転生女王~なんも取り柄が無い死んだ私が邪神を部下にする女王になった!~

緑樹ユグ

第1話「ニャルラトホテプ、地球へ行く」

…真っ暗な宇宙空間に魔王が存在した


魔王。それはアザトースと呼ばれる絶対権力だった。その大きさはとても大きい。言わば怪獣のようなそんな大きさだ


魔王の宮殿。地球からかなり離れた場所にアザトースはいた。魔王とはそれだけ大きいものだった


でかく、名状しがたい、普通の人が見ればすぐに気絶するだろう。魔王の姿があった


アザトースは闇の力で周辺惑星を支配していた。しかし、アザトース自体は表に出ることは無い


部下に指示を出して、自らはどっかりと居座っている。そんな魔王のことだった


しかし最近、神話生物にも良き住居を見つけて惑星を開拓しようという動きがあった。これはアザトースの指示である


この数年。いや数百年。邪神と旧き神は惑星の色々な場所にいてバラバラとなってしまっている


そこで良い惑星を見つけて、バラバラになった邪神たちと一緒になろう。そういう指示でアザトースは決めていた


だがアザトースは元々あまり動かないタイプ。結局やるのは部下である。あちこちと行くわけではない。いわば引きこもりだ


こんな引きこもり、下手したら弱くないか?なんて噂があったが魔王なのでみんな黙っていた。報復が怖いし


まあそれはそれとして。アザトースの間にて、一人の邪神が魔王の前にいた。ここから物語が始まる


アザトースの腹心がいた。名前はニャルラトホテプ。彼も名状しがたい姿をしている


顔が無く、触手となっており、筋肉もムキムキでこれは普通の人がみたらたまったもんじゃない


ニャルラトホテプは腹心であり、アザトースの部下でもない。アザトースに対してはタメ口で話す。大丈夫なのか


しかし大丈夫。らしい。元々ニャルラトホテプ自体もこの魔王には怖いと感じたことはない。大きいだけである


アザトースの前にいるニャルラトホテプ。彼が前に立ってるとアザトースから声が聞こえた


「…腹心よ。星の開拓は進んでいるか?」


「ああ順調だ。だがまだ全然作られていない。一応宮殿は作ったが、それだけだ」


アザトースはそれを聞くと次の命令をニャルラトホテプに言う


「ニャルラトホテプ!お前に指示を出す!地球に行き、王にふさわしい者を探すのだ!」


…ニャルラトホテプ、地球は知ってるが王を探すのか…


相変わらずこのアザトースは何言い出すかちっともわからない。どうしたもんか


「…わかった。じゃあ今から地球に行く。アザトース、決して外に出るなよ」


「ハッハッハ!頼んだぞ!」


魔王の言葉に反応してニャルラトホテプは魔王の間から離れる。ほんと見つかるものだろうか


そういえばアザトース。知能が0だから変な指示しかできないんだよな。頭が悪い魔王。ほんとそれでいいのか?


命令は命令だ。ニャルラトホテプは魔王の間から宇宙空間に飛び出し、地球へ向かった


王にふさわしい人間。果たしてあるのか?


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