第2話「ニャルラトホテプ、人材を発見する」

…ニャルラトホテプは魔王のうるさい笑い声を思い出して地球へと向かった


魔王のいる間は地球から遠い。何光年も進んだ先にある。だから普通の宇宙船ではまず行けない距離だ


しかしニャルラトホテプは空間を突っ切って行ける能力がある。宇宙空間なんてへっちゃらだ


王にふさわしい人間。誰かいるだろうか?まずは適当に地球に降りて探してみるか。骨が折れる作業である


だいたいあのアザトースはちょっと言い方が雑すぎる。何百年といるが雑なところはちっとも変わってない。むして変えてほしい


もし俺が魔王になったらきっと安泰だろうに。神話生物たちがバラバラになったのもアザトースが原因かも


まあ。今更アザトースに文句言っても仕方ない。開拓を進めている惑星はニャルラトホテプが指示してるから魔王は来ない


だからこそニャルラトホテプの自由に指示できるのだ。あんなの来たらどうしようもない


宇宙空間からどこでもいい。変わった諸島のある場所へと降り立った。そう、日本である


ニャルラトホテプは地球のことはあまりわかっていない。しかしとても居心地の良い惑星だということしか知らない


日本に降り立ったのもたまたま見つけただけである。日本上空から人間を探してみる。誰かいるかなー


まるで帰ってきた人が早速冷蔵庫開けて何かないかなー状態だ。ニャルラトホテプは食事はあまりいらない


ニャルラトホテプは日本を見て、人間たちを見た。しかし…


「…くっ!どいつもこいつも!全然王の素質が無い奴らだらけではないか!」


日本の特に人口が密集してる東京に目をやったニャルラトホテプ。全然いないね


「全く!こんなひ弱なやつらを王に向かい入れることはできない!」


そろそろ別のところに行こうか。と思ったニャルラトホテプ。やはりここはだめだった


…と思った。だが、ニャルラトホテプはどこかテレパシーを感じた。邪神なので色々は術を持っている


そして、選ぶ者もわかっている。何かを感じた。ニャルラトホテプは人に見えないように接近をした


そこは病院だった。病院自体は聞いたことがある。病にかかった人を介護する場所だと


「…こいつ、もう死ぬのか?」


窓から見えるとそこにはベッドにいた一人の少女が死ぬ寸前であった


「奈美!死なないで!どうか…生きて!」


少女の周りには家族がいた。少女は死にそうな顔をしながら笑みをした


「お母さん…いままで、ありがとう…」


そう言うと奈美と呼ばれる少女は静かに息を引き取る


「奈美いいいいいいい!!」


…こいつだ!王、いや女王になる素質のある人物だ!邪神の感なのかこの子にすると決めた


少女の魂がすっと出てきた。これも邪神ならではの見え方だ。ニャルラトホテプはその魂を吸い取った


魂を体に取り入れた。よし。これで目的が達成された。後は惑星に行き魂を具現化させて少女のままで蘇るのだ


ニャルラトホテプは目的を果たしたのでさっさと地球から出て宇宙空間へと行った


「…奈美。と言ったな。次からお前は女王となるんだ」


彼は大切そうにその魂を持ち帰って行った



死んだ奈美はまだ気づいてない


これから女王になることを



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