第20話 同郷のエイリアンの気配
その頃、某別宅では―――
「おい、お前」
「待って俺の方が年上なんだけど」
「僕をここに住まわせろ。いいな?」
「脅し?。警察に通報っと…」
「エイリアン相手に通報で脅し返しッ!?。お前やるな…」
待て、今なんか聞き捨てならない単語が飛んできた気が…
「EIRIAN?」
何でローマ字になった?と自分でも思いながらも、戸惑いが隠せない。山とかで熊や蜂が現れた時の対処法はわかるけど、流石にエイリアンはわからん。どうすりゃいいのよ、この状況。
「とりあえずオムライス作れ。腹へった」
「うん、わかったよ」
とりあえず無害そうだし、従っておく。エイリアンの総合的な力がわからないから。でも実家暮らしだからどう両親に伝えよう………。
「ねえ親と一緒に暮らしてるんだけど、君のことなんて説明すればいいと思う?」
なんかもう色々わかんなくて、この子に聞いてみた。
「そうだな、弟にしたいって言えばいいんじゃないか?」
「そんな簡単に言うけどさぁ…」
「僕に聞いたのはお前だ」
どうですよねぇ…。エイリアンって集団で移り住んでくるのかな、渡り鳥みたいに今一時的に地球にいるだけ?。
ああ、もう、他にもエイリアンと同居してる人がいたら助言をもらいたい。
☆ ☆ ☆
掃除機をかけるコスモスと、ファッション雑誌をめくる蝶々。こんがらがったコンセントを持ち上げながら床を掃除するコスモスは、ふと窓の外に視線をやったまま身動きしなくなる。
ベランダに来ようとしているハトに警戒しているのかと、特に気にしない蝶々だったが、そんな彼女にコスモスは何でもない風に話しかける。
「蝶々さん」
「何かしら?」
「同郷のエイリアンが地球に来たみたいです」
ファッション雑誌を静かに閉じた蝶々は徐に顔を上げ、コスモスを見上げる。
「私としたことが、言っている意味がわからなかったわ。…もう一度言ってくれる?」
「エイリアンが地球に来たみたいです。私と同郷の」
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