第3話「女王、君臨する」

…「ん、んー…」


奈美は目覚めていた。いや?目覚めたというよりどこだここは?


確かに私は死んだはず。なのにどうしてこんなきれいな場所で寝ていたんだ?病室のベッドで寝ていたはずだ


その室内はタンス、椅子、テーブル、化粧台、様々なものが置かれていた。なんだここは?天国ではないのか?


「あ、あれ…私…死んだはずなのに…」


がちゃ。ドアが開いた。そこにいたのは名状しがたい人のクリーチャーみたいなのがいた


「はっ!」


奈美は気づいた。これは…絵で見たことある神話生物…!ニャルラトホテプではないか?


「気づいたか。奈美」


この人、いや神話生物はどこから声を発しているのか?そんなことはどうでもいいのかもしれない


「わ、私…死んだのに…」


突然のことで混乱している奈美。だがニャルラトホテプは冷静に奈美に言う


「お前は選ばれた人。そして、この惑星を統治する女王として生まれ変わった」


え、選ばれた?惑星の統治?たった数行で奈美は混乱することになる


「おっと。自己紹介忘れたな。俺はニャルラトホテプ。邪神だ」


邪神?あのクトゥルフ神話の邪神?本当にいたのか。自己紹介されたので慌てて奈美も言う


「私、美月奈美。これはどういうことなの?」


最初はびっくりした奈美だったが、優しそうな声で次第に安心する


「お前の魂を取り入れた。そしてここへ来て魂を具現化させた。そしてお前は女王になるんだ」


…じゃあ私はこの惑星の住民になるのか!


「そ、そうなんだ…不思議…死んだのに…」


だが、聞いたことあるニャルラトホテプに逆らうのは怖い。大人しく、今の現状を飲み込むしかないだろう


「わかった…じゃあ起きるね。あれ」


ベッドから出ると奈美の服装は病院のパジャマのままだった。この服を着て死んでたのか


「こ、これじゃあなあ…」


「大丈夫だ。それ」


ニャルラトホテプは指からビームっぽいのを出して奈美の体に当てた。すると女王にふさわしい姿となった


「わあ…きれい…ありがとうニャルラトホテプ」


「礼はいらんぞ。これからお前の部下として、俺は存在するからな」


…部下。今までそんなこと無い経験なのに。これから女王になるのか…今でも夢を見てるんじゃないかと思っていた


「これから王の間に行く。着いてきてくれ」


そう言うと指示どおりに奈美は着いていく


部屋を出て廊下に行く。そこもずいぶんとしゃれた廊下だった。赤絨毯におしゃれな窓。ここに住んでいいのか?


そう思っていると王の間に着いた。なんとでかい。ここなら数十人は入れそうな広さだった


すでに部下がいる。部下たちが奈美を見るとお辞儀をした。この人…違う神話生物も私の部下なんだ


王の間通路を通り王座に近づく。そしてニャルラトホテプは言う


「お前の王座だ。座れ」


ニャルラトホテプの指示どおりに奈美は座る。とても心地よい感触だった


「では。今日から奈美はこの惑星の王…いや女王だ。見ろ。お前を待っていた部下たちがいっぱいいるぞ。挨拶だ」


まずはなんて言えばいいだろうか?普通に言うほうがいいだろうか?


「…こんにちはみんな。私は美月奈美。これから、みんなよろしくね!」


その言葉を言うと部下たちが一斉にお辞儀をして言う


「ははー!女王様!」


部下たちの声が鳴り響く。私…これから女王になるんだ…


思ってなかった第2の人生。奈美はまだ実感がわかないまま、女王として存在した


(しかし邪神たちが来ないな。誰か来てくれたほうがいいのだが)


ニャルラトホテプは思ったいた




新しい女王


これからの人生が始まる


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