俺、病弱の奥さんの住む惑星に行ってたんだ。色々な部下がいるから大丈夫なんだがな」


そう言うとたこの触手を動かして、腕を組んで言った


こちらがクトゥルフなら黄色い服を着た人はハスターだろう。なぜしゃべらないのだろうか?


「ハスター?お前も何か喋ろよ。新しい女王だぞ」


「…わ、わたしは…」


わたしはと言った。おや?こちらは女性っぽい声がする。声の高い、少女のような声だ


「ハスター。私は奈美っていうの。あなたの姿、見せてほしいよ」


「ほら、そう言ってるだろ?フードを脱げよ」


「…う、うん…」


恥ずかしいのか羞恥心というのか。ハスターはゆっくりとフードを脱いだ


そこには人間の顔があった。目が黄色く、金髪ショートで、肌は灰色だった。目線は下を向いたままだった


「は、恥ずかしい…」


ハスターはぽつりと言う。しかし、奈美は全く否定の気持ち無しで言う


「か、可愛い!ハスター可愛いよ!美人じゃん!」


あれ?ハスターって確かシュブニグラスの旦那さんだったような?いや、違うか?


可愛いと言われてハスターのハートが撃ち抜かれた。可愛いと言ってくれる人がいて、とても嬉しいからだ


「…わたしのこと、可愛いって言ってくれるの?ありがとう!」


暗い声から明るい声になったハスター


「…じゃあ、わたしの女性っぽいとこ、見せるね」


ハスターは全身を脱ごうとした。クトゥルフは慌てて止める


「すとーっぷ!!何脱ごうとしてるんだよ!!」



「なるほど。クトゥルフはニャルラトホテプの親友。ハスターはシュブニグラスのパートナーなんだね」


脱ごうとしたハスターを止めた後、クトゥルフとハスターは説明をした。奈美はうんうんとうなずいた


「俺とクトゥルフは腐れ縁だ。何やってもこいつがいるからな」


「シュブニグラスはね。今宇宙にいるの。わたしとは違う人だよ」


そうなんだ。だがまだ神話生物というのはたくさんいるのだろう


「ニャルラトホテプ…神話生物って、もっといるんでしょ?」


「そうだ。お前の知らない神話生物はいる。だが心配するな。奈美は女王。それだけで安心できる」


確かにその通りだと思うが、次はどういう神話生物が来るのだろうか?


「そうだ奈美、ニャルラトホテプ。俺はもう何もすることないからこの惑星にいるからな」


「わたしも。これからよろしくね奈美ちゃん」


クトゥルフは触手を動かしながら。ハスターはフードを脱いだ顔で笑顔で言った


「うん!よろしくね!」


ニャルラトホテプは思ったがきっと地球では良い性格をした女性なのだろう。とは思った



(うーん。この奈美というのは…そうだ。俺の娘を紹介してもいいだろう)


(同じ女性同士なら、きっと仲良くなれるはずだ)


クトゥルフは心の中でつぶやいた







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