第11話 ミニマリストなの?②

私とコスモスの夕食を抜けば、実質彼の買い物はハミガキ粉と歯ブラシだけだ。

「私は薬局へ行ってから食品コーナーで買い物をして参りますので、蝶々さんはお好きなところを回っていてください」



言うやいなやそそくさと薬局へ向かってしまう。

遠ざかっていく背中を見送りつつ、連絡手段となる携帯と、やっぱりパジャマぐらいは必要だろうと思い直し、ショッピングモール内でそれらが揃いそうな店を探す。



思いのほか早く買い物を終わらせたコスモスは、別行動していた蝶々を探して服屋にたどり着いた。



「あら、もう終わったの?」


「はい。お買い物をされたのですね、お持ちしますよ」



そう言って両手に持っていた紙袋がすっと手から離れる。






帰宅途中、何かあった時の連絡手段として携帯は持っていてほしいことを伝えると、あっさりと了承してくれた。



「わざわざありがとうございます。お望みとあれば脳へ直接語りかけ、蝶々さんの考えていることもキャッチ出来たのですが」


「望まないわね。帰ったら居候生活ルールノートにそれは禁止って書くわ」



何かと順応力が高そうなコスモスに携帯を渡し操作方法を教えると、数十分後にはもう問題なく携帯を使いこなしていた。

両親に使い方を教えた時は時間がかかったので、彼がすんなり覚えてくれて助かった。


家に帰るとコスモスは冷蔵庫に買った食材を詰めていき、私は彼のために買った服のタグを切って洗濯機へ放り込む作業をした。

服は私からのプレゼントということで贈ったら、恐縮していた彼もやっと受け取ってくれた。

だってコスモスったら、星から持ってきた二着を着回すつもりだったのよ?。それじゃ雨なんかが降ったりしたら終わりじゃない。

居候の許可を頂いた記念とか何とか言って、故郷の料理を振る舞うとコスモスはキッチンで張り切っていた。

内心ビビり散らかしていたけれど、私もよく知る食材で代用されたその謎郷土料理は思いのほか美味しくて箸が進み、しまいにはおかわりをしてしまったくらいだ。

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