第25話 助けないと

ショッピングモール。

フラフに連れてこられたのは子ども服とか売ってる階。普段はエスカレーターの乗り継ぎで降りるだけの階だ。

エレベーターなら降りないな、と思った。



「子ども服って可愛くていいね。僕好きだなぁ」



値段は可愛くないけどな。

値札を見ながら、姉は子ども服の値段がこんなにするとわかっているのか?とちょっと心配になる。

子ども服のことは全然わからないので、癪だが「の服を一緒に選んでやってもらえませんか」と店員に頼み、ショップとショップの間の通路にある椅子に腰掛けた。



「ここは子ども服の階のようですが…」


「あら言ってなかったかしら?。私の友達の出産祝いに子ども服をプレゼントしようと思って」


「いいお考えですね」


「そうでしょ?。子ども服って高価なのに、すぐに着れなくなっちゃう物だってお母さんが嘆いてたのを思い出してね。プレゼントでもらったら嬉しいかなって」



フラフが服を選ぶのをぼうっと眺めていると、通路を美形の男女が通った。はぁ、あの人綺麗だな…。一緒にいる人、恋人なのかな。まあ俺とは縁のない人だろう。



「お待たせ〜。はい持って」



俺が持つのは恥ずかしいくらい可愛いショッピングバッグを持たされ、げんなりしているとフラフはさっきの男女を眺めていた。



「可愛いもの好きなやつはやっぱり、ああいう綺麗な人たちのことも綺麗だなとか思うわけ?」


「人間の方はタイプ」



……ん?。人間の方?



「人間の方って…?」


「えっ、ああそうか。わかんないのか」



フラフは男の方を指さして、可笑しそうに笑う。



「あいつは同郷のエイリアンだよ」


「なんと」



あの綺麗な人は、あの男がエイリアンだと気づかずに一緒にいるのか?

騙されているのか?

大変だ!



「行くぞ」


「は?え?どこに?」


「あの人を助けに」

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