第13話 ハミガキ粉

風呂、酒、ゲームと日課をこなした後、洗面所へ向かえば風呂から上がったコスモスと鉢合う。

今日私がプレゼントした部屋着を来て、丁度ドライヤーを終えたところのようだった。

思った通り、色白のコスモスには黒Tシャツが似合うわね。

タオルは兼用でいいと話したから、首から私好みの花柄タオルを提げていて思わずくすりと笑ってしまう。

(ふふ、何かかわいいじゃない)



「お風呂頂きました。それから蝶々さんから頂いた部屋着とても快適で、よく眠れそうです」



やっぱり服のままかつ床では、よく眠れなかったのだろう。自室に布団、それから部屋着や服を何着か用意して正解だったわ。



「それはよかった。一緒に暮らして行くんだから、あまり遠慮はしないでね。じゃないとこっちが気を遣うから」


「かしこまりました。なら明日はカレーが食べたいです」


「あら、好きなの?」


「一回作れば二日間分の夕食になるので」


「思考回路が主婦ね」



並んで洗面台の前に立ち、歯ブラシをくわえた。

コスモスは緑、蝶々は黄色。

歯ブラシの上にたっぷりと子ども用の甘いハミガキ粉をつけるコスモスにギョッとしているのがバレたのか、微苦笑される。


「私ミントのようなスースーするものを口にすると地球に居られなくなるんです」


「え!?」



思わず口にためていたハミガキ粉を吐き出してしまうと、「冗談です」と満足そうに笑われた。



「単に苦手なだけですよ」


「驚かせないでよ。その歯ブラシで洗面台の掃除するわよ?」


「しないでしょう、そんな面倒な掃除」


「ええ、まあ」



軽口を言えるような友人を家に呼んだような、そんな気安さ。

どうなることかと思ってたけど、意外と何の問題もなさそう?、この居候ライフ。

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