第12話 コスモスの部屋

うっかりお酒を飲んでゲームをしているうちに忘れてしまわないよう、夕食後は風呂に入る前にコスモスの自室になる部屋を作るために奮闘した。



「今日のうちに落ち着いて眠れる場所くらいは用意してあげたいわ…」


「お部屋をいただいていいのですか?。私は床で寝るのでも構いませんよ」


「私が構うのよ。あなた実はバカね?」



つい笑いが込み上げる。コスモスの場合、本当に床でいいと思っていそうなのよね。

この分だと、気をつけていてあげないと色々遠慮しそうね。彼には遠慮してるつもりはないのだろうけど。

相手は居候型地球外生命体。決して油断はしちゃいけないけれど、もうここは彼の家でもあるんだから、リラックスできるところはやっぱり必要よね。

お互いが気を遣わなくて済むようになれば、家主としても楽だし。


なんとか物置にしていた部屋を片づけ、コスモスの自室を作ることに成功した。



「この感じなら家具もほしいところね」


「…ほしいと言っていいなら」



やっぱりあの酷い買い物リストは遠慮の現れだったのね。少しわがままを言ってくれて、ちょっとほっとしたわ。

まだ生活を共にし初めてから24時間くらいしか経ってないけれど、少しづつ心を開いてくれているんだとしたら嬉しいわね。



「じゃあ家具は次の土曜に見に行きましょう。布団はこれを使って」



ベッドを使ってるって言ってるのに、実家から春先用の軽くて暖かいお布団なるものが送られてきたので、それをコスモスには使ってもらうことにした。

昨日渡してあげればよかったのだけど、昨夜の時点ではまだ梱包を解いてもいない状態だったから丁度いい布団があることに気がつけなかったのよね…。

コスモスと共に結構重たいマットレスと布団を部屋へと運ぶ。



「何から何まですみません。その分明日からもせいいっぱいお世話させていただきます!」

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